連続感想。
去年リリースされた「UNDER TALE」の感想です。
なにを書いていいやら脳内まとまらず、そもそも俺がゴチャゴチャ文字を並べる意味あるんかな?とすら思うんだけど、書いてみる。
先に書いておきますが、ネタバレは一切してません。
トレイラーのみ貼りましたが、興味が出たらとにかくプレイしてみて欲しい。動画で済ますのはほんと勿体ない。
あと、DLC販売されているサントラは、プレイして気に入ったら多分欲しくなると思います。
プレイ状況
steam版で、非公式日本語パッチ(自己責任)を当ててプレイ。
2周クリア。3周目プレイ途中で、プレイ時間は約20時間。
そりゃ「圧倒的に好評」だわ
去年9月にリリースされて以降、タイトルだけは色んなところで聞いた「UNDER TALE(アンダーテイル)」。
公式が「日本語対応がんばるよ!」とコメントしていた為、待っていたが、待ちきれない有志による非公式日本語パッチがほとんど完成していたので「ああ、俺も待ちきれなかったよ、ありがとう…」とかなんとか言いながらパッチを当ててプレイした。
「RPGが好きなら、とにかくプレイしてください」以外の言葉がない。
そりゃ「圧倒的に好評」だわ。
ゲームで、こんなに心をかき乱され、癒され、揺さぶられたのはいつぶりだろう。
かつて遊んだRPGで感じた感動を凝縮し、形を変えより強烈にぶつけられるような。
とにかくやられてしまった。
よくあるレトロRPGっぽいやつじゃないの?と思った人には「その範疇におさまらない」と言いたい。
5時間~10時間~15時間程度の濃密な旅路。そんなにお時間取らせません!!是非よろしく。
弾避けバトルと戦闘回避
このままじゃ叙情的な文だけ書いて終わってしまいそうなので、一旦ゲームシステムの話を。
本作のベースはレトロRPGのそれだ。画面イメージから、特に作者も影響を隠さないマザーシリーズを想像するのは容易。
しかし、戦闘は単なるコマンド式じゃなく(マザーも2以降、ちょっと違うっちゃ違ったが)、特に敵からの攻撃時に、シューティングゲームの要素が掛け合わされている。
敵の攻撃時、ハート型の「自機」が表示され、敵からの弾が襲いかかる。その自機を操作して弾を避ける。全弾回避すればダメージはゼロに抑えることが出来る。被弾した時だけ、初めて通常のRPGのようにダメージを受ける、という塩梅。
シンプルながら、このシステムが戦闘を非常に楽しいものにしてくれている。いやいや弾幕シューティングゲームほど難しくはない。一発食らったら終了という訳じゃないので。シューティングに興味ない人が同じような弾避けで飽きるという事もない。驚くほど、色んな弾が、色んなパターン繰り出されるから。敵の容姿によって弾のデザインは変わるし、雑魚敵すらほとんどは2パターン以上の攻撃方法を繰り出してくる。しかも進行に合わせて、ちゃんと徐々に難しくなる。すごい。
また、戦闘に会話・交渉要素があるのも特徴。
戦闘は、敵との会話によって戦闘を回避したりすることが出来る。この会話内容が豊富で非常に細かい。雑魚ごとにリアクションありただの雑魚にも色んな感情が見え隠れして楽しませてくれる。
強烈にいいBGM
このゲーム、本当にBGMがいい。
プレイして以降、ずっとこのゲームのサントラばかり聴いている(無人の荒廃した惑星で建設するゲーム「Factorio」を遊んでる最中すら聴いてる)。
ファミコン風味に始まりゲームの進行に伴って音楽が豪華になっていくのも気が利いている。シンプルにカッコいいバトル曲群に、ダンサブルな曲やかわいくてマヌケな曲、アンビエントなものまで、バリエーションも非常に豊富でどれもこれもいい。
全101曲、これがあなた、950円ですよ。最高だぜTobyFox!
※※メチャクソいいんですが、どうせならゲーム中でBGMを聴いて欲しいと思ってしまったので、動画は貼りません。
抜群の演出と、てんこもりの愛情
プレイしていて驚くのが、アイデアの豊富さ。
先に書いた敵との戦闘・会話内容もそうだが、とにかくネタの弾数が尋常ではない。敵の攻撃種類、イベント、パズル、ギャグ、どれもが尋常ではない密度で襲いかかる。マップはほぼ一本道に近いが、それゆえに、緩急の付け方も抜群(一部、須田ゲームでただ歩くだけのシーンを思い出した)。
演出も抜群だ。RPGというジャンルを逆手にとった演出だけでなく、普通にプレイヤーを引き付け、揺さぶり、恐怖させ、感動させる手管がまず半端ない。プレイしていた何度ブルッとしたことか。
この絵なのにだよ??
でも表現力が半端ない。そして、クリアすると最早この絵でよかった、この絵がよかったと思ってしまう。
ゲームに込められた熱量からは、ゲーム自体への愛情をビシビシ感じられてしまう。マザー、東方、マリオRPG、女神転生、聖剣伝説2…インタビューで作者が色んな日本製タイトルを挙げていたが、そうしたてんでバラバラの魅力を持ったゲームを混ぜ合わせて、きちんとバランスを保ったゲームになるとは、TobyFox氏おそるべし。
豊富なアイデアと、演出力、バランス感覚によって、レトロRPG、日本製ゲームへの素晴らしいオマージュ以上の出来になっている。
最高でした
プレイしていない人にはなんのこっちゃなことも書く。ネタバレはしていないが。
先にも書いたように、色んなゲームの影響を隠しもしない本作だが、特に強い影響を感じるのがマザーシリーズだ。
本家マザーシリーズは、ちょっと変なRPGだ。マザーでしか味わえない感覚や景色があることに揺らぎはない。しかし、マザーの基本は、あくまでコマンド式RPGの形態からはみ出ることのない、「敵と戦って倒すゲーム」だ。特に、「戦うしかない戦いの結果を見せる『マザー3』」に対し、本作「UNDER TALE」は、痛烈なアンサーとなっているように感じた。
作者が意図して仕掛けたのかどうかはわからない。でも、そう感じたと同時に、そんなことと関係なく、RPGとして滅茶苦茶面白くて、RPG好きだからこそ転倒する価値に眩暈し、そして物語のひとつの帰結に、ただただ感動して泣いた。最高でした。
これをほぼ一人で作ったって信じられねえな…。
もっと色んな人に遊んでみてもらいたい
このゲーム、任天堂ハードへ移植されるという話も出ているらしい。
具体的には、何も決まっていないようだが、より多くの人にこのゲームをプレイしてもらう為にも、是非成功させて欲しい。
こんなにいいゲーム、もっと色んな人に遊んでほしいじゃないか。
という訳でこんな文章でも読んでちょっと興味出た人、Win版もMac版もあるから遊んでみて欲しい。Mac版は非公式日本語パッチ非公開状態だけれど…(アレをソレすると出来る)。その前に公式の日本語版が来るかも知れないし。
今日は以上。