ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「アリスマッドネスリターンズ」

 アリスマッドネスリターンズの感想、の前に。


 デウスエクス!何を、延期しとんじゃあああ!!!
 デウスエクス発売日延期のお知らせ - SQUARE ENIX EXTREME EDGES


 完全にプレイするつもりでアリス終わらせたっつーのに!!
 そもそもゲームボリュームがあるとはいえ、発売二日前までそういう見落としをしていたり、二日前だととっくにROMも焼いてるだろうから隠密回収してるだろうし、あんた大丈夫っすか。

 すでにDS時点でどうでもよかったドラクエXオンラインとかどうでもいい。
 デウスエクスをちゃんと出してくれ。



 ・・・ふぅ。



 さて、アリスの感想。
 先に書いておきますが、強烈にボロッカス言ってる割にクソ歯切れ悪い感想です。


 まずは、ゲームの内容をざっくり。

 アリスインマッドネスリターンズは「リターンズ」というだけあって、アリスシリーズの二作目。

 本シリーズは、ルイス・キャロル不思議の国のアリス」の後日談という形になっている。
 いい歳こいても妄想世界ぶっちぎりで生きちゃったアリスさん。家族全員を失う火事などのトラウマにより、サイコさんとなって、妄想世界で戦うことになる、みたいな話。

 ハートの女王に支配されつつある、妄想世界=ワンダーランドを、一作目で救った(妄想の方向を暴力的な方法でお花畑モードにした)アリスは、精神病院の門を素晴らしい笑顔でくぐったものでした。

 マイナーながら独特の世界観で人気になった一作目。
 一部のファンが続編の発売を熱烈に希望し続け、その甲斐あってか、11年ぶりについに続編の発売にこぎつけた。


 今作では、相変わらず心理療法を受けつつ、孤児院のお手伝いをしているアリスさん。クソみたいな世界だけど、それなりに過ごせている・・・と思いきや、アリスのワンダーランドには、新たな問題が発生していたのです・・・。

 そんな訳で、アリスさんは再びワンダーランドを滅茶苦茶にしている原因を探しに行く。ナイフ持って。
 


 このゲーム一番の見所は、ガチメンヘラーアリスさんの頭の中でグッツグツにあったまったワンダーランドのビジュアル。

 極彩色の美しい中にも不気味な生き物がいる谷。スチームパンクなマッドハッターの城。青空鮮やかなトランプ空中庭園。臓物だらけ、触手マニア歓喜の女王の城。開発がおそらく一番張り切った*1中国テイスト全開のミニチュア山。

 せっかくだし、公式のギャラリーページでも貼っておきましょうか*2
 アリス マッドネス リターンズ| EA エレクトロニック・アーツ

 あと、これ重要。

 アリスが、ちゃんとかわいい。アメリカ制作じゃなくて中国制作だからか?

 別に萌えとかそういうのは良いけど、モデリングがちゃんとかわいいのは大きい。主役アリスにしておいて悲劇的なビジュアルだとそれだけでテンションだだ下がりだしな。
 基本の造形がかわいいから、ジャンプで若干がに股なのもなんかかわいく見える。髪の揺れ方も良い。


 ただ、ビジュアル面以外となると、とにかく惜しいところが多い。
 見渡す限り各パート、全てどこかが惜しい内容になっていて、結果、全体として見るとかなり微妙な内容になっている。


 まず、一番致命的なところから書いていく。

 ゲームボリュームがいたずらに長い。
 
 1ステージがとにかく長い。無駄に長い。言い換えるとスタッフのバランスがグラフィッカーにだけ偏り過ぎてる。

 プレイボリュームがある、と言えば聞こえが良いけど、それも道中に色んなギミック、敵が用意されていて、色んな楽しみがあっての話。
 このゲームでは同じ類の仕掛けが何度となく登場する。ステージが変わると、一見のビジュアルイメージが変わるが、基本の流れはずっと同じ。ジャンプアクション→スイッチ→ジャンプアクション→すべり台→バトル→透明床→ジャンプアクション・・・と同じような構成が延々続く。
 流石に1ステージに一つは変則的なパートが用意されているが、それ以外が代わり映えしないので、あんまり意味がない。一度出てきた仕掛けはその後何度となく使い回されるので、進むにつれ、どんどん面倒くさくなってくる。
 ステージを進める間、話がほとんど進まないのも、だるくなるのを助長する。
 こうして、ただでさえ長い1ステージがものすごい長さに感じる。

 プレイ中、シンプルな方法としてステージを半分にすれば良かったのに、と何度思ったか知れない。
 なんせグラフィックは良い感じ。それだけに代わり映えのしないギミックをこなしてるうちに景色にもゲームにも飽きが来て、だんだんどうでもよくなっちゃうのが勿体なくて勿体なくて・・・。
 ダレ場が少なければ、短くても内容の詰まったゲームになったんじゃないか、そればかり考えてた。


 長大なステージを牽引する、物語、演出にも問題がある。

 何というか、何が起こっていて、どう進行してるのか、大づかみなら把握出来るけど、具体的にはさっぱりわからない。
 物事の時系列が不明だったり、各パートの繋がりが曖昧だったり。
 奇妙な感じを演出したいのかも知れないが、臓物ゾーンを抜けた先がすぐさま清々しい青空だったり、焼けた家に突入(?)した先が何故かドールハウス調のエリアだったり、唐突で、強引さが目立つ。
 ステージ2で、アリスが大工にぶち切れるシーンとか、プレイしていてまったく何がなんだかわからなかった。大工に「殺人鬼!みんなを酷い目に遭わせて!」みたいな事を言うけど、そういうシーンがどこにあったのやら・・・。奇妙なんじゃなく、完全に意味不明で困ってしまった。不条理ってキャッチコピーに書けばいいもんでもないだろ。
 
 テキストについては、俺が英語解らん人間なので、ツッコミ辛い部分もある。
 なので、かなり推測部分が多くなるのだけど、おそらく、ローカライズ作業がクソなんだと思う。これはもう開発も、EAも、同罪で。

 理由は、しょうもないバグが目立つから。
 海外版ではどうだったのか解らないが、テキストの表示にバグが多く、表示がされていないテキストがツラッとあったりする。BGMとしてのボイスじゃなくて、イベントシーンのセリフの話。
 翻訳後のテキストと、拙すぎるヒアリングによって推測するしかないが、そもそもこのゲームのテキストは親切で直接的な物言いのものではないように思う。そのため、多分全てきっちり表示されていても解りにくい可能性があるにもかかわらず、さらにテキストが表示されないとなると、余計に意味がわからないようになる。
 1ステージ目から、物語の大事な筋に関わるテキストが表示されていないせいで意味不明な会話が発生し、一気に話がわからなくなるなど(ほんとに)話にならない。

 上記のようなバグから、ローカライズ作業は雑。つまり、テキストもおそらくいい加減な翻訳なんだろう、と。
 ところどころ直訳くさい翻訳があるし、例えをそのまま翻訳しているから、変な会話になっている箇所が散見される。英語苦手だけど、こんなにいい加減だとなんとなくわかるよ!
 それらしい翻訳をされていたのなんて大工の登場シーンくらい。その大工も、その後のアリスとの絡みが全編通して一番意味不明だったので相殺されて、もう何がなんだかなんだけども。

 ただでさえ、同じ事の繰り返しにうんざりしているのに加えて、演出や語り口がよくわからんせいで、プレイを牽引してくれない。
 余計にプレイが面倒になる。


 ゲーム的にメインとなるアクション部分は、古くさいもの、そこそこいい出来。
 アクションのテンポも良いし、細かいところが雑ながら、キャラを動かしていて気持ちが良い。
 ただ、これも、同じ敵が何度も出てくるので、細かいアラがどんどん目立ってくる。
 ロックオン中の回避挙動が変とか、武器を切り替えた後の入力受付が甘いとか、そういう細かいところがだんだんと苛つかせてくれる。

 移動でも、変なところに当たり判定があって急に詰まったり、蒸気に乗って滞空する場面で詰まったり・・・。


 こうやって列記していくと、まったくのダメゲームのようだが、そういうわけでもない。
 ビジュアルはかなり気合いが入っていて、魅力的だし、アリスを下敷きに容赦のない物語もそりゃ人好きずきだろうが、エッジは効いていると思う。
 アクション部分も詰めは甘いが低難度ならさほど気にする事もない、と思う。

 ただ、とにかく、全ての要素の詰めが甘いだけだ。


 このゲームは世に言う「雰囲気ゲーム」というやつに分類される、と思う。
 思う、なんて曖昧な言い回しをしてるのは、このゲーム、雰囲気ゲームと言い切るにも少し違う気がするから。

 雰囲気ゲームというのは「ゲームとしては微妙だけど他のゲームにはない独特の雰囲気がプレイヤーを引きつけてやまない」みたいなゲーム*3

 雰囲気ゲームって大抵雰囲気を重視するためには、ゲーム性を容赦なく殺すとこがある。
 ゲームとしては無茶苦茶なんだけど、こういう見せ方したいからやるよ!みたいな。延々直進するだけの移動なんて、プレイヤーにはだるいだけだけど、そのだるさを味わって欲しいからやってもらおう!とか、アクション部分はメインじゃないから、適当にやってもクリア出来るようにしよう!とか。
 つまり、雰囲気ゲームというのは概ね、制作側の注力ポイントが、最初っから「雰囲気」側に軸足を置いちゃってる。だから、ゲームとしてはダメゲーが多い。エンターテイメントコンテンツとしてダメって事ではなく、ゲームとしてダメっていう。

 でも、このゲームは別に「雰囲気以外どうでもいい」って感じがしない。
 詰めは甘いんだけど「別にそこどうでもいいから」ってつもりでやってるというより、力不足でそうなってる感じがする。
 そのせいで「雰囲気ゲーム」と言い切るには難しいゲームになっている。

 で、この感じどっかで感じたなー、と思ったら「ニーア」。
 「ニーアレプリカント」「ニーアゲシュタルト」もそうだった。あれも、ゼルダっぽい箱庭感とか、シューティングの弾避け要素とか、色々意欲的な要素盛り込んでんだけど、だからって、個々の要素が手抜きって事はない。ただ、力不足で全部が薄くなっただけ、っていう。注力ポイントを絞りきれなかったから、全体が微妙な感じになっちゃって、雰囲気ゲーって言い切れないなんか中途半端なものになっちゃった感じの。

 美点もあるし、頑張ってるだけに「ダメゲー」って言い切るにも微妙だし、かと言って「雰囲気ゲー」と言い切るには、制作者の注力ポイントが散っている。

 つまり、無理矢理言うと「微妙ゲー」というか・・・。
 こう書くと「ダメゲー」よりダメな感じするんだよな・・・。



 まぁ、そんな訳で、無理矢理オチに行きます。
 満を持して、11年ぶりに復活したものの、なんだか微妙な出来でした。

 ゲーム自体の話のオチも「えーそんな解決なん?」って内容だったしなぁ・・・。

 ゲームボリュームうんぬんのところでも書いたけど、グラフィック面にスタッフを集約し過ぎて、レベルデザインとか、物語パートの演出とかそういう部分がガラ空きになっちゃったりしたんだろうなー、とか色々勝手に想像しちゃったり。
 

 もうこれ以上ぐだぐだ書いても推測しか出てこないもんで、終わり。
 メインディレクターのアメリカン・マギーさんが「次回作はまた11年後(笑)」みたいなジョーク飛ばしてたけど、これはマジで、次作11年後なんじゃねえかな・・・。

*1: このゲームのメインスタッフはほぼ中国人

*2: 俺が画像を滅多に貼らないのは色々面倒くさいから

*3: 言い切ってるし、雰囲気ゲームについて他にも言い切ってるけど、俺がそう思ってる、という類の話