ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「セインツロウ:ザ・サード」

 現在は「トーキョージャングル」をプレイしている。

 正直、「DLCゲーム規模のボリュームだろう」とか「プンプン漂うネタゲー臭すごいな」と、少し侮ってたけど、しっかりゲームゲームしている内容で。

 「アゲメス」「タダメス」「サゲメス」という身も蓋もない単語、ポメラニアンに「渋谷駅前を占領せよ!」という指令を下すミッションの気の狂いっぷりも素晴らしいんだけど、それより、短時間で数回訪れる死の近さが良い。

 ていうか、ブタ!お前弱すぎる!足は遅いわ、攻撃リーチは短いわ、防御は薄いわ、なんなんだ!!
 なんとかブタチャレンジをクリアして、とっとと次の草食動物に移りたいところだぜ・・・。



■さて、遅まきながら「セインツロウ:ザ・ザード」の感想を。

 プレイ状況はDLCの追加ミッションを含め、全ミッションを一周クリア。
 セーブの分岐をまさか忘れてしまったのでACT1分岐を放置。
 全マップを真っ向100%占拠。人質、強盗などは未コンプ。実績コンプは流石に辛いゲームかなー。

 去年購入してCOOPで少しプレイしたりしたものの、スカイリムったり色々してる間に、諸処の事情で放置する羽目に。
 ただ、事情が風化したこともあって、いい加減終わらせておこうとプレイ。
 ほんとだらだらプレイするのにぴったりだな、このゲーム。


■セインツロウの場合、ゲーム内容を解説するのが些か馬鹿馬鹿しいが一応。

 セインツロウシリーズは、ギャングチーム「セインツ」の趨勢を描く、オープンワールドタイプのアクションゲーム。
 オープンワールドタイプのアクションゲームと言えば、いつまで経ってもやっぱり「GTAシリーズ」。GTAはギャングだったりチンピラだったりを操って、車を強奪したり、銃でドンパチしたり、カーセックスしたり、デートしてセックスしたり出来るが、主にチンピラ仲間の与太話を楽しむゲーム。ひっでえ説明だな。
 このGTAシリーズとほぼ同じシステムを持ちながら、独自の方向に進化したのが、セインツロウシリーズと言える。

 どの辺りが独自かと言うと、GTAシリーズは4で臨場感や現実感、社会性を強調する方向へと進化したが、セインツロウはむしろそこから離れていく進化の仕方をしている。
 また、ダーツやビリヤード、他キャラとの交流など、地に足の着いた要素が多いGTAに対して、セインツロウシリーズは、戦車で街を吹き飛ばすタンクメイヘム、車にわざとはねられる当たり屋プレイをする保険金詐欺など、無法で無茶苦茶な方向へとドンドン舵を切って行く。
 そうしたバカミニゲーム量の種類がかなり多く、全体的にパーティー感覚の強いゲームに仕上がっている。
 多量のバカらしさこそが、セインツロウシリーズの魅力と言える。


■ストーリーもバカまるだしの展開で、とにかく無茶苦茶で説明するのが阿呆らしいほどの仕上がりになっている。

 2でばっちり街全体を支配したセインツたちだったが、そのせいで別の街の敵対ギャングに睨まれ脅されることとなる。
 そこで黙っているようなセインツボスではない。
 むしろ、相手の街に乗り込み、いきなりからフルスロットルに無茶苦茶な暴挙連発でギャング共と闘いを始めることになる。
 序盤で盟友ジョニー・ギャットを失った復讐を兼ねて、三つのギャング組織と民兵組織を相手にとにかく大暴れ。

 闘いの過程は常に無茶苦茶だ。
 基本的に作戦らしい作戦はほとんどなく、突っ込んで引っかき回して派手にヤリ、相手のいい物は片っ端から奪って戦力を増強していく。
 やるミッションやるミッション、無謀の連続で、セインツボスは「華麗に」という事はほとんどなく、ひたすら「無茶苦茶なまま」ぶち貫き通す。

 例えば、軍隊の基地を襲撃するミッションでは、敵の飛行機の航行ルートを掴んで強襲する事になる。
 その方法は、別の飛行機からパラシュートなしで降下し、飛び移るというもの。ただのマフィアボスのはずが、何でもアリ過ぎる。
 勿論、何事もなく飛行機に着地し、滑りながら開閉ハッチに飛びついて中へ侵入成功。
 速攻で敵にバレるが、それも問題ではない。敵をハチの巣にしながら敵の新兵器を奪取しつつ、コクピットへ。
 コクピットへのドアを吹き飛ばした際にコクピットごと破壊してしまったため、即座に脱出するため戦車へ。
 「特攻野郎Aチーム」ばりに戦車で敵落下傘部隊やジェット戦闘機とバトルしながら着地・・・。
 そもそも何をしに行ったんだっけ??

 そんなミッションばかりだ。
 ちなみに、この一件で飛行機が墜落し、その場所が化学工場だったせいなのか、毒ガスがバラ撒かれ、ガスによってゾンビが大量発生する。
 もうなんでもありだな・・・。


■普通のゲームなら「巫山戯過ぎ」の連発だ。
 しかし、もうセインツロウは「巫山戯過ぎる」事を前提にした巫山戯の為のオープンワールドアクションになっている。
 ここでは、お話として辻褄が合っているか、だとか、リアルかどうか、という事は一切関係ない。
 「巫山戯切っているかどうか」のみが重要な世界なのだ。
 だから、巫山戯た方法で無茶苦茶に戦うセインツたちは勝つ。
 もう、そういう物語なのだ。


■リアリティなぞクソ食らえに巫山戯て無茶苦茶なこのゲームだが、だからと言って、粗雑なゲームという訳では無い。

 2の時点からキャラカスタマイズや、アクションの豊富さがウリになっているところがあったのだが、その点でも相当パワーアップしており、キャラの造形、体型がより自由になり、服装のカスタマイズ幅も相当大きくなった。
 カスタマイズ幅では車の改造についても同じで、各パーツ単位でのバリエーションが増え、お気に入りの車を作る事が出来る可能性は大きく広がっている。

 ちなみに、豊富なカスタマイズ力を活かして、自分は2の時から、プレイヤーキャラであるセインツボスを友人そっくりにしてプレイしている。
 このサードでは、2のデータから自動でキャラ情報を読み取り、一から作成し直す事なく、オープニングから、少しグラフィックがキレイになった友人を使ってプレイする事が出来た。
 「マジかよ、そこで単身乗り込むのか。○○すげえな」「通行人を突如ボコボコにし出すとか○○ほんと鬼畜だな」と、言いながら遊べるで、このプレイは、非常にオススメだ。

 アクションの幅も、前作2のように複数のスタイルを切り替える事は出来なくなったが、そもそも通常で取れるアクションパターンが増えている。
 特にダッシュからの近接プロレス攻撃のバリエーションと、各種武器を使った急所攻撃のモーションは滑らかでアホらしくも爽快感抜群。気持ちよく街中を走っていると、突然に通行人を襲いたくなってしまう。


■ミニゲームの豊富さとバカさはたまらないものがある。
 2でもあった保険金詐欺は大好き過ぎる。わざとコケて車にぶち当たる訳だが、それで空中に飛んだ時間・距離に応じて獲得金額が変わるって、もうなんだ、詐欺とか当たり屋とか関係ねえな。
 今作初登場のミニゲームでは、ゲンキ博士シリーズが気合いたっぷりで楽しいが、バカという意味では、タイガーエスコートが頭一つ抜けてる。
 内容は、車の助手席に虎を乗せて走るミニゲーム。虎はスピード狂で高速で事故らず走れば走るほど満足し、度胸ゲージが溜まっていく。
 んだけど、何故か時々、突然邪魔する。邪魔というか、爪でひっかく。意味がわからん。
 いつも無茶苦茶なボスも、流石に「お前頭おかしいんじゃねえか?!」と言ってたが、俺もそう思う。虎を車に乗せて走ってご機嫌とるゲームとか、どうやったら思いつくんだろう。


■グラフィックの面でも2からしっかり進化している。
 とは言え、近年のオープンワールド系ゲームを考えると、劇的な進化!というほどではない。

 それは、このゲームでは、グラフィックを美麗にする事よりも、快適により派手に色々出来る、という点に重点を置いたからだと思われる。
 ダッシュから突然バイクを奪い、街を高速で走り抜ける。手榴弾を多量にバラまいて車を爆発させまくる。多量の警官、ギャングが殺到してくる。戦車を奪い、主砲で全てを吹き飛ばしていく。VTOL(垂直離陸ジェット)機を呼び出し、それに乗って高速で戦闘圏外の街の反対側まで一瞬で逃げる。
 そういう事をシームレスに処理がガタガタになる事もなく、プレイ可能になっている。
 2より光源処理などをしっかりするようになり、オブジェクトもより作り込まれているにも関わらずこのレスポンスの良さは素晴らしいと思う。特にその素晴らしさを使う方向が、無茶苦茶の為、というのが素晴らしい。


■ちょっとした問題点もあるにはある。
 バカらしさ一辺倒で、シリアスで奥の深い物語はここには全くない。微塵もない。
 とにかく無茶苦茶で痛快なセインツの面々だが、倫理的に見れば、無法で最低のクソ野郎が英雄扱いされる、ほんととんでもない話ではある。
 楽しい通常アクション、武器やガジェットが増えた一方、スタイルの切り替えがなくなってしまった為、結果的に総アクションパターンは減ったような印象もあり、近接格闘においては少し寂しい気もする。
 パワーアップをし続けると、最終的に主人公はほぼ無敵となり、敵対ギャングもほとんどいなくなってしまう。この為、一度そうなると、プレイに緊張感はなくなってしまう。
 また、実績に関係ある途中の選択過程を気軽にやり直すことが出来ないのも、少し勿体ないところ。ミッションをいつでもリプレイ出来る機能は欲しかった。

 あとは、翻訳の問題。
 意味の通らない会話から推測される誤訳や翻訳ミスだけはなく、字幕からも単純な誤字脱字が散見される。
 セリフがあっても字幕が出ない箇所も結構あり、バグかな?とすら考えてしまう。今ミッションの最後のキメセリフで重要なとこだったと思うんだけど・・・。
 まぁ、いいかセインツロウだし。


■そう、「まぁいいかセインツロウだし」という思わせるバカがここにある。
 あまりにバカで無茶苦茶な為、多少の痘痕はどうでもよくなってしまう。まさに、こまけぇこたいいんだよ、状態。
 セインツロウ:ザ・サードは、バカを許容出来ない人には全くお奨め出来ない聳え立つクソでしかない。
 しかし、ここまでバカを徹底して多大な労力を注ぎ、バカを熱狂して、あるいは、ダラダラと、際限ないと思えるほど大量に堪能出来るゲームは、他にはないと思う。


■このゲームの発売元THQは強烈な業績不振で、このセインツロウシリーズなど、ヒット作を出しつつも、本体以外の海外法人を閉鎖した

 この事で、今後のセインツロウシリーズがどうなるのか、多少の不安は覚えないでもない。
 無茶苦茶で無法過ぎるこのゲームの新作が発売されたとして、日本でパブリッシャーが付くのか?という疑問は拭えないからだ。

 しかし、技術革新とトレードオフのように、昨今貴重になりつつある、本物のバカを堂々とチョイスしているバカゲーとして、セインツシリーズに今後があれば、是非、ローカライズされた物をプレイしたいものである。
 出来ればボイスもフルローカライズでさ!