ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「トラヴィス・ストライクス・アゲイン」感想 ※ネタバレあり

 「トラヴィスストライクスアゲイン」をクリアしたので、今日はその感想。

 最後らへん、ネタバレがあるので注意。

 

 

プレイ状況

 全編を難易度MILD(ノーマル)でクリア。ローカルCoopプレイが可能だが、一人でプレイした。収集関係はラーメンだけコンプした。何故ならラーメンブログが見たかったので。

 

 

帰ってきたトラヴィス

 殺意とジョークと雑味たっぷりの物語。「ノーモアヒーローズ」が帰って来た。

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 キレッキレのセリフ、殺伐としたやり取りにバカバカしい展開。そして、シンプルだがWiiの特性を活かした意外に(失礼)真っ当なアクション。そして、BGMがやたらめったら恰好いい。

 2作目が振るわなかったせいか、続編が出ないままとなっていたが、インディーゲームライクなサイズで、スピンオフ作品(?)として復活した。

 今回のトラヴィスは、レトロゲームの世界で暴れ回る。ついでにバットマン(蝙蝠じゃない)も暴れ回る。

 

 

シンプルなアクション

 これまでのシリーズとは違い、見下ろし視点多めで、気軽なスラッシュゲームという感じにアレンジされている。「ビームカタナで接近戦」「カタナは一定の使用回数ごとに充電が必要」という要素以外は、ほとんど違うと言っていい。視点が遠めなので、いつものシリーズとはかなり違い、視点が似ているゲームの多いハスクラ味を感じる。スキルセットの使用感も近いし。

 小攻撃、強攻撃、スキル技の使い分けは明白。回避が硬直のせいで、使って気持ちよくないのは気になったが、アクションゲームとして、気楽かつ、結構爽快感がある。

 スキルはバリエーション豊富。いくつかはシナジーもあり、敵を集めて衛星レーザーでまとめて叩く、スローにして火力特化攻撃で殴る、という使い方も出来る。ただ、大半のスキル取得が探索での入手なので、拾い損なうと使い方が限定される。面白い使い方が出来るとこまで一歩足りなかった印象。エレキやボムあたりをぶち込む方が脳死でやれてしまう。

 

 

ステージが長い…

 本作は、デスドライブMk2という超技術レトロゲーム機を通じて、色んなゲーム世界に入って戦うという物語。そのため、2Dプラットフォームアクションなら視点がそれらしく変わり動く足場を飛び移っていくジャンプアクションが要求され、アドベンチャーゲームなら目的地目指してマップチップを回転させ正解ルートへ辿り着くなど、元になったゲームの要素が変化球気味に、ステージギミックとして取り入れられている。基本になるスラッシュアクションがシンプル過ぎる分、単調になってしまわないよう工夫がされている…と思うのだが。

 とにかくステージが長くて、逆にダレてしまう。プレイしていて一番気になったのがこの点。あと2~3割ステージが短ければ…。そりゃボリュームも減るだろうけど、せっかくのギミックが邪魔くさくなるよりマシだったのでは…。

 敵種類もステージの長さに対してバランスが悪い。全7ステージあるのに、敵の種類が途中で枯渇してしまっている。終盤は、とにかく大量敵が波状攻撃で襲い掛かってくる展開が続き、余計に単調さが際立ってしまっている。

 

 

パロディー、須田ゲー同窓会

 ゲームプレイ自体は「ステージが長い」以外は大きな不満もなく、楽しめた。敵の使いまわしも気になるが、そうなったのも、ステージが長いのが全て悪いという受け取り方。

 さて、本題とも言えるゲームプレイ以外の「ガワ」の話。

 「ノーモアヒーローズ」シリーズ自体、ふざけたメタネタなどが過剰なゲームだったが、今回はそれが「レトロゲームオマージュ」という大義名分(?)を得たことで、さらに過剰に、盛り込まれている。序盤時点での感想でも書いたが「楽屋オチ」じゃなく「楽屋にゲームシステムを入れこんだ」くらいの有様になっている。

 

 まず、パロディー要素。

 オープニングが終わったのち、わずか数分の間に、5~6個のパロディーが速射されてクラクラする。惜しいのは繰り返し演出される部分にパロディー要素がぶち込まれているので、飽きちゃうってことか。

 各ステージ=ゲームの導入部分は、特に気合が乗りまくり。実写あり、ひと昔前のPCゲームっぽいムービーあり、ドット絵あり、ベクタースキャンあり…。毎度ステージ開始時が一番楽しいくらい。この手の映像演出はグラスホッパーが得意とするところなので、非常に見応えがある。

 一方、グラスホッパーのゲームを愛好する者にとって、パロディー以上に目立つのが、グラスホッパー制作ゲームから多数のキャラクターが登場していること。ステージ幕間でプレイ可能なノベルゲーム「トラヴィスストライクスバック」では、須田キャラによる殺伐とナンセンスな会話が繰り広げられる。各作品から最低1名は登場しており、版権物以外はほぼ網羅。これはもう同窓会か、大乱闘須田ッシュブラザーズ。早い段階でウエハラカムイが登場し、バカウケさせられたが、そんなの全く序の口だったな。「killer7」は無理かー、などと思っていたら、アップデートにより、ダン・スミスが登場する追加オープニングが導入され、相変わらずよくわからないところにすごい気合を入れてくるので油断できない…。

 ところで月極蘭子関係が出ないなーと思ったが、アレ、開発自体はクリスピーズだからかしら。

 

 

ゲームの中のゲームの中のゲームでレース出来るのは本作だけ(多分)

 メタ要素について。

 ノーモアシリーズはメタ要素が当たり前みたいにぶち込まれてくるが、本作のメタ要素は、この点でも過剰だ。ただ、他のゲームではゲームのシステムと絡めたり、テーマと深く絡んだ使い方をされていることが多い一方、今作の場合は、基本的に全力の悪ふざけだと受け止めている。深く考えるなノリだ。って作風だし。いや…グラスホッパーは大体そうか??

 ゲーム構造を揶揄したり、リソース不足をネタとして昇華、フォローするという役割も期待してないわけじゃないないと思うけど、正直もしそうだとしたら流石にマンネリだし不発だ(作品を跨いでいるが何度もやりすぎている)。

 興味深かったのは、ゲーム本編内において、現実での行動とされているデスボール探しパート「トラヴィスストライクバック」が、デスドライブ内での戦いより抽象度の高いDOS/V風に表現されていたところ。なんで逆なの…。と思ったら、終盤は構図がひっくり返ったので感心してしまった(ただそれを狙ったのかどうかわからないのが厄介なところだけど)。

 あと、レースゲームステージがもうわけわからなくて非常に良かった。四畳半の部屋にあるVRゲームでレースゲームをプレイするんだけど、ゲーム内のゲーム機内の四畳半でVRを使ってレースゲームをするって一体どういう意味のある入れ子構造なんだ。しかもレースゲームというよりギアチェンジゲームだし。クリアに必須ミニゲームの難易度が無駄に高いのはほんとやめてください。

 

 

テキストは最高にキレているが

 ここからはネタバレあり。

 

 

 

 パロディーとメタ要素で簀巻きにされたテキストは、キレッキレだ。ステージ冒頭の演出以外は、ウィンドウUIによる会話中心なので、いつものような映画的な演出がないのは物足りないが、その分、テキストは一層に熱量が高い。かつて楽しんだレトロゲームのキャラを殺すトラヴィスはいつもより湿っぽく、一方、幕間のノベルゲームでは、殺伐とした会話が最高にかっこいい。

 あと、ラーメンブログね。最高。バグストラのテキストも良かった。そうだね、大体の二次会は得るものが少ないね。でも時々寂しくてノリで行っちゃうんだよ。

 しっかし、一作目時点ではなりゆきで殺し屋になっちゃったオタク兄ちゃんというイメージで、全然強いという印象がなかったトラヴィスが、随分強くなってまぁ感慨深い。ダン・スミスには表のプレイヤーと侮られていたが、いやいや頼もしい限りじゃないか。トラヴィスは個と個のぶつかり合いに終始するため、社会性の中で強いキャラはトラヴィスに負けてるように見えて面白い。だから、クサビは戦わなかったのかな?とか余計な深読みしてる。

 演出や物語において残念だったのは、全体に、2~3年前くらいを切り取った感覚があったことかな。レトロゲームオマージュという題材がそう思わせたのか…レディープレイヤー1以降だからか…そういう印象の理由がよくわからないんだけど。

 ちなみに、最終ステージの一幕については咀嚼しきれなかった。めちゃくちゃ面白かったけど。ジャケットを追った先に制作者の亡霊がいて倒したらカピバラゲームで死んだ、って俺の手に負えるコンテクストじゃなかったので誰か教えて…。

 

 

祈り・エール

 本作のメタ要素は、最後に剛速球でプレイヤーへ向ってくる。ジョークなのか本気なのかわからないのが、また「らしい」。

 ジョークだとしても、シリーズのプレイヤーとしてエールを返したい。もう一度ノーモアヒーローズが遊びたいしね。スピンオフもいいけど、やっぱりガッチリ本気の本気で死合いたい。リッチな絵だって見たい。

 本作は、アクションゲームとしては、悪くないものの、やっぱり須田ゲーファン向けなので…一体どのぐらい開発費の足しになるのかわからないが、次回作、期待して待ってます。

 

 

 

以上。