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ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「メタルギア・ライジング:リベンジェンス」

 3月に入り、春めいた瞬間も見られるように。しかし今寒い・・・寒いよ。俺です。

 室内も早くあったかくなれ。


メタルギア・ライジング:リベンジェンス感想だよー

 連日、ノーダメ攻略などに挑戦し、遂に全ボス撃破を完了したので、そろそろまとまった感想を書く。

 クリア状況は、全ボスをノーダメ撃破完了。
 収集物は左手ID、データストレージを完了。
 VRミッションに2点取りこぼし、人型仔月光撃破未完了、無線網羅ならず。
 
 ゲームの概要についてはメタルギア ライジング リベンジェンス - Wikipediaを参照(ただし、キャラ説明に、壮絶なネタバレ含む)。

 以前のプレイ中感想は以下から。
 今は年末のことより目の前の切断だ! - ヨコズキシボリジル
 モンスーンさんと過ごした休日 - ヨコズキシボリジル


■高速斬撃アクション

 とにかく、激しく速いゲームだ。

 オリジナルサーガとなる「メタルギア(ソリッド)シリーズ」から考えると相当の落差。

 その速さたるや、「見敵必殺」を地で行く速度だ。
 敵を見つけるや否や、ニンジャランで高速接近し、スライディングを叩きこんですぐさま自由切断で細切れに、斬奪で敵のエネルギーを奪って、次の獲物に飛びつく。
 敵も敵で、画面をはみ出る速度で飛び回る。その敵を自動追尾の技で打ち落とし、コンボを決めてこれまたメッタ斬りに。
 自由切断モードや、ジャストシノギカウンター時のQTEアクション時に時間の流れが遅くなる事で、更に通常戦闘時の体感速度が上がる。

 自由切断、ニンジャランなどの新システムが目立つが、それらによって実現した、プレイ出来る「高速戦闘」こそ「メタルギアライジング」の核だ。

 通常の攻撃は移動キー+弱・強攻撃の組み合わせしかなく、非常にシンプルでコンボも覚えやすいが、バリエーションが貧弱という事はない。
 斬撃は、線の攻撃のためか、ヒット時の快感が、面の打撃に劣ると感じる時がある(単純に効果音のせいかも。『サシュ!』より『ドガッ!』の方が聞いて気持ち良い)が、その点でもエフェクトを派手にして、アタック感を強めており、非常に小気味の良い攻撃が出来る。


■「自由切断」は「具体破壊」

 特殊な操作が必要となる自由切断は、最初こそ戸惑ったが慣れればかなり快適に斬れる、斬れる。切断モードの時間延長アイテムなどの取得で更にやりやすくなる。
 体験版では「自由切断、本編で使いこなせるかな・・・」と思ったが、核となるシステムなだけに、しっかりチューンナップされてきた。

 自由切断の旨みは「具体的な破壊」

 自分の操作によって、ゲーム内に「具体的」で「直接的」な結果が「破壊」という形で発生する。この感覚は、シューティングゲームのボス戦で部位を破壊した快感に近い。
 敵の五体を、敵の装甲板を、建物の柱を、ガラスを、箱を、プレイヤーが思った角度で、思ったように斬る事が出来る。このインタラクティブ性の高さは新鮮で、爽快感は抜群だ。

 自由切断を的確にキメたご褒美となる「斬奪」も良い。
 なんせ、斬奪をキメると、体力も電力(自由切断モードに使用するゲージ)も一瞬で全快だ。
 時間内にうまく急所を斬れなかった時は悔しいし、斬奪時の無敵時間を得れない事から不意打ちを喰らう危険も発生する。リスク・リターンのバランスも丁度良い。
 慣れれば急所の場所を覚え、大まかに刀を数回振れば、確実に斬奪出来るようになる。そうなれば、斬奪受付時間いっぱいまで敵をメッタ斬りにしてスコアアップを狙うのも良い。

 自由切断の新鮮味に飽きて来ても、通常時の高速戦から自由切断時のスローモーションという緩急が気持ち良く、ガンガン遊べてしまう魅力がある。


■攻撃的防御シノギと粗いカメラ

 攻撃された方向+弱攻撃で発動する、という操作方法により、ほとんど防御属性の攻撃みたいな「シノギ」。
 ノーマル難度では、一度のシノギによって防御体勢を取る時間が長いため、正直亀だ。ハード難度になると、入力タイミングがシビアになり、防御してる!という実感が増す。
 ベリーハードでは、連続攻撃をシノギ切った時の満足感がすごい。すごすぎてぼんやりしてる間に次の攻撃を喰らうほど。あかんがな。

 欠点は、ジャストシノギからのカウンターが、雑魚くらいにしか有効に使えないこと。ボスなら怯ませてくれるけど、強雑魚とかにはダッシュで自動接近してくれる方が嬉しかったかなぁ。

 ただ、ここで問題になるのがカメラ。
 このゲーム、やたらカメラの挙動が悪い。激しい高速戦闘の反面、遊びが少ない、追尾が甘い、回り込みをしてくれない、カメラなせいで、敵を見失ったり、敵が見えなくなったりする。
 シノギの操作仕様上、敵がどの方向から攻撃してきているか、は、超重要で、視界外から攻撃されたり、敵の攻撃がカメラのせいでよく見えないのは非常に困る。
 いちおう、攻撃合図は、オブジェクトを貫通して見えるから、それを頼りに防御出来るようにはデザインされてるけど・・・戦闘時に関わらず、通常移動時など、もっとカメラプログラムは調整して欲しかった。なんで勝手にカメラ位置を正面に戻す。


■弱点の明確な雑魚、最高のボス戦

 アクションゲームとしての基本、個性ある雑魚、魅力的なボス戦がしっかりしているのは嬉しい要素。

 雑魚はどいつも特徴が明確、かつ、弱点がはっきりしている
 こいつは、スライディング斬撃。こいつは距離とって突進シノギからのQTE。こいつは、ジャンプキックから斬奪、と戦略を固めて戦えるようになっている。
 マスティフ(ゴリラ)だけは、リッパーモード(攻撃増加モード。デビルメイクライのデビルトリガーみたいなもん)でゴリ押すのが手っ取り早いが。

 ボス戦は本当に素晴らしい
 多少、キャラの掘り下げが甘いものの、純粋にアクションゲームとして派手で多彩の攻撃もってプレイヤーを楽しませて(翻弄して)くれる。
 色味は統一されてるのに、デザイン・能力のバリエーションもステキ*1
 自由切断もきちんとボス戦に活かしてて良い感じ。タイミングで切ったり、点で切ったり、線で切ったり、連続で切ったりさせて、多彩に使わせてくれてる。まぁ、これ以上バリエーションあんのかな?という気もするけど。
 メタルギアとして考えると、ボス戦が派手に派手すぎて、既存シリーズのキャラがすごい雑魚な気がしてくるけど、そういう事はどうでもいいんです。アクションゲームとして面白ければ。

 ただ、カメラとチェックポイントのシステムは困ったところ。
 通常戦闘でも辛い挙動のカメラがボス戦時では更に酷くなるため、ボスをカメラが追い切れず見失うことが多々。慣れれば先回り出来るようになったけどもさ。
 サンダウナー戦のヘリはほんとぶち殺したろうか思いました。
 チェックポイントについては、ボス戦途中、ノーダメージを達成している場合、途中からリトライが可能で嬉しい部分もあるのだが、ノーダメージを達成できずにうっかりチェックポイントを通過してしまわれた場合、ステージ最初からやり直しですよ、あなた。
 ほんと、ボス戦直前含め、いくつかのチェックポイントから選択開始が出来る仕様の追加を是非して欲しいところ。タイトル画面に「VER.1」って表示してるのは伊達じゃないとこ見せてください。と言うか、やる気あるのかだけ早く発表して!!!


■階段の見えないゲーム難度

 イージー・ノーマルは快適。むしろ物足りないくらい。
 ノーダメージ、ランクS連発でクリア。という調子では行かないものの、ある程度3Dアクションに慣れた人ならサクサクとクリア出来てしまうはず。

 ただ、これがベリーハードになると、いきなり崖。突然別物か、という程難しい。特にチャプター0。鬼か。
 同じような崖っぷりは、VRミッションのタイム設定にも言える。
 根気よく何度もプレイしてるうちに「あ、意外といける!」と思う方法が見つかって来たが、最初プレイした時は「絶対無理だろこれ」というタイム提示に度肝抜かれた。
 調整に時間をかけられなかったという事情があるのかも知れないが、際どいやり方でどうにかなるタイムを標準にするのではなく、もう少し、階段上に難易度が上がっていくような内容でなっていたら、という風に感じる。だってあんなとこに抜け道あると思うか?だってあの方法で一気に飛べると思うか?だってあの方法で一撃で倒せると思うか?気付くようなヒントないし、たまたま試さないと一生無理だよアレ!!


■リプレイ前提の長さの割にリプレイに不親切

 大きく気になるところ。
 初回プレイでも、クリアまでに8時間程度しかかからない。いや、これは別に良い。密度の濃い8時間だ。
 ただ、定価の元を取るほど遊ぶとなると、リプレイが必須となっている。
 リプレイ性を高める要素はたくさんある。プレイヤーの必要以上に応えてくれる高難度が用意されているし、箸休めの無線は豊富。収集要素も充実しており、収集によって武器やボディが解除されるので、周回プレイしていても飽きにくいようには作られている。

 だが、そもそも周回プレイがしづらい
 1チャプターが長い割に、チャプター単位でしかステージ選択が出来ず、たった1つの取りこぼしの為にいちいちチャプターの最初からやり直す必要が出る。
 ファミコン時代とは違って、途中には会話も、デモムービーも挟まるのだ。それらを一瞬で飛ばす事が出来ないため、非常にストレスが溜まる。
 ローディングなどの関係から一瞬で飛ばす事が出来ないにせよ、それなら、せめて最短で目的の箇所のみリプレイが出来る仕様にして欲しかった、と感じる。数箇所のチェックポイントを抜き出して選択出来るようにするとかさ。


■次があっての物語では?

 さて、物語の感想。

 恐らく、このゲーム、雷電を「新たなダークヒーロー」というような位置づけでアウトしたかったものではないか。
 エンディングでのサミーの超強引なセリフがそう思わせた原因。あのセリフ自体は、サミーが雷電をあのように捉える根拠が薄弱で(だって救われた時、本人母体の中にいたし、あんなセリフ吐くほど実感ある訳ない)、ピンと来てない訳だが。
 着地点としては「気に食わない悪党を斬る人斬りが生まれた」という終わり方なのだが、少なくともラストカットの雷電に葛藤は見当たらず、個人的な闘争を心から喜んでいるように見える。
 ダークヒーローは、葛藤を飲みながら悪党と戦う、狂人スレスレの必要悪みたいな立ち回りが魅力だ(あくまで個人的に)。葛藤がない、あるいは、葛藤を意識していない雷電は、ハードボイルドキャラになったようには思うものの、ダークヒーローとはなり得ておらず、サミーの変な持ち上げが強引な割に壮絶に空周りしている。おかげで寒々しい気持ちになってしまった。
 
 これ、次回作がない場合、単にスネーク、ローズマリー、大佐、他色んな人たちのミームを踏みにじっているようにも思える。ほんと、雷電はバカだな。ミームうんぬん抜きにしてローズマリーと息子の立場はどうなんの。年甲斐のない事をやってるのはさておき、せめてローズマリーに詰られろ。
 まぁ、今のところ、結構売れているようなので、次回作の可能性なし、という事もないだろうが・・・。次作での更なる展開を期待したい。とにかくローズマリーにどつかれて欲しい。

 いや、そういう不満はあれど、キャラクターとしては、スネークの影にいる単なる甘ちゃん(メタルギアソリッド2)、非人間的自殺志願(メタルギアソリッド4)、なキャラより、全然魅力的になったと思う。ちゃんと「主役:雷電」として立った。
 あとは、更に魅力を発揮するだけ。今俺の中では、るろうに剣心の人斬り刃衛くらいのポジションで終わってるから。吉川晃司だから。シンバルキックだから。モニカ。

 もう一点、ラスボス演説の邪魔くささ。
 ラスボスたる物、そしてメタルギア2以降のゲームである以上、ミームミームの激突を描くために、主義主張をしっかりと描いたのかも知れないが、どうも一点に詰め込みで、冗長過ぎる。
 その上「個人の闘争を復活させる」というお題目に対しての具体性がとんと見えない*2
 まぁ、あとは単純にもう少し見た目、格好よくならなかったのかな。ミスマッチな記号性自体は良いけど、硬質化って良い素材を、デザイン的にもっと有効に使ってもらえんかったかなぁという思いが。

 そうしてラスボスがいまいちと思えば、サムが勿体無い気もしてくる。
 主義主張のない、ただ一個の戦う意志だったサムは、全てを仕組んだラスボスにはそぐわないのだけれど、単純にボスとして、ラスボスより、圧倒的に格好良い。
 ノーマル難度では正直弱かったけど、ベリーハードではいい強さで、嬉しくなったもんだ。正直、モンスーンさんよりノーダメ撃破に時間かかった。

 上記以外は、アクション、メタルギア調、両方をバランス良く殺さない内容で、充分だと思えた。
 ミストラルのおっぱいの件については、ドクトルを呼び出して問い詰めたい。ログはないのかと。その尖った顎はなんなんだと。


■短い期間でよくぞここまで仕上げた、となるか

 細かい調整がとにかく惜しいゲームだ。
 プレイする程に、アクション、独自システムが応えてくれる半面、プレイするほどにカメラ、チャプターセレクトなどの仕様が苛立ってくる。
 気持ち良い!とイラつく!が隣り合わせで、どっちに転ぶかで評価が真っ二つ。勿体無い。

 開発状況を想像しても仕方ないのだが、アクション面の調整がかなりしっかり出来上がっているだけでも、良しとするべきなのだろうか。
 どうしても、小島プロダクションから、プラチナゲームズへ開発委譲された件や、インタビューで散見される「短期間での制作」という発言を考えてしまう。

 剣撃アクション、自由切断、高速戦闘、SF。美味しい要素はてんこもりで、ポテンシャルは充分
 物語としての今後も含めて、是非、余裕のある制作状況にて、ブラッシュアップかつ芳醇になった続編を期待したい。


メタルギアかどうか?

 本作はゴリッゴリのアクションゲームだ。難度は高めの部類。
 プレイ時間の短さから、リプレイを余りしない人は、コストパフォーマンスの点で避けるべきだろう。
 上記以外の人、そして、高い山を登りたい人にとっては、多少の粗に目を瞑る事で、このゲームだけの楽しさを手に入れる事が出来る。

 メタルギアか否か、そういう事が頭から離れないであろう、これまでのメタルギアシリーズに惚れ込み切っている人はこのゲームはやるべきではない
 メタルギアが持つ「メタルギアらしさ」はあまりに多様だ。その全てを持ち合わせたものは「ライジング」ではなく「ただのメタルギア」でしかない。
 メタルギアほど、リアリティ重視の世界ではなく*3、社会性と示唆に富んだ物語にもなり切っておらず、ステルスメインのゲームでもないし、不殺や武器に対しての葛藤には中盤以降、割り切ってしまう。
 過去作のキャラクターはほとんど出て来ないし、出演したキャラも、扱いはおざなりだ。

 ライジングは、メタルギアかどうか以前に「俺はただゲームだ」と主張している
 生まれた理由はメタルギアにある。けれど、子供は、ただ純粋なアクションゲームになった。
 そう思って思う存分斬りまくった方が、余計なことで思い悩むよりはるかにこのゲームを楽しめる。


 そして、小島プロダクション+プラチナは、修正パッチで、プレイヤーが余計なことで思い悩まず、この芯のあるゲームを楽しめるようにしてくれる事を願う。

*1: 最近洋ゲーのリアル寄りで面白みのないボスと戦う事が多かったから余計にテンション上がる

*2: それに対抗する雷電の「とにかくお前は気に食わねえ!」は、如何にもバカだが、雷電はもともとバカだったので、考えるほどに「これはこれで良いな」という気持ちに

*3: 演出面の派手さで「これは『メタルギアじゃない』」という意見を目にすると、ゲームキューブで発売された「メタルギアソリッド:ツインスネーク」は演出部分を北村龍平が好き放題にやり、シリーズファンから酷評された事を思い出す。そもそもメタルギアは戦車主砲の直撃で死なず、ゲノム兵は目も耳も悪く、カモフラージュ度がMAXだと目の前の敵が見えず、楽しさとテーマのためにディティールは凝っても、リアリティの為だけに凝ったことのないゲームなんだが・・・。人それぞれだねぇ