ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

今更の「デウスエクス:マンカインドディバイデッド」本編感想

 フリープレイで来てた「ディスティニー2」を遊んだら、各種プレイの敷居が想像以上に低くて、野良犬プレイすら楽しい。友人たちがエオルゼアに旅立ったままなので、またみんなと時間が合ったらじっくりやるかー、と思ってたのに、サクサク遊べてしまうので結構遊んでしまった。序盤はスルスルとレベルが上がるし、みんなとやる時は別クラスで改めて最初からやっても別に苦痛ではなさそう。

 とりあえず今は一人でぼちぼち遊ぶゲームでもやろう、ということで「サガスカ:緋色」と並行して、「デウスエクス:マンカインドディバイデッド」を今更プレイ。タイミングを外して、積みゲー状態だったので…。

 

 

 

とりあえず本編をクリア

 デウスエクスシリーズは、サイボーグ化されたことでちょっとすごくなった普通のおっさんアダム・ジェンセンさんが厄介な状況を解決するため、あっちこっちでコソコソして陰謀に振り回されるゲーム。

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 動画はイメージです。

 アダムさんは普通のおっさんベースなのでこのムービーみたいなすごいことはできません。

 リリースから一年以上が経過し、DLCも出揃い切った状態でのプレイ。本編をサクッとクリアしたので、とりあえず、現時点の感想。DLCはプレイ後に別途書く予定。

 どうせ2周目するかも知れんしな、ということで、最低難易度の「ストーリー重視」でプレイ。最低難易度でも結構難しく、ステルスの腕が錆びついてしまっていることを実感した。

 

 

 

一作目をベースにしてオーグメントされた

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 こっちは、ほぼ実際のゲームプレイで構成されたムービー。

 

 2011年に発売された前作「デウスエクス:ヒューマンレボリューション」をベースにアップデートされた内容。海外は2016年発売。

 一人称視点によるステルスアクションメインのRPGで、ほとんどの行動で経験値を取得することが可能。一定の経験値が溜まると、オーグメンテーション(機械による身体拡張技術)を解除するポイントが増え、どんどん攻略の幅が広がっていく設計。

 美術が目に楽しいのも前作同様。生活感=小汚いロケーションと、全編アート空間といった趣の建築意匠はより一層強化され、プラハの街並みは街ぐるみでコンテンポラリーアート状態。状況のバラエティー感を強めたせいか、独特かつ魅力的な明暗の表現という意味では、後退しているが、色彩のバリエーションは広がっており、「黒の闇に眩いオレンジの光」という、前作で特徴的だった色使いも、一部では健在。

 グラフィックは、特に人物描写が大きくパワーアップしている(モーションはまだ生硬いが)。ただ、他のAAAゲームが、フォトリアル方面にパワーアップ著しいのもあって、相対的にそこまで進化した印象はない。

 

 

 

拡張された拡張技術だけど

 ゲームプレイについて。

 全編通してステルスメインで攻略。

 完全な続編。この作品から遊ぶ人のために、前作のダイジェスト映像が収録されている。内容がしっかりまとまっており、ところどころ内容を忘れている人にも丁度いい。

 インターポールに就職したアダム・ジェンセンさん。前作の続きとなるため、スタート直後はサイボーグの全能力が全開となっているのだが、それでやっとアーカムバットマン通常と同等程度で、全能感がまったくないのがすごい。派手な能力使うとすぐ見つかるし。前作だと普通のおっさん状態からスタートして、パワーアップしていく感覚を味わえたため、最終的にはすごく強くなった気になったのに…。と思ったら、オープニング後、また「ほぼ普通のおっさん」になり、やっぱアダムさんはこうだよな、という気持ちになる。

 序盤が終わったくらいで、新オーグメントが解放される。最終的には前作以上に強くなれる…ようなのだが、そんなサクサク強くなる設計になっていないので実感は薄い。ステルス中心で遊ぶ限りは特にそう。新オーグメントは大半、直接戦闘用なので、そちらに特化した戦闘スタイルなら、多種多様な新仕様が活きるかも知れないと思うものの、いまいちやる気にならないのが問題(何故ならすぐ死ぬので)。弾丸種類を使い分けるなど、凝ったことができるが、自分のプレイスタイルでは、全く関係なかった。

 俺つええ!みたいなゲームプレイをさせる気がないのはわかる。が、一作目に続いてステルスノーアラート進行に努めると、オーグメントが地味なのが、このシリーズのいいところでもあり、微妙なところでもある。直接戦闘をしやすいようにしすぎると、難易度が下がりすぎたり、ステルスをやるのがバカバカしくなると思ったのかもしれないが、せっかくの新仕様を積極的に試してみたいと思わせてくれるバランスになっていなかったのは少々残念ではある。

 ステルス用オーグメントは、監視カメラやドローンの無力化は一定時間しかできないし、遠隔ハックもセンサー類にしか使えない。結局クロークでゴリ押すのが楽になってしまっている。拡張の凄みを感じさせる意味でも、クローク以外でも楽させてくれてもいいのになと感じてしまった。

 

 

 

よくできたステージ

 ステージについては、前作同様、多様な攻略を受け付ける秀逸な出来。ステージの一区画がドンと広くなりパワーアップ、攻略手順の幅も大きくなっているように感じる。

 特に、中盤で訪れた団地は、前作のヘンシャをアップデートしたような場所で、猥雑な雑多さ加減、過剰なまでの重層構造、ともに圧巻の出来。広い、でかい、ややこしい!今、何階のどこを移動しているのかさっぱりわからなくなるけど、それすら楽しい、というステージですごくよかった。

 前述のドローンが鬱陶しいのはご愛敬。ちょっとやそっとでは構造を把握しきれない建物は、移動していて楽しいし、構造を把握しなくても、概ね目的地に向かって自由に移動していけば攻略していけるところも良い。

 異常な物量のメールテキストで、見えない生活感を演出しているのも同じ。主な活動拠点であるプラハは、大半の建物内まで作りこまれており、出入りできる居住場所にはほとんどメールなど住民の痕跡がテキストとして用意されている。まともに全部読む人はほぼいないと思われるが、にも関わらず作りこまれているのは偏執的、かつ贅沢。 

 

 

 

贅沢なボイスがもったいない、音量設定

 生活感に寄与する、膨大なメールテキストと同じくらい作りこまれているのが、膨大な会話。ミッション中での会話内容の量も相当だが、NPCの会話量は常軌を逸して多い。街をあるけば、そこかしこで隣人同士、友人同士の会話が聞ける。敵兵の本格的な立ち話の量も相当にある。これは一作目でもそうだったが、NPCの立ち話が、世界観理解を助け、時には攻略ヒントを出す形になっている。本ゲームは、プレイヤーのアクセスで活きた環境を感じさせるような作りにはなっていないが、生活の痕跡=汚れだらけの環境美術に、膨大なボイスがかぶさることで、世界の手応えを感じさせることに成功している(無闇にコストがかかってそうで、うまいやり方とは思えないが)。

 惜しいのは、この膨大なボイスの音量が無茶苦茶なこと。

 ※ちなみに日本語音声しか確認してない

 これは、勝手に聞こえてくる会話だけでなく、アダムとNPCの会話においても同じで、目の前にいるのに音量が小さかったり、逆にめちゃくちゃでかかったりと不規則。一つセンテンスで音量がコロコロ変わらないことだけが救い。突然クソでかい声がしゃべりだすキャラに対策して音量を絞っていると、字幕が出ない仕様のモブ会話は音量が小さすぎて耳を傾ける気になれない。世界への理解をより深めるための会話群が、あくまで作りこまれているな~と感じるフレーバーとして機能するに留まっており、もったいなさ爆発。ほとんど不具合と言っていいと思うが、パッチで修正されるということもなかったのは非常に残念。 

 

 

 

微妙なプロットと、卵を非破壊検査するような物語

 グラフィック、ゲームプレイは前作から順当にパワーアップした内容だった。

 じゃあ、物語はどうなのか。これが、結構微妙な出来。

 まず、キャラクターに魅力がないのがでかい。アダムと結構楽しい掛け合いを見せてくれたプリチャードがいなくなり、インターポールの関係者やハッカー集団のエージェントなどがアダム周辺を囲むが、どいつもステークホルダー以上の関係性ではなく、大したドラマも発生しない。目立ったところでは、上司であるジムに関する選択肢があるものの、無能なジムが相手では、道徳的選択肢を提示する仕掛け以上には感じられなかった。とにかく、ミクロな生活やミッションから、大きな世界を描こうとする試みで手一杯という感じで、余裕がなかったのだろう。

 キャラクター描写・ドラマも微妙なら、プロットの方も微妙な塩梅。前作終盤の全世界オーグ暴走事件によって、世界は、オーグ=機械による人体拡張を行った人に対する抑圧が過剰となり、人類が分断されている状態にある。駅での出入りが象徴的だが、非オーグとオーグで入口すら分けられている。そんな状況で、オーグ非オーグの対立を構造化するような事件が発生し、その真相を追及するべく、アダムが奔走する…というのが大まかな世界観と物語の筋なのだが…。

 世界観やテーマは非常に面白い、一方、発生する事件とその過程は非常に緩慢。裏で蠢く事態を予感しつつも、事を大げさにしないよう、隠密に捜査する過程は、まるで卵の非破壊検査を続けるような感触でまどろっこしい。インターポールの捜査官という身分がために、組織の都合で動かされる場面も多く、今やってるこれは何に関係しているのか?ということがわかりにくい場面も多い。上司めちゃくちゃ無能だしな(無能っぷりが加速していく一方なのでキャラは一番立っている)。

 ボス戦は前作よりさらに減って、実質ラスボスのみ(もともとボス戦を楽しむようなゲームではなかったが)。敵キャラクターの描写が少ないのは同じで、映画的に盛り上がる場面の多かった前作に比べるとより一層地味。派手にスケールアップすりゃいいってものではないが、それにしても要素が少なすぎる。一つの事件から大状況の全貌は見えない、というリアリティーは感じられるが、面白い話かどうかは別問題だ。

 謎は残ったものの、大筋は完結していた前作に対して、今作はそこまでも到達せず、多数の謎を残して終わってしまう。謎が引きとして有効に機能するレベルにもないので、単に不完全燃焼の色合いが強い。

 多数の分岐もあり、リプレイを前提にしている…とは言え、ボリューム、物語、ともに前作からは後退。面白いのは「分断された世界」という状況演出のみという状態はちょっと厳しい(この部分は本当に面白いんだが…)。

 

 

 

DLCで印象が変わるか(どうだろう…)

 ステージ環境はパワーアップしたものの、ゲームプレイ自体は余り変わらず、世界観とその表現はよく出来ているが、プロットは後退してしまった。つまり、トントン。つまらないこともないが、目立って良くもない…。ストイックなステルスゲームとしてはそこそこ面白い、しかし、前作からの期待値を越えることはなかった。

 とりあえず、DLCではプリチャードが登場するようで少し安心。本編の未回収伏線が残らず片づけられるのは期待できないが、もうちょっと印象が良くなるといいな。

 と、言いつつ、DLC一本目、現時点では、オーグ拡張がほぼ一からやり直しになるなど、いきなり印象が悪い。基本、本編クリア後にしか遊ばないだろうし、本編の拡張をそのまま持ち込んで遊べるようにしたらよかったんじゃないの…。いや、まだ先を遊んでみないと…。

 楽しいものだといいなー。

 

 

今日は以上。