ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「絶対絶望少女」ネタバレの方

 タイトル通り「絶対絶望少女」のネタバレ感想。感想というか語り。

 先日書いたネタバレなし感想のB面みたいなものだ。

 周回してるうちに明確に見えてきた惜しい点などについても書いている。

 ネタバレしても大丈夫な人で暇な人はどうぞ。

 間違えてネタバレをつかむ人が出ないように、うるさいくらいにネタバレネタバレと書いておこう。

 

パズル要素はもっと欲しかった

 ネタバレ満載の物語の話を書く前に、メインプレイのTPS部分について少し気になった点を書く。

 2周目も終わって全ステージにおいて、評価:優を出すために3周目をプレイしているが、どこに何を足せばもっと面白くなるのかよく解らないロンパと違い、ゲーム部分に特化して惜しいところも目立つ。

 例えば、単純に、パズル要素がモノックマンだけに分離して感じられるところが惜しい。通常戦闘ではさほどパズルらしい攻略をする必要がほとんどない。

 オドレ→ナイスショットでザコモノクマは瞬殺だし、ボール・ジャンク・ビースト辺りの敵だけに絞ればジェノサイダーでなんとでもなってしまう。ダメージに使えるコトダマは複数あるが、基本コワレロで対処出来てしまうため、モエロ、シビレロは影が薄い(モエロに至ってはラスボス戦とコワレロ弾切れ時くらいしか出番がない)。

 例えば、パズルに絡んだ撃破、攻略方法が追加され、それを利用した撃破を狙ってもナイスと同等の扱いになれば、通常戦闘でもパズル要素が強調出来たように思う。

 ボンバーにモエロを当てると爆発範囲が広がるとか、ビーストに当てると暴れて延焼するだとか。ジャンクにシビレロを当てると周辺敵一体にシビレロがリンクするとか。状態異常にした後ウゴケを当てて暴れ回らせるとかね。で、こうしたコンボで倒すと、ナイスと同等のコイン倍率が見込めるシステムがあるだとか。

 そうした要素が入れば通常戦闘でもパズル要素が増して、より楽しくエイムに頼らない変なTPS感が増したように思う。

 シューティング+特殊能力という点では、全然プレイテンポが違うものの、バイオショックを思い出す。あちらはエイムしやすさ、状況作りのうまさなどで、特殊能力によるコンボが実にうまく機能していた。前提として、シューターではないバランスを目指したと思われるなど、違いはあるが、バイオショックくらいテンポよく能力を当てたり活用出来るシステム、操作体系であれば、もっとTPS部分が楽しめたのに、という気はしてしまう。言い換えれば伸び白を感じるという事でもあるが。

 

TPSと物語の分断

 また、物語とTPSパートが完全に分断されていたのも気になった。

 今作はシューターゲームではなく、シューター風パズルゲームとして捉えるのがいい塩梅のゆったりテンポな作りになっているのだが、TPSパートと物語の融和がうまくいっていない。

 頻繁に戦闘中会話があると「読めねえよ!」となってしまうのを嫌ったのだろうか?それにしてもTPSパートが物語を進めるための障害としてしか設定されていない構造になっている。

 TPSで戦って乗り越えるからこそ発生するイベントや物語のフックがほぼ存在せず(腐川戦くらいだろうか)、ハッキング銃のおかげとは言え、TPSパートの戦いをこまるが自信に転化するタイミングが遅いため、プレイと物語の乖離が感じられてしまう。

 物語に求める比重が大きいロンパシリーズでもあり、また、この点について、高レベルにクリアしているゲームがボコボコある訳でもないため(大抵のゲームは物語の側をゲームプレイに寄り添わせたり、あくまで戦う動機程度の添え物であるため気にならないだけだったりする)、1周目プレイ時はさほど気にならなかったが、周回していると少々勿体なくは感じる。

 たった2作しか出ていないとは言え、もう既にロンパであることを成立させつつアクションさせる場合、テキスト主体の中にテキストを遊んだアクション要素を入れ込むロンパ本シリーズのやり方以外はなかなか難しいという事を自ら証明してしまっている感もある。

 

物語について

 タイトルに外伝とつき、しかも、あくまでTPSであることから、本作の物語は、ロンパ本シリーズに比べて正直若干ながら薄口の仕上がりになっている(逆にTPSとして考えれば物語の分量は濃いと思う)。

 アクションパートを分断する形になっても、細かく会話やイベントを織り込んでいる辺り、あくまでロンパシリーズに系譜にあることを強調していると感じる。

 じゃあ、そうして描かれた物語はどうだったのか、という話を。ネタバレを回避しながら書いても不完全燃焼にしかならないことから、ネタバレなし感想ではざっと流したので、ごちゃごちゃ書いてみようと思う。

 

 個人的には満足度の高いシナリオだった。ロンパ1・2で充分描いたと感じる、希望と絶望という2極を、今度はコドモとオトナそれぞれの狂気で対比しながら描くシナリオとしていい塩梅に楽しめたからだ。終盤の展開がクドいのは否めないが(短いとは言えローディング画面も多い)、その点だけならロンパ2だって同じだ。

 全然普通じゃないんだけど、こと極限状況に対しては気弱で普通オトナたちと同じメンタルであるこまるが、正義感や義憤ではなく、友情によって奮起し、一人じゃ無理でも、友人と一緒に絶望へ立ち向かおうという形。1人じゃ放てない希望の弾も、2人なら放てるという演出、わかりやすい黒幕(だった)モナカにトドメを刺さない展開、オトナ・コドモ両陣営に色々解決しないところを明確に残した点を、半端な決着と表現する、など、ロンパ1・2とは明確に違った味わいがある。

 

 そりゃあ、細かい事を言えば不満はある。

 先に書いた終盤のクドさもそうだし、時系列的にある程度しょうがないにせよ、2のキャラに関する話はほとんど出てこない点もそうだ。せっかく登場する1キャラの関係者たちも大抵はあっさり退場させられる(特に不二咲父のあっさり具合ったら)。

 ただ、1キャラのあっさり退場については、割と納得しているところもある。

 まずキャラクターのドラマについては、こまると腐川を軸としているため、あんまり他のキャラをドカドカ乗り込んで描かく余裕はなさそうだ。ゲームプレイ・演出的にもずっと連れ歩くのは邪魔くさいだろう。

 退場のあっさり具合については、希望の戦士にせよ、モノクマキッズにせよ、コドモたちが直接的にオトナを殺す描写を避けた結果なのではないと勘ぐっている。希望の戦士たちが過去に大量に殺したという話や、殺した結果である大量の死体は登場しても、作中で目に見える範囲において、コドモがオトナを直接殺害したシーンって実は一個もない(回想において殺した直後であろう描写は部分的にされているが)。

 多少派手で絶望具合を煽ってきた朝比奈弟とは違い、不二咲父の場合、ビーストモノクマに殺されるものの、エレベーターが開いた出会い頭での突発的で自動的な殺され方。ビーストモノクマ自体が自動的に攻撃しそうな凶暴な敵ということもあって、子供が指示して殺させたという風にはギリギリなっていない。タイミング的には、その後のボス、煙蛇太郎に派手に殺させて、なんて恐ろしい倒すべき敵なんだ!という演出と劇的な死の演出を兼ねてもいいのに、そうしていない辺りから、意図的にあっさり退場させているように感じた(同時に、町全体に死が蔓延するにあたっては、大抵の死がこのようにあっさり訪れるという演出にも見える)。

 コドモが死ぬ描写も一切なく、おまけイラストからもわかるように、希望の戦士は全員生存している。CEROに配慮したこともあるんだろうけど、やっぱり悔悟の機会は与えられるべきだと思ったんだろうな。でないとそれこそ、希望の戦士と同根と言える腐川を全く肯定できなくなっちゃうし(存在に慣れているだけで、成り立ちに江ノ島が関わっていないから余計にタチ悪いとも捉えれる)。

 

 スペア含めて大量のモノクマの理由や、結局1で人質になっていた人たちはどうなっていたのか、という点が明確になり、更に2へ繋がるブリッジもあり、今後への布石も打ったということで割と満足。

 

好きなシーンとか声優さんの芝居のこと

 まず、唐突な塔和オヤジの霊のくだり、すごい好き。本人が死んでる状態で何らかの伏線を張るって時に、ファイルを拾わせるという選択肢もあったろうに、霊が登場するという強引さがもう面白い。雑な除霊で死ぬのもいい。

 あとどうしてもキャラ盛っちゃうんだなぁと思うこまるの好物の話。もうこれ癖だよね。

 処女絡みの会話も酷い。2に比べて随分下ネタ頻度は下がったけど、おかげでこのシーンのパンチ力がめちゃくちゃに上がっていた。こまるがアホでやりまくりと宣言してしまうのも素晴らしかった。こまる、普通ではないレベルにアホだから、自分のやっていることを顧みず異常に弱気でも許せる。だってアホだもんな・・・。

 

 声優さんの芝居について。

 安定の沢城みゆきさん以外では、今回は平野綾さんがすごい良かった。ダーク平野綾さんいいな。後半の本性向いてくるところの滑らかな変化が良い。上坂すみれさんの芝居幅もすごい。これ、クレジット見なかったら気付かなかったと思う。ほんと器用だな・・・。そこ以外だと新キャラのキャスト面々がH×Hを彷彿とさせて笑ってしまった。ちょっと意識してるのか?そうなのか??ゴン・キルアとノヴがいるんだもんよ。

 

 ゲームとしての物足りなさもあるが

 純粋にTPSゲームとしてみた場合はエイムし辛く、爽快感もない微妙なゲームだと思う。パズルアクションとしても見ても、奥行にかけるし、純然たる障害物としてのモノックマンにパズル要素が偏り過ぎている。

 物語がアクションを分断している側面もあり、ゲームプレイには抜けきらない部分が多々見られる。

 テキストアドベンチャーを主体にした混ぜ方でなくてもロンパ足り得るか?ということが命題だったとすれば(あくまで仮定でしかないんだけど)、本作は、融和し損ねたゲームプレイをコトダマという設定と、腐川戦がギリギリ繋いでいる危うい仕上がりだと思う。

 こと自分に限って言えば、事前のトレイラーなどからの期待はしっかり上回ってくれたし、久しぶりにローテンポでじっくり楽しめるアクションアドベンチャーを遊べた気分。テンポよく忙しいのも良いが、うろうろ歩きつつ、たまに戦闘するくらいのこのテンポは嫌いじゃない。最近忙しいアクションをプレイすることが多かったし。

 次があれば、爽快感やTPSとして仕上げるより、より一層、パズルに寄って複雑にも遊べる内容を期待したいと思う。

 

 

今日は以上。