ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

ステルスゲームの先を考えてみる。

 気づいたらドラゴンズドグマの発売日が近い。
 日付感覚ないにもほどがある。
 先日の記事で「アンチャは全部終わったらまとめて感想書こう」的なことを言ったけど、アトランティスやる暇ないやないか。
 あんまり時間置くと感想書きにくくなるんだけどな・・・。大丈夫かしら。
 

メタルギア4の感想で、ステルスゲームの話をしたので、ちょっとその辺について書いてみる。

 「メタルギアシリーズ」の進化と共に本邦*1から広まった「ステルスゲーム」という概念。

 一部FPSなどでも隠れて行動する事で、プレイヤーが有利になるゲームはあったが、「隠れる」ということに主眼を置いたゲームは多分「メタルギア」が最初だと思う。
 その後、メタルギアと同じく「潜入工作員」や海外でも人気のある「忍者」というモチーフでステルスゲームは加速し続け、一定数のマニアックな支持層のおかげで進化し続けてきた。

■色んなタイトルがあるもののステルスゲームの基本構造は大体同じ。

 小が隠れて大を倒す。というもの。

 真っ向勝負はアブねえので、隠れてこそこそ倒すよ、というわけだ。
 厳戒態勢の基地や、ターゲットのいる場所に堂々と乗り込んで全滅させるランボースタイルより、少ない犠牲で冷静に目標のみを完遂するほうがかっこいいじゃねえか!
 ステルスゲームには、そんな考えが根底にある。

■通常のゲームは積極的にストレス発散させる。そりゃゲームは遊びなのだから、ストレスを溜めさせるより、発散させる方が良い。だから、大体のゲームでは、ストレスレスな内容が好まれる。
 敵を片っ端から倒して倒してガッツポーズ!ってのが普通。
 アクションに限らない。RPGだって短期的にはまぁ普通にやってれば倒せる「雑魚」を相手にして散発的にストレスを発散する。

 一方、ステルスゲームはストレスと切り離せない構造になっている。
 そりゃ敵地内で、いつバレるのか、と思いつつ、隠れて様子を伺い続けるのは、ストレスに決まっている。
 ストレスを溜めながらステージの構造、敵兵の巡回ルートを観察し、タイミングを見つける。
 そして、溜まったストレスを爆発させるように敵に襲いかかり、鮮やかに敵を倒して解放される。敵はこちらの存在を感知していない。お前らの仲間は無力化されたぜ、ヒャッハー!!
 このストレスを一旦溜めさせるところがステルスゲームの妙味で、溜めたからこそ、爆発した時の快感がたまらないものになる。
 一体一体の敵兵を鎮圧した時、そして、首尾よく目的地まで見つかることなく到達した時の開放感は、正面突破で蹴散らした時とは別種の快感がある。

■また「メタルギアソリッド」から積極的に謡われ始めた「敵兵だからって殺していいのか」という問題も解決しやすい。
 ヒーロー的位置づけのキャラクターが視点を変えると大量殺人鬼紛いに敵を殺しまくっているケースはザラだ。
 相手が本気で言葉の通じない、交渉の余地もない化け物ならともかく*2、相手が人間であったら。
 大抵のステルスゲームでは、気絶させて無力化させるだけの、不殺プレイが可能になっている。
 「強制された訳でないなら、たとえゲームであっても、矢鱈に血を流したいわけじゃない」
 そんな人間にも、選択肢が設けられているゲーム、だと言えないこともない。

 こうした性質のせいか、ヒーローを題材とする海外ゲームではステルスゲームの要素が取り入れられる事が多い。
 ジェームズ・ボンドの活躍する「007 エブリシング オア ナッシング」、バットマンアーカムシリーズ」、スパイダーマンアメイジングスパイダーマン」。
 陽性のノリでヒャッハーするような内容のものが「アイアンマン」くらいしかないってのもあるだろうけど、相性が良いということもあるのだろう。


■一時は「忍者」との相性抜群ということで、多くのステルスゲームタイトルが日本製であったが、ゲーム業界全体の流れと同じく、いつの間にか海外製がメインになっている。
 まぁ元々「シーフシリーズ」とかあったけど。
 メタルギアのよりリアル志向版という趣があった「スプリンターセルシリーズ」や、どこでも移動し、踏破できるフリーランニングと絡めて群集に紛れるという方向で特化した「アサシンクリードシリーズ」、攻略選択肢としてステルスを取り入れFPSとサードパーソンの融合を果たした「デウスエクス」、前述の「バットマン」のようにキャラを立てるためにステルス要素を取り入れたものや「アンチャーテッドシリーズ」のように、ゲームデザインに起伏をつけるためにステルス要素が入ったものなど、同じステルスでもさまざまな作品が出てきた。

 スプリンターセルシリーズでは、主人公サムの身体能力の進化によって、カバーポジション(遮蔽物に身を隠した状態)から次のカバーポジションへスムーズに移動、閉所で天井近くに身を潜めたりする事が出来るようになった。
 そこから、ステルス攻撃を行うことで、多数の敵を速やかに同時排除したり出来るようになる、観察とパズル的思考が問われる方向へ進化している。

 アサシンクリードでは、箱庭を制作し、その環境を活かして隠れやり過ごし方向で進化した。群衆に紛れる動作を行うことで敵の目を欺いたり、身体能力を活かして、町並みをまさしく縦横無尽に移動し、追っ手を撒いたり出来る。

 バットマンでは、キャラクターを活かした数々のガジェットで敵を翻弄可能。ワイヤーで高所から高所を飛び回るさまはまさに闇に生きる蝙蝠男。敵に感情のパラメータを導入することで、恐怖におびえた敵を演出し、キャラクターのらしさを誇張することに成功しつつ、ステルスによる爽快感を増幅している。
 もちろん、ステゴロメインの近接格闘戦も面白いのだが、銃を持った多数の敵には静かな鎮圧が有効、という理にかなった形でステルスが自然に組み込まれているのが素晴らしい。

 デウスエクスは本来ステルスメインのゲームではないが「ステルスをやってみよう!」という意図に満ちたゲームデザインになっている。正面からドンパチをしたい人には逆に困った内容だが、複雑な形状のマップを把握し、敵の裏を書く移動ルートを探索したりするステルスの醍醐味が味わえる。
 ステルス攻撃をするためにはバッテリーチャージが必要なため、バッテリーがない時は強行突破も狙えるステキ仕様。もちろん、バッテリーが溜まるまで待つのが男のスタイルである。
 一人称視点と三人称視点の使い分けも見事。一人称では臨場感を。カバー時の三人称視点では自分の配置がわかるため、ステルス時に「これ敵から見えてんじゃねえのどうなの」と戸惑うことがない。

 アンチャーテッドは、ステルスをメインにしたゲームではないが、巧妙なレベルデザインと主人公の身体能力で、結構色んな場所に隠れることが出来る。
 何より、ステルス状態でアタックした時のモーションが異常に気持ち良い。アニメーションブレンドによる、滑らかなモーションから繰り出される静かな攻撃は生理的快感を伴う。ああ、こら気付かんわ、と思わされる鮮やかな制圧が可能で、正直、ステルスアタックの気持ちよさでは今挙げたタイトルの中で一番かも。

 他にも「スカイリム」「フォールアウト3」などのベセスダ作品など、ステルスによるプレイも可能なゲームが多く、もはや大暴れコンボアクション以外の大抵のゲームで、ステルスプレイが可能になってきている気がしてくる。


■具体的にいくつかのタイトルを選んで、ステルスにおける良いところを挙げてみたが、まだまだステルスゲームまだまだ工夫の余地は多い。

 大抵のステルスゲームでは敵がアホである。
 グラフィックが進化していくことでかなり敵兵の挙動は豊富になったものの、実際の人間と同じような視認範囲、聴力を持った敵が登場することは極めて稀だ。
 これは、単純に「そんなもんを登場させたらプレイヤーが攻略できない」からに他ならない。

 わかる。わかるんだが、現実的に考えると、色々変なのも確かだ。

 より厳密な話、壁の向こうにいる相手が三人称視点で確認出来る時点で変である。

 曲がり角に隠れた自分がちょっとはみ出ているのに気付かないのもおかしい。
 こちらが視認できる距離で、敵は気付かないのも目が悪過ぎる。
 足音がザクザク聞こえるのに無反応な事もしょっちゅう。
 今お前の味方すげえ派手な音立てて昏倒させられましたけど!って時にも気付かなかったりする。

 ゲーム的なルール故に、現実的には変に見えることもある。
 「スプリンターセル:カオスセオリー」では完全な闇の中にいる時、敵は目の前にいるこちらを認識できない、という仕様になっていた。しかし、主人公の暗視スコープはバリバリに光っている。そりゃそれさえ見えなかったら、プレイヤーすらどこに自分がいるのかわからなくなりそうだし、闇に光る三点スコープはかっこいい。かっこいいけど、敵がいかにもアホに見える。

 倒れた同胞を見つけた時の敵の反応もおかしい。
 同胞が変なところで突然寝てたら事情を聞くのが普通だろう。
 死体が見つかって警戒態勢に入った後、いくら何もなかったからと言って、警戒解除するのは保安上どうなんだ。

 ゲームだから、ごっこだから、ツッコむのは野暮なことくらい解っている。
 それが気になってしょうがなかったらステルスゲームなどやるまい。

 けど、グラフィックがいい加減ここまで進化して、もし、制作側が、まるでそれがそこにあるように見える、という臨場感、実在感を目指しているのであれば、そうしたことをもっと気にして欲しいという気がする。
 
 そう思ってしまう理由として、ある問題が別のゲームでは解決されているケースがあるから。
 これらの問題は、設定や見せ方次第という部分がほとんど。一個一個は、解決不能というわけじゃない。
 なら、解決して欲しいと思うのは自然な考えと思う。


■つーわけで、違和感それぞれに対する解決方法の話をしよう。

 まず、三人称視点だからと言って、曲がり角向こうの相手が見える問題。
 これは、メタルギアソリトンレーダーや、バットマンで利用されている技術の応用で解決できる。
 蝙蝠のエコロケーションによる壁向こうまで含めた認識は、バットマンで既に搭載されている。
 バットマンアーカムシティではこのエコロケーションを阻害するジャマー敵を用意することで、擬似透視だけでは通用しない状況を提示し、より歯応えのあるステルスゲームを提供したわけだが。それはさておき、この方法なら見えない場所にいる敵が見えても何の違和感もない。
 後は、単純にアレンジ次第だと思う。
 あくまでレーダーでのみ表示するとか、ミラーを持たせてやって敵にバレずにミラーで敵を把握するとか、007のようにスパイカメラで角やドア向こうを観察出来るとか、やりようはいくらでもある。
 そもそもプレイヤーキャラの有視界が、普通の視界である必要はない。
 エコロケーションで把握した地形や状況をビジュアル化して見ることが出来る、という設定にすれば、この違和感程度は、いちころで解決できる。

 次に、敵の視認能力、聴力の鈍さ加減。
 視認については、単純に、きちんと隠れる動作と、隠れることが出来る場所を作れば良いだけだと思う。敵兵の配置巡回ルートも、ちゃんと取るべき動作を取れば気付かれないタイミングを複数作れば良い訳だ。
 要するに、半分はレベルデザインの問題。残り半分は、カバーした際に、ちゃんとはみ出ていない事。
 聴力についてもそう。
 プレイヤーは、自分が聴いている音で「いやこれはバレるだろ」と判断するのだから、プレイヤーが静かに歩いている時は、足音をちゃんとすごい小さい「ヒタヒタ」音してやれば良いのだ。
 敵が倒れたりするときにも派手なうめき声や断末魔を上げたりしなければ、他の敵が気付かない事にも違和感が生じない。

 設定で解決してやっても良い。
 敵が視認・聴力に乏しいゾンビ的な存在なら、特に不思議はない。
 逆にすごい暗所でも敵が見えるほど、プレイヤーは目が良い、という事なら、こちらが見えても相手は見えない、という事の違和感を減らす事が出来る。

 警戒態勢に入った時の動作も、技術的には解決可能だと思う。
 プレイヤーの存在を感知していない敵に対して、隠れられる場所、そして、警戒状態になった敵に対して隠れられる場所を二重に用意しておけば良い。警戒状態になった敵に対して隠れられる場所は、敵を狙うタイミングがよりシビアになる形であれば、ベストだろう。こうすれば、警戒状態に以降した敵が時間経過で警戒を解く違和感を拭い去れる。
 まぁ、これは口で言うほど簡単なことではない。まず半端ないレベルデザイン上の苦労が想像される。
 警戒状態になった敵がどういう思考ルーチンで動くのかの設定にもよるだろうし、ランダム性も多少はないと、攻略パターンに幅がなくなる。
 現状、発売されているゲームの時点でも、AIの行動パターンがかなり複雑になっている。通常状態、準警戒状態、警戒状態、戦闘状態、くらいの段階があるし、敵の種類によって、それぞれの状態で取る行動内容が違ったりする。しかし、まだまだ「らしく」出来る余地がある、とは思っている。
 一プレイヤーとしては、まだまだ期待したい。

■こと海外のステルスゲームについては、ボス戦の希薄さが個人的に弱点。
 そもそも、ステルスゲームにおいて、ボス戦の扱いは難しいものがある。
 何せ、ほとんどのケースにおいて、それまで隠れてうまくやり過ごす事が目的だったのに、突然、派手な敵を相手に派手に立ち回ることになる。
 いやいやいや!!隠れてねえし!!バリバリ真正面からやり合ってるし!!!と言いたくなるタイプもいるだろう。

 しかし、用意された状況次第ではあるので、うまくすり抜けてでも、ボス戦は欲しい。
 なぜなら、やっぱり気持ち良いからである。
 要所要所のボス戦で派手にドカンとやると、それまでのステルスプレイも合間ってめちゃくちゃに気持ち良いからである。

 「スプリンターセル」や「デウスエクス」ではこの問題がもろである。
 前者はリアル路線の設定から、通常の敵以上の性能をもったボスを登場させることが難しいという理由で。
 後者はボスを登場させているものの、敵の攻撃パターンも攻略方法も一辺倒でいまいち面白くない。

 この辺り、和製ステルスゲームはうまく解決している。
 最初から近未来設定にしており、ボス上等な世界観のメタルギア、とんでも忍者ゲームである事でファンタジーな敵が登場しちゃっても大丈夫な天誅シリーズ。
 どちらも歯応えがそれなりにあるボスが登場し、乗り越えるべきシンプルな障害として機能しつつ、わかりやすいカタルシスを提供してくれる。

 先にあげた二つの海外タイトルのうち、スプリンターセルについては、設定上、とんでもないキャラを登場させられない辛さがある。と、なれば、キャラクターとして越えるべき障害ということをプレイヤーに何度も印象付け、プレイアブルな映画演出などをうまく導入して盛り上げ、最終的に倒した時の快感を増幅させる手段しかないように思う。
 一方、「デウスエクス」の方は、まぁ問題が問題だけに、レベルデザインに注力するのでいっぱいいっぱいだったのだろうなぁ、と想像される。
 次回作があるのであれば、せっかくサイボーグや派手な無人兵器が存在する世界な事を活かして、面白いボス戦を提供して欲しい。

 バットマンとかやばいじゃない!すごいじゃない!

■うだうだ書いたが、まぁステルスゲームはまだまだ伸び白があるし、より進化したグラフィックに沿ったやりようがあるのでは、ということだ。
 もちろん、全く別方向のリアルテイストではないビジュアルを用意することで「ごっこ遊び」方向に集中させるのもアリだと思う。

 
 なんにせよ、さらに面白いステルスゲームが遊びたい。
 隠れて観察して、鮮やかに敵を倒し、難敵を撃破したい、と思います。
 ああ、ヒットマン早くやりてえ(結論)。

*1: この言い回しなんかかっこいいから使ってみたかったの思い出した

*2: 本当に言葉が通じないのか、という話でもある