ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「エースコンバット7」感想 ※ネタバレあり

 今日は「エースコンバット7」の感想。

 6以来、久しぶりのエスコン

 

 ※1/23 ストーリー、味方機について追記修正。

 ※ストーリー関係のネタバレありに変更

 

 

クリア状況

 メインキャンペーンをノーマルでクリア。VRモードをクリア。マルチ対戦はスルー。プレイ時間、20時間くらい。

www.youtube.com

 

 

久しぶりのナンバリングタイトル

 12年ぶりのナンバリングタイトル。自分が最後に遊んだエースコンバットは「エースコンバット6:解放への戦火」なので、12年ぶりのエースコンバットということになる。12年…時の流れは恐ろしい。

 基本は、「いつものエースコンバット(特に3以降)」である。

 「いつものエースコンバット」とは。

 実在する戦闘機を駆り、リアルだが、架空世界の大空を飛ぶ。敵機を追い、画面に捉え続け、ミサイルを放って撃ち落す。要所で光るぞ特殊兵装。たまにバルカンで墜とすとめっちゃ強い気になるぞ。無線でみんなが「強い」「すごい」「化物か?!」と褒めたりビビったりしてくれるぞ。あと、トンネル。

 

 

おい!こんなに難しかったか?!

 概ね「いつものエースコンバット」だが、今作は難易度が高い。最初は12年ぶりゆえに、もともと大してなかった腕がなまったせいかと思っていた。敵機にはなかなか追いつけず、そもそも狙いやすい標的を選ぶのもままならない。

 しかし、プレイしてもなかなかうまくならない。というか、それなりにうまくなっているはずだが、こちらが操作に習熟する速度より、ステージ難易度が上がる速度の方が早い。敵機は増え、時間制限は厳しく、護衛対象は粉砕される。6と違って味方に指示も出来ない。

 表現力の向上と共に襲来した新ギミックにも苦しめられる。分厚い雲に飛び込めば方向感覚を失う。強風は地味にカメラ位置がズレて厄介。雷に当たると全ての操作を不能にする。しまいには敵味方識別が役に立たなくなる。代替手段は腕を問われる。戦場は地獄だぜ!

 従来シリーズでは大したことをした覚えもないのに、味方がボンクラ揃いなおかげで激賞されていると思う場面が結構あった。本作では違う。マジで苛酷だもの。味方は相変わらず大した仕事をせず、環境は本気で牙を剥く。そりゃこの状況できっついオーダーを完遂したら褒められるわ!なんで僚機への命令削ったんや…。

 技術力が上がり、新たな要素が追加された大空。敵味方共に大量に表示することができるようになった。ある意味でリアルな空になったとは思うが、戦場は確実に厳しい場所になった。

 エースコンバットは、爽快感重視で、敵機をバシバシと撃ち落とし、無茶な状況を覆す英雄になるゲーム…そんな印象を持っていたのだが、リアルな空で英雄足らんとするだけの力を求められるゲームに変わっていた。

 

 

起伏と達成感は強い

 様々な要素が絡み合い、上がった難易度だが、悪いことばかりでもない。

 本作のミッションは、5より少なく、6より多い、全20ステージ。ただ、余分で似たミッションは一つもない。一部短いミッションもあるが、初期目標の達成だけで終わるシンプルなものは少なく、大抵は、前半と後半で求められることがガラッと変化する。1ミッションが充実しており、ステージそれぞれが特徴的に仕上がっている。

 そして、高い難易度と相まって、クリアした時には、虚脱のあと、ゆっくりと充実感を感じられた。手応えのないステージは一つとしてなかった。苦労してクリアすることで、エースとして扱われるに相応しくなったと胸を張れる。

 あとは、そもそもスコアを稼ぎ、先回りして新しい機体を買えば、かなり難易度が下がる。難易度がきつすぎるので、キャンペーンを最初からやり直して稼ぎ、少し先の機体を購入したら一気に楽になった。ポイント稼ぎのため、同じステージを繰り返すより精神衛生に良いし、詰まっている人は試してみて欲しい。

 マルチで機体購入用のポイントが稼げるらしいので、ひょっとしたらそちらで稼ぐ仕様意図だったかも知れない。全然伝わらんかったけど。

 

 

HUD表示、味方機はどうにかならなかったか

 やり甲斐にも繋がっている難易度上昇は、マイナス要素と軽く片付けることではないが、どうしても気になったことがHUD表示のわかりにくさと、味方機だ。

 HUD表示は、単純に見づらい。一体何をロックオンしているのか、次の切り替え対象はどれになるのか。目標が密集していると、もう訳がわからん状態になる。NEXT表示があるだけマシだが、ここは6より進化していて欲しかった。アーセナル戦とか、ほとんど勘だったよ。リアリティー的には微妙かも知れないが、緑・赤だけでなく、青、白の表示も使って、任意にターゲットしやすくして欲しかった。

 一番問題に感じるのは味方機の何もしなさっぷりだ。

 キャンペーンをプレイしていて、味方機が攻撃を当てていた記憶が全くない。味方機をつぶさに観察していたわけではなく、敵機を追うのに必死だったわけで、すっぽり見落としているだけかも知れない。しかし「味方機が何もしていないという印象を持つ」そのこと自体が問題だと感じる。

 みんな頑張って戦っている中、「それでも抜きん出て戦果を上げるから"エース"」なのだ。何もしない連中に囲まれ、一人頑張って、褒められても素直に喜べない。演出によって「みんながエースだ」のセリフに感動は出来ても、ゲーム中の働きぶりを見ると空々しく感じてしまう。仲間のキャラは魅力的で、無線会話も楽しいのだが、ゲームプレイ中で見られる味方機の行動とは切り離して見ざるを得ない。むしろ、切り離して見られた自分は幸いだったと思う。

 「リアルな空でエースになりきれる」というのがエースコンバットの売りの一つだと思うが、ならば、プレイヤーが「自分はエースだ」と感じるための演出には手間をかけるべきだろう。味方機は攻撃もするし、大勢に影響ない敵機なら墜とす。墜とすとプレイヤーの体験を害する可能性があるなら、攻撃は当ててもギリギリ墜ちない。そのように、プレイヤーの行動と状況に合わせてゲーム側が対応出来ないのであれば、せめて僚機指示を残して、任意に味方機の行動をコントロールできる仕様が必要だったように思う。今作では、その対処が「エース以外に仕事をさせない」というもので、非常に雑な印象だ。他が良く出来ているだけに、大事なポイントを外してしまったようで、本当に惜しい。

 なお、落雷や悪天候などの嫌がらせ要素も多少のストレスを感じるが、ままならない自然環境を体感するのは、はちゃめちゃに良くできたアトラクションのようで楽しい。むしろ、ワンセットで要求される護衛や標的破壊の時間制限が問題と感じられた(ここでも「味方機仕事しない問題」が関わってストレスになる)。

 

 

演出と物語

 マイナスポイントもあるのだが、本作は確実に面白かった。

 特に、物語と演出はとても好みだ。04以降のシリーズファンをニヤッとさせるたくさんの要素を引っこ抜いても、非常に良かった*1

 

 ここからはネタバレありで。 

 

 

 

 いつも通り、音速でエースとして扱われていく主人公は、今作では浮き沈みが激しい。エースから転落、そしてまたエースになる……そうした展開も刺激的だが、主人公は「なくてはならないが、描かれることのない、ドーナツの穴」のようなもの。

 軸になるのは、主人公たちが所属する編隊ではなく、周辺の人物たちだ。囚人のメカニック、敵国の王女、ベルカ人の科学者、そして、主人公ライバルとなる老兵ミハイ。

 特に、ミハイは主人公のライバルであり、「鏡合わせ」の存在を感じさせる今作の裏主人公だ。戦場においてのみ、口を開き、空戦でもって他人と語らう存在は、立場こそ全く違うものの、主人公と鏡合わせだ*2

 抑えたトーンで、それぞれの立場から見える戦場、あるいは、戦争の影響が語られる。この、ドライと情感が交叉する点描が、ラストへ向けて収束していく流れは、非常に高揚させられる。

 大局的な視点が登場せず、個々人が思うように動いた結果、戦争は激化、戦闘は混迷を極めていく。しかし、同時に、戦いを終わらせるのも、個々人の願望によってなされることだということが描かれている。

 ミハイの最後を「平和」と表現するのであれば、鏡写しである主人公=プレイヤーが不在になった空も同じように「平和」なのだろう。

 

 ステージ演出では、ミハイとの戦闘全般と、終盤ミッションの展開が圧巻。

 熱い無線通信、巨大なボス戦、イカれたドッグファイト、最終決戦からの脱出。最後に見える景色までつながる一連の流れは堂々たるもんで、終盤2ミッションは、脳汁が出っぱなしのまま一気に駆け抜けた(駆け抜けられた)。

 終わってしまえば、苦しんだミッションも、何もかもいい思い出。マッケンジー護衛は二度とやりたくないけどな!(あんなにやり甲斐のない護衛ある?)

 沈んだビル群の直上でミハイと繰り広げる戦いもかなり良かった。ワイバーンとの戦闘は、空中機動がイカれてて、思い返しても、どうやって戦ってたのかわからない気分になる。正面からの攻撃にカウンターするしか攻撃当てられなかったな。

 

 ムービーなどのドラマでは主人公以外が描かれる分、ゲームプレイ中に起こるドラマは、プレイヤーだけのものだ。ミハイという間接的な鏡像でプレイヤーの位置を意識させ、戦いの影響を周辺人物を通して描くことで、気付けばドーナツで中心にプレイヤーが座っている。エース足りえるだけの激戦を制し、辿り着いた「ダークブルー」は、まるで自分自身が溶け込むようで格別だった。

 ところで、言葉を発することもなく、味方に指示することもなく「空洞」にある視座だけが行動している状態は、ミハイという鏡像がいなければ、無人機のようで…03に繋がりそうでドキドキしますね。

 

 

VR最高やないか

 本編とは切り離されたVRモード。こちらはメビウス1となって空を行く。全3ミッションだ。

 で、その出来なんですけど…めちゃくちゃ面白いですこれ。

 発進直後こそ一瞬「ウッ」となったが、その後は一切酔うこともなく、空戦を楽しめる。インタビューで言ってたことは嘘ではなかった。「アストロボット」のために買ったようなPSVRだが、持ってて良かった!

 コクピットに搭乗しているかのような感覚。Gから自由な分、無茶苦茶な機動で飛べることが、より一層楽しい。

 敵の捕捉も、本編より圧倒的にやりやすい。なにせ、視界が段違いに広い。正面から見失っても、頭を上げれば追い続けられる。逆に、レーダーを見る暇はないが、レーダーを見ずとも、敵機を追うのが苦痛にならない。難易度も甘めにしてあるのかしら?従来作のように、片っ端から撃破していく爽快感がたまらん。

 ゲームプレイだけなら、確実に本編より楽しかった。

 難点は3ミッションしかないので、本編よりさらに性急にみんなが褒め過ぎるとこだろうか。逆に恥ずかしいわ。

 ほんと面白いので、全編これで作って欲しい。何なら旧作のリメイクでもいい。VRの普及台数が更に増えないと難しいだろうけど、なんとかなって欲しいぞ。DLCで追加ステージでもいい…もっと遊ばせてくれ…。

 

 

空は高い

 難易度が上がり、ストレスのたまる場面も結構あった。しかし終わってみれば、気持ちのいい充足感が残った。

 エースコンバットシリーズが好きな人は、終盤ミッションのために、是非、壁を越えて遊んでほしいと思う。

 PSVR所持者は買うしかない。3ステージだけだが、将来、これをもっと遊べるかもと期待に胸を膨らませることができるに違いない。

 

 

 

今日は以上。

 

*1: 「あ、この単語旧作に出てきた!」以上のリアクションが取れないほど、旧作シナリオを忘れていた。

*2: ミハイ=主人公=プレイヤーと考えると、ミハイから生まれた生存戦略の塊であるUAVは、ゲームプレイヤーの一面を想起させる。