ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「オリとくらやみの森」

 クリアしました。俺です。

 まだ後もうひと山くらいあるかな?と思っていたら、クリア直前だったようで、サクッと終了。腹八分目くらいの状態だったので、思わずもう一度最初からプレイし始め、実績関係見て絶望した(3時間クリアはともかく、死亡しないとかガチ過ぎませんか)。

 感想の7割くらいは先日書いたけど、あらためて感想を書きます。

 

プレイ状況

 クリア。ライフ、エナジー共に取り零しアリ。スキルも一部埋めきっていない。

 クリアまで9時間。

 死なずにクリアだのパワーアップせずにクリアだのの縛りプレイが面白いタイプのゲームではないので、リプレー性はほとんどないかと思う(と言うかやりたくない)。

 

素敵なビジュアル

 先日と同じ動画を貼るのもつまらないので、今日は別の動画を。


『オリとくらやみの森』プレビュー - YouTube

 タイトル画面からして素敵なビジュアルだが、それが全編に渡って広がっている。

 BGMも、添え物や環境を盛り上げる効果に徹する事が多い海外ゲームによくあるタイプではなく、ジブリや大神を想起させる出来で、より一層心を掴まれる。

 タイトルの通りロケーションのほとんどは「森」だが、綺麗な森、毒にただれた森、凍った森、焼けた森など、色んな森が登場して飽きるという事がなかった。

 オープニングからしばらくは、ディズニー調で素晴らしいアニメーションが続くが、キャラアニメーションだけが素晴らしいのではなく、背景のモーションも凝っている。激しいアクションで草葉が揺れ、そのたびに思わず手を止めて背景を眺めたくなる。アクションの途中、いつ手を休めても、見るべき背景は手抜かりなく見応えがある。とても贅沢な気持ちになれる。

 

見た目と違って(?)激しいアクション

 本ゲームのアクションはかなり激しい。

 見た目とのギャップで余計にそう感じる。

 攻撃は、範囲内に入った敵を自動追尾するものなので、主に移動にだけ気を使っていれば問題ない。が、その移動が激しい。2段・3段ジャンプ、壁を使った3段跳び、カウンター兼用のジャンプなど、かなり激しい動きを要求される。

 難易度がいたずらに高い訳ではない(と思う)が、アクションが苦手という人は絶望的な気分を味わう可能性はある。

 ただ、操作はすこぶる快適だ。

 カトゥーン調のため、多少動作の反動がある(走った直後急に止まれない感じ)が、かなり軽快でキビキビした動きが可能となっている。最終的なボタン操作は多くなるが、徐々に能力を獲得して出来る事、行ける場所が増えていくシステムとなっているし、実践させる場面の誘導もうまい。ごく一部、シビアな場面で多段ジャンプの制御に天を仰いだ以外、快適にプレイ出来た。

 

あっさり目の探索要素とパズル

 メトロヴァニア系と言えば、探索謎解き要素も重要なポイントだが、本作のそれは提示された新たな目的地までのルート探しが大半を占め、比重はかなり小さい。パズル要素は簡単なものがほとんどでアクションにかなり偏っている。

 ライフ・エナジーを成長させるアイテムを探索する要素はあるものの、スキルをアンロックすればマップから一目瞭然となる。丹念な探索はほとんど必要ない。

 かと言って物足りないという事もなく、メインのアクションを楽しみながら、マップを行き来して行けなかったエリアを開放して行く楽しみは充分だった。

 

攻略を補佐するだけに思えないほど必須なスキル

 ゲームの進行に伴って獲得する能力の一方、敵を倒して入手するパワーを元に獲得するスキルもある。これは、月下の夜想曲におけるレベルに相当する。

 スキルはクリアに必須ではなく、補助的なもの・・・のはずだが、ヘタレプレイヤーの自分からすると、ほとんど必須と思えるような便利なのが揃っている。連続攻撃アップ、火力アップ、防御アップ、3段ジャンプ、アイテムマグネット、ライフ・エナジーマップ表示・・・どれも攻略の難易度がグッと変わってくる。普通に考えて、どんどん覚えたいものばかりだ。

 個人的には、攻撃スキルは2つ目まで取得したら、あとは全部他のツリーに回した方が良いと思う。攻撃は打撃カウンターがあればなんとかなるし。

 

死にまくりでもストレスにならないシステム

 スタート時点でのプレイアブルキャラ=オリはとても貧弱だ。

 即死ではないものの、2発もダメージを食らえばあの世行き。ライフを増やす要素はあるのだが、探索で見落とし、かなり長く体力が4程度しかなかったせいで、とにかくよく死んだ。

 しかし、ミスから死んでも悔しいと思いこそすれ、ほとんどのケースでやる気をなくしたりしなかった。チェックポイントを任意に作るシステムとリスタートの速さのおかげだろう。

 エネルギーを使ってチェックポイントを作成する事で、いつでもその場所からやり直せる。敵の近くや、不安定な足場以外なら必ず作れるし、ほとんどの難所前でセーブが可能になっている。危険な場所で踏みこむ前にはジャンプタイミングを見測る前にまずセーブ。序盤こそ、乗り越えるべきトラップを見ると、罠に飛び込むウサギのように飛びかかって死んだりしていたが、進む程に警戒心が身についてチェックポイントを作るようになっていた。ミスした際のダメージ=プレイやり直しを軽度のリスクで自らコントロールできる為、死んでもストレスが発生しにくい。ステージ制のようにマップにわかりやすい区切れがないゲームなので、オートセーブという手段ではセーブされたタイミングが解り辛くなる可能性を思うと、誰にとっても最適解かはわからないが、かなりベターな選択肢に思える。

 そして、死んでもとにかくリスタートが速い。一瞬で始まる。ミートボーイのようなフラッシュゲームな絵面でも、マイアミのような8bitアートでもない豪華なビジュアルなのに、かなり速いリスタート。素晴らしい。もし、いちいち失敗の余韻と共に死にアニメーションを見せられていたら、怠くてやってられなかったに違いない(重い死を感じる演出が常に問題とは思わないが)。ありがてえ。

 

ステージがボス

 死にまくりながらストレスが少なく、美しく凝ったビジュアルで、快適なアクションが出来る最高のゲームだが、個人的に惜しいポイントがある。

 それはボス戦がない事だ。

 いや、一応あるにはある。序~中盤に1回2回くらい。しかし、ボスと言うにはしょぼいし、雑魚っぽく何度も登場するため、豪華な他部分を考えると、ちょっとした障害程度のイメージになってしまう。

 ボス代わりとでも言うように存在するのが、節目で発生するスクリプトイベントだ。


Ori and The Blind Forest - Ginzo Tree [Escape ...

 この脱出シークエンスでは、一切セーブが出来ない。最高のBGMで気分をめちゃめちゃに盛上げてくれるが、そんなどころではないくらいに難しい。と言うか、初見でクリアさせる気がない。最高のBGMが何度も中断されて何度も再生され直してますけど!まずどっちに、どのように逃げれば良いか考える事もままならない。

 普段のパートは、よっぽどエナジー上限を取り損ねない限り、小まめなセーブがほとんどいつでも可能でとても現代的だ。しかし、脱出シークエンスのみは、突然スーファミ時代のような牙を剥いてくる。2度目の脱出シークエンスで気付いた。これ、このゲームにおけるボス戦なんだと。

 いや、まぁ無理にボス戦がある必要はないんだが、機能としてって事。山場を盛上げ、立ちはだかる強力な障害として象徴させつつ、討ち倒した際にはカタルシスを提供する。

 本ゲームの脱出シークエンスはまさにボス戦と同じだけの機能がある。ダイナミックに崩壊しまくるステージをそこまでで培ったスキルを駆使して駆け抜け清々しい脱出を迎える。動画見ると一瞬だが、プレイしているといつ出口なんだいつ終わるんだ!なんで今の失敗なんだよ!クソッタレ!と呪詛の気持ちがどんどん積もった。超速のリスタートのおかげでムキになって猿のように走り続けた。そして、脱出を成し遂げた時は必ず「よっしゃ!!」と快哉を叫んだ。最高のゲームだと思った。

 しかし・・・やっぱりクリアして振り返ると、ボスらしいボスが欲しかったと思ってしまうのだ。そういう物語ではないんだろう。開発は、誰かと戦って倒して解決するような物語を提示したくなかったように感じる。しかし、これだけのビジュアルを作れるチームなのだから、そんな人たちが作ったキャラによるボス戦をプレイしたかったと思ってしまう。これだけ贅沢なゲームに、更に贅沢な望みだろうか?

 

ビジュアルのデメリット

 不満についでに、我慢ならない事はないが、不満点を書く。

 数か所、美麗で雰囲気たっぷりな反面、オブジェクトの機能が解りにくいところがあった。

 絵として記号性が低いデメリットだろう。まぁ針山くらいなら当たってダメージを受ければ見落としていた事に気付くのだが、ジャンプポイントに重なるように手前のオブジェクトの影が重なっている箇所があったり、打撃ジャンプが可能なオブジェクトが一見して解り辛いかったりする。

 最後の脱出では、正しいルートがしばらくわからなかった(それでもとりあえず突撃を繰り返すうちに解ったんだけど)。打撃を使ってみれば打撃が通るか判別付くが、切羽詰まった状況では瞬時に気が回らない。そこまで脳のキャパないんだ俺。打撃可能なオブジェクトは接近したら特定の色に変化するなど、もう少し解り易くしてくれたら良かったかも知れない。

 

少し解りにくさを感じるテキストと物語

 あともう一つ、贅沢ついでに言えば、ちょっとテキストが解りにくい。

 翻訳の問題なのかも知れないが、名詞・代名詞がふわふわ変わってややこしい。

 雰囲気があるのは良いのだが「彼女=クロ」である事や、「カオナシ=ナル」である事がさっと把握し辛く、結局、精霊樹が光を放った事で何が起こったのか、かつての仲間の死と長老樹の関係性などはよく解らないままだった。厳密な設定の提示が不要と判断したのかも知れないが、他が手抜かりなく仕上がっているのを思うと、勿体なく思えてしまう。

 雰囲気だけでも充分グッと来る物語だったので、これでより解り易かったらなぁと。

 

贅沢な気持ちにさせてくれた一品

 難易度は高い、と思う。人によっては死にまくりが嫌になったりする事もあるだろう。攻略を補助する要素はたくさんあるが、レベルを上げて物理でなんとか出来るようなゲームではない(防御アップはかなりでかいが)。

 目を引くグラフィックや雰囲気から手に取った後、待ち受けているのはガチガチのアクションである。アンビバレントな出来は、悲劇も生みかねない。

 しかし、常に丁寧が仕事が光っている。

 快適に駆け回り、アクションで腕を試され、ほんの少しのパズル要素で頭を捻る。

 見れば背景はいつも美麗でため息が出そうだし、オリのアクションは躍動感たっぷりで小気味良い。

 脱出シークエンスで歯噛みさせられるが、その壁を乗り越えた時には思わず快哉を叫んでしまう。

 思い返していると「最高だ」という言葉が思わず口から出てくる。

 アンビバレントな出来を受け入れた人間にとって、これほど良い物もない。

 一重に、難易度が自分の腕に噛み合っていた事が大きいと思うのだが、良いカタルシスを味わえた。

 Moon studiosの次回作にも期待*1

 希望を好き勝手言えば、次はハードコアSFなビジュアルでメカをガシガシ破壊するような物を作って欲しいです。

 

 

今日は以上。

*1: FPSとオリしか作っていないので次にどういうゲームが飛び出すか予測がつかない点でも楽しみ