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ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「ブレイブリーデフォルト」※ネタバレもあるよ※

感想 ブレイブリーデフォルト

 「ガールズモード」か「とびだせ!どうぶつの森」かどちらを買おうか迷っている。俺です。

 どっちも俺のど真ん中からは外れている。ガールズモードはファッション+経営→ファッション興味なし。ぶつ森は時間同期型エンドレスゲーム→エンディングがないと切り上げタイミングを失うどころか、すぐ放置しちゃう。
 なら、なんで欲しいんだろう。解らん。解らんので、ますますモヤモヤと欲しくなる。いっそ買ってしまえば。いやしかし。


 それはそうと「ブレイブリーデフォルト」をクリアしたので感想を書く。

 プレイ中盤時点での感想はこちら
 今回のものが、全体を通しての感想になる。
 前回書いたものと合わせて読むと幸せになれるかも。

 クリア状況は、二種のエンディング達成。
 一つ目のエンディングを見た段階でプレイ時間がおおよそ48時間。
 その後、サブクエストを完全に潰し、全ジョブをマスター。
 もう一つのエンディングを見たところで、プレイ時間が80時間。
 残りプレイ要素は図鑑埋めくらいかしら。やっても何もないっぽいし、やらないけど。


■古典RPGの世界。
 基本システムはファイナルファンタジー3。
 骨格はまるっきり、古典である。

 戦闘は、最近では珍しくなってしまったターン制コマンド式。
 エンカウントも、敵と接触したら戦闘開始するシンボルエンカウントではなく、歩いていると確率で敵と遭遇するランダムエンカウント方式。
 職業を変え、熟練することで能力を取得、職業=ジョブと、能力=アビリティーの組み合わせで、自由にパーティーを編成するところは、3と変わらず。
 世界観も王道古典ファンタジー的な世界観。SF要素はほぼ無し。動力は自然エネルギーや魔法エネルギー。敵は闇の存在とモンスター。

 ブレイブ&デフォルトシステムを除けば「ブレイブリー&デフォルト」を構成する要素はまさにファミコン状態。

 それだけに、ファミコン時代からRPGをプレイしてきた人間には、理解しやすく、違和感もさほどなくプレイできる内容になっている。

■古典に現代的な味付け。
 勿論、古典的な骨格に、現代的な味付けを施されている。

 まず、3DSの立体視をうまく利用した、画面作り。
 街中は一枚絵を立体的に配置しており、立体視してみると、飛び出す絵本のような雰囲気になっている。
 ダンジョン内、戦闘画面は、三頭身のキャラクターデザインも合間って、人形劇のようだ。背景の前で、寸劇を行っているような演出で流れるイベントシーンはますます人形劇。
 そのチマチマした芝居がかわいらしい。

 一方で、いかにも当世風にアレンジされているのが物語。
 世界観・設定自体は、古典的とも言える王道っぷりなのだが、お話の展開はなかなか「今だから」という内容に仕上がっている。

■テンポの良い戦闘。
 戦闘は全体的に非常にテンポが良い。
 決定ボタンを押しっぱなしの早送り(基本早送りで問題ない)でザクザクと敵を倒していける。

 本ゲーム独自のシステム「ブレイブ&デフォルトシステム」もテンポの良さの理由。
 簡単に言うと、ターンの前借り、貯金が出来るシステム。
 ブレイブすると、ブレイブポイントを使用。ターンを最大3ターンまで前借り出来る。逆に、デフォルトすると防御姿勢をとると共にブレイブポイントが+1され、最大3ターンまで蓄積が出来る。

 中盤以降になると、デフォルトして貯めたブレイブポイントを使用するアビリティが登場するが、基本は、雑魚戦において、速攻戦略をとるためにブレイブポイントがある。
 つまり、戦闘開始直後に、全メンバーでブレイブポイントを3前借り。そのターンを含めて合計4ターン分の攻撃をいきなりぶっ放し、敵の全滅を狙うわけだ。
 これを、意図的に狙え、と言わんばかりに、本ゲームでは「1ターンキル」「ノーダメージ」などによって、経験値や、ジョブを成長させるジョブポイントにボーナスが入る仕組みになっている。
 おかげで、雑魚戦においては、ほとんどが1ターンで終了。

 1ターンキルが難しいボス戦では、ブレイブポイントの管理が必要になってくる。
 敵もブレイブ&デフォルトを行ってくるため、ブレイブしての連続攻撃の時には防御したり、デフォルトの時は防御によってダメージが減殺されるので、デフォルトしていない時を狙ったり、デフォルトで溜めてから一気に攻撃したり、ブレイブでガンガン攻めたり・・・。
 シンプルなシステムなので、わかりやすくとっつき易い。

 反面、奥深さに欠けるのも事実ではある。
 ブレイブ&デフォルトシステムが問題というよりも、むしろ、アビリティー種類や、敵の能力の問題だが。
 ブレイブポイントをもっと任意にコントロールする事で、もう少し、戦略的な戦い方が可能だったり、逆に、ブレイブポイントを大胆に上下させてダイナミックに攻撃してくる敵がいても良かったなぁと感じる。


 戦闘のバランスは、そこそこ難しい・・・という感じだろうか。
 雑魚が強めでボスが少し弱い。ジョブをうまく選び、そこそこレベル上げをしていると、いきなり簡単に感じる。
 後半は雑魚が尋常ではない攻撃力になり、先制を取られると全滅も有り得るようになる。
 とは言え、ジョブとアビリティーを考えて、しっかり対策しながら進めば、一気に有利な戦闘が可能となっている為、この辺り、育成方針などで意見が大きく分かれる気もする。

 個人的には、もう少しボスは強くて良かったかなぁ、と感じるところ。
 中盤以降、雑魚に苦戦してもボスで苦戦、というパターンは数えるほどしかなかった。
 一発の攻撃力が高くても、連続攻撃をしてくるやつがあまりいなかったり。
 個人的に最強の敵は、手数という意味で、三姉妹だった。
 ジョブやセットしているアビリティーに対応して攻撃パターンを変えるボスや、カウンターリフレクをする面倒くさいやつなど、多彩な動作も欲しかった。

 あと、ヒット数分、武器を振る動作はファイナルファンタジー3を思い出させてくれて、良い。

■ちまちまと楽しいジョブシステム。
 ジョブの種類は相当に多く、また、一つのジョブをマスターするのにも、そこそこ時間がかかる。
 レベル上げをほとんどせずにクリアを目指すと、一つのジョブに専念するようなプレイをしていても、2つ、3つくらいのジョブをマスターするのが限界なのではないかと思われる。

 このジョブをちまちま育てるのが非常に楽しい。
 まず、ジョブとアビリティーの組み合わせを考えるのが楽しく、その組み合わせを広げる為に、ジョブを育てるのがまた楽しいという。成長させるのが楽しいという事は、RPGとして大きい美点だろう。

 ちなみに、個人的に好きなアビリティーの組み合わせは、暴走からのサガク連発。
 あと、点穴、精霊は強すぎると思う。
 商人?そんなジョブもあったね・・・。


■思ったよりサクサクと進むイベント、物語。
 物語は、世界中に異変が起こるところから始まる。
 世界の自然エネルギーを司る、神聖なるクリスタルが、ある日突如闇に包まれる。
 時を同じくして、大地に開いた大穴。大穴は、一つの村を跡形もなく飲み込んだ。
 大穴に飲まれた村、唯一の生き残りであるティズと、クリスタルの巫女アニエスが出会うことで、物語は動き出す。

 未来が書かれていると思われる謎の手帳を持つ記憶喪失の男リングアベル。クリスタルの巫女を追跡するエタルニア公国の兵士イデア。この2人を巻き込み、合計四人がメインメンバーとして冒険を繰り広げていく。

 オープニング早々に、メンバー一人ずつの導入ムービーが順次繰り出され「ああ、いつものスクウェアエニックス作品だな」と思うのも束の間。
 いざ、本編が幕を開けると、ダイジェストかと思うほどの速さで物語は展開していく。
 何の障害もなく、村唯一の生き残り、というだけで、王に謁見するティズ。サクサクと大穴を見に行くことになるティズ。
 大穴でアニエスと出会い、ついて来るな、と言うアニエスの意向を無視。問答無用でアニエスについていくティズ。
 早速襲いかかってくるエタルニア公国空挺騎士団のベアリング&ホーリー。雑魚兵士をサクサクと討伐しながら逃げるティズとアニエス。
 ベアリングとホーリーの自己紹介があったと思うや、すぐさまボス戦。ここで一度倒して退かせるのかな?と思ったら、倒し切った。モンクと白魔導士のジョブ解禁〜。・・・え、この人たちもう終わりなの?

 この後も、一期一会のように、新たな敵が登場しては主人公たちと一戦を交え、新たなジョブを提供してくれる。
 最低限のキャラ立てをしたら、後は主人公たちの肥やしという趣で、こういうところもファミコン時代を感じさせる。
 と、言っても、敵が、ジョブ開放前の障害要員というだけに終わっておらず、短いイベントシーンの中でも、きっちりと個性のあるキャラとして描かれている辺りは今風。

■役割分担がはっきりしている主人公たち。
 メインメンバー4人は、いずれも、旅の目的が明確に設定されている。
 また、四人の関係性においての役割もしっかり分担されており、ブレる事がない。
 結果、他のRPGと比べてメインシナリオのテキスト量はそんなに多くないと思うのだが、キャラの印象が相当強い。

 道中何気に発生するパーティーチャットもキャラの印象を強めている。
 イベントシーンでは見られないキャラクターたちの会話が、シリアスなシーン以外の普段の主人公たちをイメージしやすくしてくれる。

 反面、古典RPGのようなバランスで制作されている本ゲームだが、キャラの押し出しは強い。
 そのため、キャラが気に食わない、という人は、辛いのではないだろうか。
 感情移入しやすいキャラか、と言うと、そうでもないと思うし。
 個人的には、リングアベルは割と好き。あと、イデアの「ぐぬぬ」はかわいい。

■屍血山河の変な倫理観。
 次々登場する個性的な敵をバシバシ撃破する主人公たちではあるが、やってる事は実際のところ、なかなかえぐい。
 ボス敵の大部分が人間なのだが、この敵のほとんどを主人公たちはさっくり殺害しているからだ。

 最初のベアリング&ホーリーを撃退した時は、この人たちもう退場なの?!という驚きでそこまで気が回っていなかったのだが、続くオミノス、ハインケルを倒した辺りで「え・・・マジで・・・」と思い始め、エインフェリアで決定的に。
 正直言うと、ちょっと・・・引いた。
 クリスタルの解放、というお題目があり、敵が立ちはだかってきたり、中には、がっつり悪事を働いているヤツもいる、とは言え、まさか、ろくすっぽ相手の話も聞かず、ガンガン殺しているとは。水戸黄門かお前らは。

 敵がモンスターなら良いのか。と、言われると困るのだが、それにしても、主義主張が違う相手を、殺害してしまう主人公たちが振りかざす正義。いい大人なら、どうしても胡散くさく見えてしまう。
 と言うか、青臭い信念でもって、正義を振りかざすなら、相手を殺すことに罪悪感を抱いたり、もう少し疑問を持つシーンがあってもいいような気がする。

 いや、確信犯でそういう要素を排除しているのは解る。どう考えても意図的だと思う。

■サクサクと進む王道が、徐々に違和感を剥き出してくる。
 闇の存在によってその力を奪われたクリスタル。その影響は吹く風を止め、海を腐らし、火山を暴走させ、モンスターを溢れさせている。
 クリスタルを元の正常な状態へと戻し、世界の均衡を取り戻す、ひいては、開いてしまった大穴を塞ぐため、一行は、クリスタルを解放していく。
 そうしたクリスタル解放の旅を邪魔し、方々の国を内部からズタズタにしているエタルニア公国の面々は、一見、極悪集団に見える。
 こうした、勧善懲悪的な世界観も王道・・・・と思えるのは中盤まで、王道の世界観は保持したまま、物語は徐々に先のわからないものになっていく。

 いや、先のわからない展開、と言ったが、このゲーム、メインキャラの一人、リングアベルの持つ「Dの手帳」に書かれた内容を読むと、ぶっちゃけ、そこそこ勘のいい人ならば、ある程度までの核心に迫れてしまう。
 ただ、シンプルに勧善懲悪な王道物語をイメージしていると、結構裏をかかれる物語が中盤以降展開していくことになる。



 さて、ここからはネタバレしながら書いていく。
 ネタバレ死ね。と思うタイプの人はそもそも読んでないと思うが、何かの間違いで気付かずここまで読んだ人は、ここで読むのをやめてみよう。


※ここからネタバレあり※




■ここまでの積み重ねを一気にひっくり返す、今ならではの展開。
 終盤、それまで積み重ねて来た伏線が牙を剥き、主人公たちの価値観をひっくり返す展開に入る。

 繰り返す世界の中で、徐々に真実を突きつけられて行く主人公たち。

 なのだが、ここからが、正直このゲームが弛んでしまっているところ。

■ゲーム的な弛み。
 世界が繰り返すため、ここから先の冒険の舞台は、基本的には、踏破し終わった場所が舞台になる。
 飛空挺があるので、そりゃサクサクと移動は出来るが目新しさがない。

 また、ヒントは大盤振る舞いで与えられるのに、主人公たちは気付かないし、敵と対話しないし、敵もそれ以外の連中もちゃんと説明しない。
 旅のログが書かれる手帳には「一方的に襲いかかって来た」とか「やむなく撃退」とか書いてあるのだが、いや、もうちょっとお前ら対話の努力をしろ、と。ちょっと正義に酔って虐殺が楽しくなってないかと。
 サブイベントを進めなければ、無用の虐殺はしなくて済むが、サブイベントを進めると、その度に以前の世界とは少し違った会話が発生し、状況が進展する。そうなると、無用と虐殺と思っても、思わず倒しに行ってしまう。
 しかし、倒して真相のヒントをもらってももらっても、主人公たちは気付かない。だってサブイベントだもの。サブを進めて本編が進んだら変なことになるもの。
 なんというかジレンマである。
 ゲームプレイの観点からは、テンポ良く行きたいけど、コンプリート欲が邪魔をする。
 物語の観点からは、例えサブシナリオでも、掘り下げがあるなら見たい。でも、見れば見るほど、主人公たちが馬鹿まるだしに見える。

■主人公たちの態度もちょっと・・・。
 それでなくとも、最初の世界を突破した段階で、主人公たちはとんでもない連中である。
 問題のある人物も、そうでない相手も、一方的な正義と、自分たちの目的の下に、一括りにして、ろくに対話もせずに撃破=殺害し、なおかつ、次の世界に大惨事を招くような事態を引き起こしている。
 もっと言えば、そもそも最初の世界のまともな敵たちが、もうちょいちゃんと言って聞かせる事が出来る連中なら・・・。いや、まぁそれは言いっこ無しか。

 せっかく、大どんでん返しが発動したのに、その直後、ゲーム的にも、お話的にも、一気にテンションが下がってしまう。
 それまでが結構良かっただけに、勿体無いなぁ、という気持ち。

 で、ラストバトルに繋がる流れも、倫理的にどうなの?と感じる点。
 最終的に、諸悪の根源を片付けることで、主人公たちは自分たちの犯した間違いに責任を取る。
 この辺りについては、もう少し言及しても良かった気がする。
 特にティズ。
 騙されていたとは言え、他のメンバーが反省している中、やたら前向きなことを言い出す。いや、お前の言ってる事は正しい。そりゃ諸悪の根源を倒すしかない。そりゃそうだけど、倒しても、お前らが殺した最初の世界の連中は生き返らないし、あと、お前らがクリスタル解放した事で死んだ村人たちはやっぱり生き返らないんだから、そこら辺、思うところあっても良いと思うんですが。あと、お前は弟の事どんどんどうでもよくなってないか。
 まぁ、そうしたクソ前向き発言や間違いの全部を背負い込んだように、エンディングでああなる訳で。
 それでも、やっぱり微妙な気持ちにはなった。

 ごちゃごちゃ言ったが、そもそもこのゲームの物語は、多分、そこまで辻褄をぴたっと見せる物語として作られていない。
 並行世界同士で突然都合よくやりとりしだすし。
 1800年前の天使のくだりもどうやってその時代に飛んだんだ、って説明は特に無いし。
 少なくとも、自分には、細かく説明したり、全部をきっちりがっちり辻褄を見せようとしているようには見えなかった。
 「細かいことは気にすんな!」という物語。
 言い過ぎかも知れないが、その辺りも、ある種、昔のRPG的なさじ加減になっていると思う。
 そういうところも詰めた物語にすれば、もっと俺は喜んだなぁ、という気持ちがどうしても出てきてしまう訳で。


■終盤の失速はあれど、全体的には良作。
 物語の終盤、ゲームは失速するが、しかしそれでも、最近なかった良作RPGではあると思う。
 ループ突入以降、サブイベントをほとんど無視してクリスタルの解放を進め、さっさとラストダンジョンに突入すれば、歯応えある難易度となるが、プレイヤーのテンション的には、いい感じに遊べるだろうと思う。

 「ブレイブリーデフォルト」は、古典的なRPGの良さを、今風の調理で再確認させてくれる。王道RPGが遊びたいは、きっと楽しめると思う。
 ついでに言えば倫理について、うっちゃって見れば、もっと楽しめると思う。