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ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「大逆転裁判」ネタバレ感想

 お盆休みにADVゲームをしこたまやるぞ!と思っていた。俺です。

 予定では4本くらいクリアする予定だったんだけど「アーカムナイト」を再プレイしたり、アップデートを確認兼、ニューゲーム+に備えて「ウィッチャー3」の取りこぼしを漁っていたらお盆休みが終了していた。休みが続くのは人類大半の夢なはずなのに何故終わるんだろう・・・。

 

クリアした2本のネタバレ感想

 予定通りではないものの、「大逆転裁判」「Everybody's Gone to the Rapture」の2本をクリアした為、感想を書く。

 尚、2本共に、ネタバレ回避が面倒臭いので、思いっきりネタバレで書きます。


ニンテンドー3DS『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』発売記念映像 - YouTube

 

久しぶりの逆転裁判 

 まずは、久しぶりにプレイした逆転裁判シリーズ最新作の感想。

 

 逆転裁判シリーズは順当に3まで遊び、その後は全く手をつけていなかった。

 理由はシンプルで「システムは大して変わっていなさそうだし、しばらくはこの味は充分」と感じたから。その為、逆転裁判4・5は遊ばず。1・2・3はDSで再プレイしたが、それにしても7~8年ぶりの逆転裁判となった。

 今回は、舞台も設定も一新という事で久しぶりにプレイ。

 

ネタバレ前提のプレイ感想

 ネタバレアリで書くと予告しているし、遠慮なくネタバレな話を始める。

 「大逆転裁判」は思いっきり途中で終わる。第1話時点で張られた伏線も回収されないまま、終了する。

 また、以下は全て、多数の伏線が回収されない事を知った上でのプレイ感想になる。

 提示された謎や気になるポイントが余さず回収されてスッキリ!というミステリー的なポイントを前提に見ると随分色んな謎が提示されたまま終了している。

 自分の場合、Twitterで途中で終わる事を知った上でのプレイとなってしまった訳だが、その前提で見て行くと、消化不良な箇所は、今後シリーズを描いていく中で徐々に紐解かれ、エスカレートしていく下地を丁寧に作っているようにも思え、途中で終わると知っていたお蔭でそこにガッカリする事はなかった。

 と言うか、続編前提の内容という事を、プレイ前に知っていて良かったとさえ思う(まぁ、知ったの買った後だったけど)。「大逆転裁判・前編」あるいは「大逆転裁判・序章」らしいと知っていたおかげで、それを踏まえて楽しめたのだから。

 

ケレン味を抑え、重厚さを増した内容

 舞台となる時代を変え、心機一転、これまでのシリーズを知らなくても楽しめるように作られた本作。

 変な人たちが大量登場する現代劇から、時代も舞台も変えた事で、演出の方向性もさじ加減が少々変わっている。

 本作にも脂っこいキャラクター達は登場するが、二重人格の如き顔芸は控え目。ギャグとしか思えないキャラクターは殆ど登場せず、愛嬌のある変な人たちという程度に抑えられている(あくまでこれまでのシリーズと比較した、個人的印象の問題だが)。物語のテンポも、じっくりとした歩調で、落ち着きのあるテンポになっている。

 

グラフィック

 素晴らしいグラフィック。イラストの印象そのままにキャラが動く。

 芝居、動きのキレも素晴らしい。特に女性陣の微妙の表情の変化などが抜群で目を引く。

 特に立体視が必要なゲーム内容ではないのだが、目が疲れるのも厭わず、8割くらいは立体視でプレイした程、立体対応も見応えがあって素晴らしかった。

 

長いドラマの1~5話

 「弁護士として大事なものとは?」という命題に対して、主人公龍之介が答えを出すまでのドラマ以外、ほとんどは宙に浮いたままとなっている。

 第1話、冒頭から置かれたままで消化不良な謎もそうだし、亜双儀、ホームズ、アイリス、バンジークスなど主要な登場人物達との間に見え隠れした因縁や謎もまだまだ見えないままで、今後、それらがどのように描き出されていくのか、という期待感は充分持てる内容だったと思う。

 逆に、本作での事件内容が若干弱いのも、「大逆転裁判シリーズ」として全体のバランスを考えたものであるなら、今後に期待したい。むしろ、そうであってくれなきゃ困る。

 

ドラマの煽りを食らったキャラ、バンジークス卿

 続編前提の物語を、一旦良しとして呑み込んだ上でプレイしても尚、残念に思うのは、バンジークス卿の扱い。

 バンジークス卿は、本作でのライバル検事のポジションであり、個々の事件を犯人と共に盛上げる重要なキャラクターである。

 ただ、それにしても、バンジークスはキャラクターが弱い。はっきり言えば大人しすぎて存在感が薄い。行動の主義・信条が不明なのは次作以降で見えてくる予定・・・なのだろうが、初戦の定番キャラとして歴史を背負った分、亜内の方が盛上げ役として仕事をしていたように感じるのは辛い。

 続編以降で掘り下げが行われていくのだろうが、他のキャラ(スサト、ホームズやアイリス達と違って)今のところ魅力が見えないのが不安。

 

丁寧だが辛いテンポの演出

 ここからは、続編どうこうと関係ない話。

 今作は従来作より落ち着きのあるテンポ・・・と書いた。多くのテキストの表示テンポは、多彩で楽しいキャラの芝居と噛み合うように調整されており、作り込まれたテキストと絵の演出は職人の仕事ぶりを感じる。

 しかし、その一方で、流石にテキストの表示スピードがゆっくり過ぎて辛い。本筋には関係ない箇所までしっかり作られているのは好印象なのだが、一部の通常会話(オブジェクト調査など)や、繰り返す演出(有罪無罪宣言)の部分で、冗長さを強く感じてしまった。

 また、映像的な演出部分の多さか、そもそもテキスト分量が多いのか、1話当たりが長い。とにかく長い。フラグ立てと辻褄の為に場所を右往左往するシーンは少ないが、一点での一幕がとにかく長い。

 テキスト早送りは初回プレイ時から可能なのだが、せっかく丁寧についた演出・芝居を見たい、という気持ちと、なかなか話が進まないもどかしさが喧嘩し始める。

 調査パートでの面倒な移動がないのは嬉しく(あの右往左往最悪)、その部分は各パートを濃厚にしつつダレ場を避けているというのに、肝心のパート単位での展開が部分部分で冗長となってしまっている。

 移動前や、会話の終了部分などを丁寧に演出しているのは、ゲーム的不自然さを緩和しようという狙いがあるのかも知れないが、行動の自由が制限されていたり(過去作のそれは捜査遅延の自由にも近かったが)、単純にテキスト量が増加=芝居演出の増加によって物語自体のテンポを悪くしている。

 間合いを大事にした演出と話運びそのものは、本作での新たな調子であり、細やかな仕事に手抜きは感じられない。が、GBA時代よりも確実間延びした進行テンポに「あと少しテキスト表示速度や、二度目の芝居モーションが素早ければ、もっと軽妙サクサクとゲームを楽しめたのにな」という思いは最後まで拭えなかった。

 

実験劇場は楽しかったが大陪審はまだこれからか?

 新要素について。

 ホームズとの共同推理、論理と推理の実験劇場は楽しかった。謎の提示と解決が最短で連続する快感は、小気味よりカットシーンも手伝ってかなり良い。すぐ答えの見える単純な作業だが、ちょっとしたリフレッシュとしていい感じに機能していると感じた。何より、ホームズの迷推理っぷりがよく出来ていると感心する。偽推理としての出来は全くどうでもよくて、ホームズのこじつけな斜め上の想像力が楽しい。ただ、それでも、目立つ演出の繰り返しになってしまっている為、全体にもう若干、テンポアップして欲しかったのは否めない。これは他の箇所含めて、ゲーム全体に言えるんだが。

 大陪審については、登場キャラを増やして(その分話も間延びしている)労力がかかっている割に、周りくどく手がかりを分散させる機能しか見出せなかったのが残念。陪審員の心証をコントロールするような内容なのかな?と思っていたせいで肩透かし。感傷で左右される裁判を、論理で説き伏せて行くような印象が強くなれば痛快なのだが。

 議論を「矛盾を暴く」という一点に集約させているのは、そもそも逆転裁判の白眉なのだが、その事が大陪審システムの足を引っ張っているようにも感じてしまった。

 続編ではもう少し有効に機能していれば良いなー。

 

個々の事件、謎解きについて

 事件内容自体は、全体にまるっと解決するものが少ない。

 事件内容、犯人自体は明確になるが、事故や動機不明の事件が半分以上を占め、明確な悪意を持って犯行に至ったとその場で判明する事件は最終話のみ。しかも、犯行の自供と動機の解説によって、徹底的な悪を断罪するような描写や展開は、あえて避けたかのように思える*1

 「正義は勝つ!」という爽快感より、もっと現実的にままならない事件性を重視したように感じる。トンデモアイテムも登場するが、実証不能であれば使えないなど、飛び道具は抑え目だった。まぁ、それにしても、4話の真相などはリアリティー皆無の為、なるべく現実味を増したトーンにしたかったのであれば不発の感もあるが。

 今後、徐々にエスカレート(荒唐無稽になるのかはともかく)すると思えば、今作より地味な事件はやりようもない気がするので、次作ではどんどんやっちゃってくれ、という感じ。

 爽快感の点では、多少食い足りなくなってしまったが、次回作以降でより「この新しいトーンだから出来るようになった話」で「よりエスカレートした事件や展開」見せてくれるのなら特に文句はない。

 当面、満たされなかった、そっち側の成分は、最悪、逆転裁判1~3を再プレイすれば良い。逆転検事はプレイしていないし、それをやってもいいかな。

 

続編前提、序章と見れば楽しい物語だが

 全3部作・・・というような映画やゲームの是非は一旦横に置き*2、長いドラマの序章として遊んだ自分とすれば、充分楽しい物語だった。続き物と解っていれば、色んな消化不良は当然でもあるし、番組の途中で評価を下すのは好みじゃない。

 一方、単品のゲームとして、新システムなどを中心に見ると、片や共同推理は楽しく、片や大陪審は見た目以上の工夫が足りなかったように思う。

 また、テキストの全体を通したテキストテンポを上げたり、あるいは、映像による演出テンポをもう少し早める場面を増やしたり、強弱をつけて、サクサク読めるところと、間合いを取るところを切り分けて欲しかったようにも思う。

 

最高のBGM

 さて、いいところと悪いところみたいな話をさんざん書いたが、そういう事はどうでも良くなるほど最高だったのが、BGM。

 これ全編BGM滅茶苦茶良くないですか。

 さりげない違いが沸々と感情を盛上げる共同推理のBGM2種とか、ほとんどかからないだけに、バーンとかかると最高にテンションの上がる大逆転時のBGMとか。この半年くらい聴いたゲーム音楽の中で一番好き。このBGMだけでこのゲーム最高だと思う。

 

海外ドラマの来シーズンを期待する感じで

 シリーズごとに全力投球した結果、次回作ごとにエスカレートしたり、整合性を取ることが難しくなった逆転裁判・本シリーズに対して、今回の大逆転は最初からシリーズ化を前提に構成・制作している(でなきゃとんでもない大馬鹿だ)。

 結果、その弊害も散見される一方、次回作以降こそ、お楽しみが待ち受けているようにも思えた。あと、バンジークスの言動からして、大陪審というシステム自体を利用しながら、陪審の弊害がテーマになった事件が絶対出てくると思うのよね。その為の大陪審という気もするし、それが気になる。

 見始めてきっちりハマったけれど、次回シーズンがまだ日本で配信されていない海外ドラマの続きを楽しみにするが如く、続編をまったり待ちたい。

 

 

 

次は「Everybody's Gone to the Rapture」の感想。

*1: 個人的に、解決の為の道具として以外に「動機」には興味が無い為、最終話の供述シーンはいらなかったのでは・・・と思ったが

*2: 正直、その手の映画やゲームの告知を見ると、若干げっそりする方ではある。