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ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「アランウェイク・アメリカン・ナイトメア」

 ゴールデンウィークである。

 大型連休らしいので、思う存分ゲームをやりまくる予定であったが、なかなかそうも行かない理由があり、やったりやらなかったりで、ちょっと不完全燃焼。
 なんだかんだで「FEZ」に手をつけ損ねてるしなー。

 その割にバイオ5やり始めたりしてるけど。


 連休初っぱな、まずは「アランウェイク・アメリカン・ナイトメア」をプレイ。
 シナリオをクリアし、原稿収集などを一通りこなし、アーケードモードについては、2ステージをほどを軽くプレイ。

 以下、感想になるが、アラン・ウェイク本編についてのネタバレをがっつり含んでいる為、プレイしてない人はやんわり注意すると良いと思う。注意ついでに、プレイしてくれると最高だと思う。360本体持ってなかったら、買え(ヤクザ)。



■まずは、前作というか、元作品に当たる「アランウェイク」の事を書く。
 「アラン・ウェイク」というと、2010年を代表する「もっと評価されて良いゲーム」の一本だろう。いや、俺が勝手に言ってるだけだけど。でもプレイした人の半分くらいは、同じような感想を持つのではないだろうか。

 XBOX360オンリータイトルなのがまずかった(としか思えない)というか、あるいは、タイミングも悪かったのか、どうも内容ほど売れていない事がもったいなさ過ぎるこのゲーム。滅法良作の一本だと思う。

 アメリカドラマの体裁をうまく取り入れた幕間の演出。
 霧や影、妖しい光と優しい光の美しい描写。特に迫り来る霧の描写は素晴らしい。
 雰囲気のある魅力的なキャラクター。というか、バリー。いょーぅ!作家先生!!
 細部まで作り込まれたお遊び要素。それが・・・ナイトスプリングス・・・。

 プレイした時は「ああ、海外のホラーアクション*1もこういう作品を作れるようになったのだなぁ」と感慨深かった。

 シナリオの概要は、スランプになったベストセラー小説家のアランさんが、休暇でリフレッシュするために訪れた田舎町で、謎の怪異に巻き込まれ、そこで自らが執筆した小説の虚構と現実の狭間で、どえらい目に遭う、という話である。
 ムービーパートも冴え渡り、非常に物語に入って行きやすい。

 このゲーム、特にシナリオの構造が面白く、プレイヤーがやっている事自体はアクションゲームなのだが、結果それが、闇の存在との、メタな精神バトルになっている。
 ニャル子さんのおかげで、にわかに活況を帯びているクトゥルーよろしくな、闇の存在に取り込まれそうになった小説家アランさんが、自らの小説の影響を受けたような虚実不明の世界と、現実の中で、あがいていくところから、徐々に光への道を進んでいく、という展開で、骨格は王道ながら、いい具合に複雑さと奇妙さがエスカレートしていく、実に楽しい内容になっている。

 同じようなテーマや構造を持つホラーゲーとしては「サイレントヒル」や「サイレン」などがあるが、後発だけに、どのような点においても、アランウェイクの方が洗練されており、おどろおどろしい、スプラッターな表現を除けば、アランウェイクは全くひけを取らない。個人的にスプラッターな表現はバイオレンスとセットになった方が楽しいので、ホラーには必要を感じてなくて、こっちの方が好みである。


■確かに、難点はちょいちょいある。
 アクション部分で多少雑な部分があり、ジャンプの制御がざっくりしていたり、段差の当たり判定が曖昧で、越えれる部分がわかりにくい。
 シナリオの展開上、派手に滅茶苦茶な敵が出てこないため、さほど敵バリエーションが豊かでなく、主に影を纏った村人と闘い続けるような感じで、言ってしまえば地味な敵が多い。
 何より、人によっては、大問題となるのは、本編シナリオがDLCでやっと完結する点。ゲーム単体で完結すると思ったらDLCに続くとか、反則だろ!!と怒り出す人がいても、まぁおかしくない気がする。最近は気の短いやつ多いし。

 しかし、DLCまで含んで一本のゲーム、と見なしてしまえば、レベルデザインが相当うまく、話の展開が巧く、飽きさせない作りになっている。
 こうしたゲームにおいて定番の収集要素として、ちりばめられた原稿用紙、テレビ番組、ラジオ、などが存在するが、どれも、手を抜いた作りではなく、原稿用紙は、これから先の展開をあえて予想させたり、あるいは、物語に対して、作家アラン先生がどう立ち向かって行くかの心理がうかがえたり、登場キャラクターの心情などが、作家アラン先生によるメタ視点から描かれていたりで、面白いし、テレビもラジオはちょっと一息つくのに丁度良かったりして、収集の苦痛より、見つける喜びの方が大きい。メタルギアのケロヨン探索やアサシンクリードの羽根探しとは大違いである。


■そんなもっとプレイしてもらいたい「アラン・ウェイク」ではあるが、続編がかなりあやふやなままで、どうにも出るのかどうなのかはっきりしない。
 アラン・ウェイクレベルのホラーゲームはもっとやりたいところなので、出るなら出るでさっさと発表して欲しい気もするが、まぁ売れ行きがバッチリ!という訳でもなかったし、色々微妙なんだろうそうなんでしょう*2
 その代わりなのか何なのか、物語的には続編、ゲームとしては、おそらく、スピンオフ的な位置づけの作品「アラン・ウェイク・アメリカン・ナイトメア」がXBOXLiveアーケードとしてリリースされた。


■ドラマとアクションの配分が半分半分くらいだったアラン・ウェイク本編に対して、アメリカン・ナイトメアは、かなりアクションに比重の置かれた作品である。
 設定的には、前作で、闇に捕らえられたアランさんが、闇との孤独な闘いを繰り広げて2年が経過しているらしい。
 虚実不明で、時間軸も不明、自分の考えた事が現実化しているのか、闇の存在が攻撃してきているのかさっぱりわからない異常な状況の中、影たちに襲われ続けても、正気を失わずに闘い続ける・・・そんな生活?を2年も過ごしたらしいアランさんは、最早作家というより、ターミネーターのようなタフさを身につけていた。そりゃそうだ。

 ターミネーターアランさんは、本編より色んな点でパワーアップしており、使える銃器もより攻撃的で火力の高いものになっている。体力も上がって長距離を走れる気がするし、動きも何となく機敏な気がする。あんまり覚えてないから、あんまり変わってないかも知れないけど。
 その分、敵も新たな能力を獲得し、基本的に走り回って農具で攻撃してくる敵がほとんどだったものが、より化け物度合いの強い連中が出て来ている。
 おかげで、アクションゲームとして楽しめる要素が強まり、テンポが随分アップしている。
 影、闇、霧を恐れる、という感覚は減り、むしろかかって来いや!!という感じになっているが、まぁホラー的な状況をくぐり抜けた後は、概ねそういうもんだろう。
 というか、タイトル画面の時点で、映画「死霊のはらわた」の続編「キャプテンスーパーマーケット」を彷彿とさせた時点で、ちょっとそんな気はしてた。

■敵との戦闘は基本は同じで、ライトを当てて闇をはがし、ダメージを与えられるようになったら、銃で撃つ、というシステムになっている。
 最初のうちはテンポよく影を剥がし、銃弾をバシバシ撃ち込めばあっという間に撃退が可能だが、徐々に、敵の数が増え、こちらを追い込む動きが激しくなし、そこにトリッキーな攻撃を仕掛ける敵が増えると、次第に辛くなってくる。
 発煙筒などの各種広範囲武器を使うタイミングをうまく使わないと、ノーダメージで切り抜けるのが難しくなる。この辺りの難易度上昇は、本編よりミニマムなせいか、順当で、ちょうど良い緊迫感を保ったプレイが出来るようになっていた。


■アクション重視のチューニングになってはいるが、奇妙な物語も健在ではある。
 前作では、アラン先生の書いた小説「ディパーチャー」が現実に影響していたが、今回は、アラン先生が脚本家時代に書いた劇中劇「ナイトスプリングス」の脚本が舞台となっており、その中が、ループ物の構造になっている。
 ナイトスプリングスの世界へと迷い込まされたアランさんは、闇の存在によって何度も同じ状況を戦わされる羽目になる。
 ループが進行する度に、世界自体を徐々に味方につけ前進していくアランさんは「何がどうなってるんだ!」と叫びまくってた前作とは打って変わって、迷い無しのハードボイルド男になっている。


■ゲームボリューム自体は、アーケードゲームのため、当然本編ほどのボリュームもなく、原稿探しなどの収集要素をすっ飛ばしてどんどん先に進めるとあっという間に終わる。
 マップバリエーションも3パターン、原稿枚数もさほど多くないため、収集などを含めてもさらっと終わるが、1200ゲイツ分という事を考えれば充分なボリュームがあると感じた。

■ストーリーモードが終わってもまだ物足りない場合は、アーケードモードで遊ぶ事も出来る。
 アーケードモードは簡単に言うと、バイオシリーズにおけるマーセナリーと同じだ。
 時間制限まで生き残りつつ、敵を倒してスコアを稼ぐモードであり、ダメージを受けずに短時間の間に敵を倒す事でコンボがカウントされ、獲得スコアが倍増していく。
 最初の方こそ大した数の敵も出てこないが、制限時間の終盤にもなると、四方八方から敵が押し寄せ、中ボスクラスの敵も登場してくる。正直、歯応えがありすぎて、最初の墓地ステージはクリアするのでいっぱいいっぱいだった。
 闇爆弾野郎を早めに押さえてしまうのがコツ、というところまでわかったが、大忙しで敵をさばきながら、爆弾野郎を見つけて倒すのは、俺の腕ではなかなか難しい。
 とりあえず、ノーマル難度で2ステージクリアしたが、プレッシャーのきつさに一旦コントローラーを置いたくらい。


 そういうような訳で、払ったゲイツ分は楽しませてもらえたアメリカン・ナイトメア。

 たまに思い返したように、アーケードモードをプレイしつつ、アラン・ウェイク2、あるいは、レメディの新作を待ち焦がれようと思う。


 さ、次はバイオ5だ。

*1: ジャンルとしては「サイコスリラー」を標榜しているが、多分単純にスプラッター要素が薄いからだと思われる。確かに精神(サイコ)をテーマにしたアクション物(スリラー)なので、サイコスリラーであってるっちゃあってるが

*2: 個人的には、闇の存在との対峙を決意したところで締められている前作は前作で、アランさん個人のドラマは完結している、と見ても良い気がするので、出ないなら出ないで良いような気もする。なので、別に完全な続編でなく、同じようなコンセプトによる作品でも良いのだけどれど