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ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「メタルギアソリッド5 ファントムペイン」ネタバレ感想

メタルギア 感想 TPS アクション

 メタルギアソリッド5をクリアした。俺です。

 今日はその感想。

 尚、物語について言及する箇所はネタバレで書く。

 

プレイ状況

 クリア率は58%で、エクストリーム(高難度)などの特殊条件ミッション以外となるメインミッションは全てクリア。

 マザーベース開発状況はいくつかが3レベル止まり。武器開発も300個に届いていない状態。

 FOBについては2~3プレイしていない為、ほぼシングルプレイについての感想。


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シリーズ初のオープンワールド

 本作ファントム・ペイン(PP)は、メタルギアシリーズのおいて、初のオープンワールドを謳っている。

 メインミッションにおいては、ミッションエリアが区切られ、「オープン」かどうかに疑問を残すものの、シリーズ過去作と比較すると、攻略の自由度は飛躍的に向上しており、サンドボックスゲームとして申し分ない出来となっている。

 前日譚であるグラウンド・ゼロズ(GZ)は、ステルス特化のオープンワールドというのが、自分には見え辛かった。GZの舞台が島という閉鎖環境であり、時間・天候による環境変化がなく、各種武器開発などがない為に、近接戦闘の選択肢が少なかった事が大きく影響していたように思う。

 しかし、本編であるPPでは、広いマップと、時間経過による環境の変化が入った事で、オープンワールド=変化する環境によってアドリブを求められる場面が発生、それに対応して、ピースウォーカーシリーズで実装された基地拡張と武器開発の要素が強化された事により、環境への対応幅が飛躍的に増えて別物と思えるまでの楽しくなっていた。

 

良い緊張感と敵兵士の反応

 ベースとなるステルス=潜入ゲーム、もとい、かくれんぼゲームとしての出来はほぼ同じ。しかし、広大なマップ環境が用意された事で、対応して、今作は様々なアレンジが施されている。

 広いエリアに展開する敵部隊をプレイヤーが把握し続ける事は困難。その為、双眼鏡などを通して確認した兵士に、マークをつける事が出来る。一度マークした兵士は、動きさえ止めていれば遮蔽物越しにも姿を確認出来るようになる。

 また、マザーベースの諜報班が強化されるに従い、事前の自動索敵も強化される。詳細位置は不明なままだが、兵士の配置予想が絞り込まれる為、余程不用意に行動していない限り、遠距離から不意に発見される事はない。一方、この事前索敵は、マップを開かなければ確認が出来ない。これまでのシリーズのようなミニマップは存在しない為、ほぼミニマップを見ながら行動するようなプレイ=没入感とゲームプレイが喧嘩するような構造になっていない。

 プレイヤー側の強化だけでは簡単になり過ぎる為、敵兵士側も強化されている。

 今作の兵士はこれまでのシリーズからは考えられない程、視覚が鋭敏となり、連携行動もかなり自然になっている。しゃがんだ姿勢による移動でも、かなりの長距離から不審を認めてくるし、近くに仲間が入ればツーマンセルによる確認行動を行う。うまいのは、あくまで遠方まで不審を感知できるだけ、という点で、目立つ格好をしていたり、立って移動していない限り、即交戦状態になる事はない点。適度な緊張状態や、敵の索敵に対する脅威の印象は強めているものの、落ち着いて対処すれば結構やり過ごせるケースが多い。

 視覚は鋭敏になっても、聴覚については相変わらず鈍い。接近した後の拘束尋問は音を立てない設定らしい。すぐ真後ろで味方が拘束・尋問されても、相変わらず全く気付く事がない。接近するまでが難しい分、尋問で資材位置やマークしていない兵の場所を割り出せる事を含めて、ショートスパンでの達成感が、ステルスプレイを楽しくしてくれている。

 これまでのシリーズは、敵兵士が本当に鈍く、グラフィックの現実性とバランスがとれていなかった(その点を補うように入っていたのがお遊び要素だと理解している)。ただ視覚を鋭敏にしてしまっては難易度が上がってしまうし、殺傷推奨ゲームのようになりかねないのを嫌ったのだろう。

 今作でも、基本的な要素は同じだが、アンリアルな挙動は大きく緩和されている。この敵兵士の鋭敏さは、難易度が上がった印象はあるのだが、オープンワールドという環境変化と各種補給システムの使い方次第でいくらでも攻略方法が見出せる為、見事な調整だと感じた。

 

途中補給によって増す即興性

 戦地の状況は時間・気候によって変化していく。状況次第で敵兵士の反応範囲は変化していく為、それに合わせてプレイヤーの側でもある程度対処を変えなければいけない。砂嵐や雨の間なら、素早く動いても敵に音でバレる事はない。陽が落ちて視界が悪くなったら確認されにくくなるが、こちらも敵などを視認しにくくなる。基本はこれまでと同じだが、臨機応変に考慮すべき状況が増え、シリーズに馴れてしまった自分でもアドリブ攻略を楽しめた。

 また、マザーベースによる支援の増強によって1ミッション全体でもアドリブが重要になっている。マザーベース増強によって増える兵装バリエーションは、ごく一部の状況を除き、いつでも補給が可能となっている(物資到着までのタイムラグはあるが)。増援の戦車に対応する為にロケットランチャー補給を要請したり、ロケーション変化に合わせてカモフラージュを確かにするため、別の潜入スーツを要請したり…。自らの装備を変えるだけでなく、バディを変えたり、ヘリによる支援攻撃要請、あるいは各種ヴィークル(戦車)などを要請して縦横無尽に行動が出来る。単独による潜入が可能なだけではなく、ミッション中にも、一人で戦っているのではない点を強調する要素が多く追加され、その数も膨大。強い武器ほど使用コストがかかる為、グレードの低い武器に活用方法がなくなるという事もないのも好感度が高い(お金稼ぎプレイが苦痛な自分のような人間には特に)。

 中盤以降、ミッション自体もそれを促すように、途中で状況の変わるミッションが増える。ヘリを改造し、タイムラグを極力減らして変化する環境に即応するのは楽しくてしょうがなかった。

 

広いマップとビジュアルの充実、なのに軽い動作

 素晴らしいのは、これだけ広大なマップと高品質なビジュアルに関わらず、60fps近くをキープし続ける点。

 焦点ボケ、モーションブラー、各種エフェクトなどが豪華な為、場面によっては多少fps落ち込みを感じたものの、ほとんどの場面でかなり快適に動作する。単に作り込まれたグラフィックというだけなら、本作を凌ぐ密度や画面を持ったゲームは存在するが、ここまでの安定性・快適さに、触り心地の気持ち良さをしっかりと備えているのは素晴らしい。

 

生きた環境としては弱いマップ

 ステルス側から見ると、オープンワールド、もとい広いマップの意義は充分と感じる、一方、環境シミュレーターとして見ると、本作のマップはかなり弱い。

 戦地が舞台になっているとはいえ、一般人は一切登場せず、ミッションに関わらない突発イベントなどはない。駐屯している兵士達の巡回行動はシミュレートしているものの、生活を感じるまでは行っていない(例えば兵士たちは食事を取らないしトイレにも行かない)。野生動物たちとの遭遇はあるが、キャラクターとして登場するバリエーションや頻度はかなり少なく、記憶に残っているのは羊、ロバ、烏ばかりだ。トラック定期巡回を行う兵士や、種々のランダムっぽい天候変化などに「らしい部分」もあるのだが、長くプレイしていると徐々にその奥行の無さが引っかかり始める。

 ヘリ移動時に聴くテープも尽き、ただぼんやり待つランディング待機時間が煩わしくなるに従い、そうした側面がクローズアップされるのは贅沢なのだろうが…やはり惜しいと感じてしまう。

 

テープによる語りの切り離し

 本作は、これまでにない程シリアスな状況を描き出しており、演出のトーンも相まって、陰鬱な物語となっている。

 シリアスな問題を茶化さない為なのか、それともグラフィックがより現実的になったからなのか、超能力や超技術など、トンデモ要素これまで同様登場するものの大人しく、これまでのようなコミック調な演出や、ある種漫画的な説明セリフからは距離を置いている(その代わり、情緒的なセリフが多いんだが)。既存シリーズのように、イベント・無線会話などで説明セリフの応酬を行い、それによって随時設定や状況を説明していく語り口は使っておらず、ほとんどのイベントは行動メインで進行する。

 複雑な状況・設定は相変わらずな為、イベントシーンのみでは、説明不足になりかねないし、大量の薀蓄というメタルギアの楽しみもなくなってしまう。

 そこで説明セリフの代わりに大活躍するのがテープだ。

 とにかくテープによる会話量が尋常ではない。お遊び要素の強い無線などは激減したが、「任意のタイミング」で「選択的に聞ける」会話テープが相当な物量が用意されている。

 これによって、イベントでは、シリアスで新しいトーンのメタルギアを語りつつ、一方、テープによって、従来のようなメタルギアの語りを可能にしたのだろう。

 個人的には、メタルギアシリーズにおける説明セリフの応酬に対して、そろそろ何とかならんのだろうか、と思っていた為、ついに解決する気になった事には感心したのだが、肝心の物語が不発の為、どうも素直に喜べなかった。

 

プレイヤーになれない中途半端なヴェノム

 正直、今作の物語はえらく中途半端だった。

 と言うか、何が言いたいのかよく解らないまま終わったと言うか…。

 特に引っかかるのが、ビッグボスのファントム=ヴェノムの物語における中途半端さ。

 ビッグボスの入れ替わりは、バレバレで、何の違和感もなくプレイ出来た人の方が少ないだろう。よって、何かもう一つ仕掛け、あるいは裏があるかと思っていたのに、それもなくゲームは終了する。では、偽物が次第に本物となり輝く…というような話なのかと言うと、そのようにも感じられなかった。

 これは勝手な想像だが、本来のPPが目指した形は、プレイヤー自身がもう一人のビッグボスになるゲームだったのではないだろうか。

 新しいトーンの語り口を目指したというだけでは、ここまで無口かつ、主体性のないキャラクターにした意味が解らない。

 とは言え、上記は所詮「自分はそう考えれば多少納得出来る」というだけの話でしかない。実際には、ヴェノム・スネークに感情移入する事が全く出来なかった。ビッグボスではないと解っている、しかし、物語上の選択がプレイヤーに与えられる訳ではない為、自分の分身とも到底思えない。問題を先送りし、放置し、勝手にサヘラン回収するし。俺はそんな事しないぞ。そもそも、大塚明夫さんの声でしゃべるし…。残る感情は「一体なんなんだこの人」という気持ち。

 主役に感情移入出来ないだけでなく、敵方であるスカルフェイスの理念も解りにくい。対話シーンにおいて、背景は語られるが、いくつかの陰謀を結ぶ線も、オセロットの予想によって語られるのみ。いまいち納得感が弱い。

 土台となるゲームプレイは面白いものの、乗り越えるべき障害=ボス戦も少なく、大半のボス戦がキャラクターの見えない相手(喋らない、あるいは、意志がない)ばかりで、解り易い盛り上がりがない。突発的な事故のようなイベントが連続して、結局、物語に乗って行けないまま終了してしまった。特に自分はボス戦至上主義なので、キャラの立ったボス戦の少なさが痛かった。

 尚、本編に収録されなかった未消化内容(映像のみのEP51含めて)や、シリーズとしての整合性については、個人的には二の次で割とどうでも良かったりする。4までの時点でも充分に無理のある部分が多いし、結局のところ、どのような追加があっても、完成した本編までの時点で惜しいと感じた点を覆せはしない*1

 

失速するミッション

 物語と共に、ミッションも失速していく。

 マップや施設に新鮮味があるうちは良かったが、中盤以降、ミッション内容は徐々に似たような回収・確保の任務が増えてくる。なんとかバリエーションをつけているが、難敵と言えばスカルズばかり。2章以降は、完全に同じロケーションばかりになってしまう。

 それでも核となるゲームプレイは楽しかったが、充実した土台作りに成功している分、見合った上乗せが出来なかったように思え、実に惜しい。

 物語の扱う題材が非常にシリアスな為、これまでのようなお遊び要素が少ないのはしょうがないと思う一方、カズのハンバーガーネタなどを聞いていると、単に制作が逼迫して、ミッション同様、上積みが出来なかっただけのように思えてしまった。

 

オマケのFOB

 一応、FOBについても書いておく。

 先日のアップデートと前後して、オンラインは多少繋がり易くなった為、少しだけプレイ。

 他プレイヤーのマザーベースに侵入するFOB戦は結構楽しい。

 敵地で敵兵士・資源を回収しつつ、迎撃に来る敵プレイヤーに怯える緊張感はなかなか。潜入側はコソコソする必要があるが、迎撃側は大暴れして良いので、相当ステルスの腕が問われる。自分は全然無理でした!!

 ただ、侵入するまでがいまいちかったるい。接続待ちや、侵入相手を探すのが微妙に面倒な上、一度侵入すると、サブOPS中でも関係なく攻め込まれるようになり、正直攻められると迎撃が邪魔くさい。

 兵士・資源の奪い合いをするより、ミッションを攻略する方が稼ぎやすいのもあって、熱心に攻め込む気になれなかったのが正直なところ。オンライン対戦をするにしても、FOBはオマケ程度と割り切り、メタルギアオンラインの開始まで待った方が良さそうに思う。

 

ゲームプレイは過去最高だったが

 生きた環境ならずとも、広大なマップだからこそ可能な遊びを盛り込み、ステルスプレイを豊かにしてくれていた。バディ・支援ヘリ・マザーベース拡張によってパワーアップしたゲームプレイは楽しく、メタルギアらしいまま、見事に新しいステルスプレイを提供してくれた。

 徐々に弛緩しつつあった潜入の緊張感は見事に蘇り、それ以上の遊び応えを提供してくれている。

 しかし、それだけに、他の点における密度不足が勿体なく感じる。

 中盤ミッションを引っ張るボスキャラがあと1人2人いれば、各種状況で無線をかけるともっと無駄話が聞けていれば…。基本的な遊びに関わる部分が非常に楽しいだけに、更に良くなった可能性を見るほど、惜しいという気持ちが残った。

 

 

 今日は以上。

*1: ビッグボスが云々については、これは彼の物語ではないと諦めざるを得ない。最終ボリュームに合わせて間延びさせているミッションを削除・調整し、キャラクターを追加して盛り上がりの起伏をつけ、更にヴェノムがペルソナ以上のキャラクターとして行くところまで演出し、ついでにアウターヘブンまでの道筋をきっちりつけてくれれば自分としては大満足だが…無茶な理想過ぎる。