ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「キングダムハーツ3」感想(ネタバレあり)

 「キングダムハーツ3」をクリアしたので、今日はその感想。

 もう発売から5か月経過しているので、まぁいいやとネタバレありで書いてます。

 ※一応ネタバレ部分は後半にまとめている。

 

プレイ状況

 PS4proでプレイ。難易度スタンダードでクリア。クリアまでで約40時間。

 現在、バトルポータル、マークを探し、素材を探し、ウロウロ中。

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長く続いた「ダークシーカー編」の最終章らしい

 キーブレードという便利武器を使えるようになった主人公ソラが、なりゆきで世界の敵ゼアノートの戦うことになっちゃった、ディズニークロスオーバーシリーズの最新作。

 

 17年かけ、8作も続いたシリーズの一区切りとなる作品であり、「ダークシーカー編」の最終章とかなんとか。「ダークシーカー編」とは…?という疑問はさておき、一作目の時点では想像つかないレベルで複雑な話になってしまった物語は一体どう畳まれるのか。

 

 

映像美と、感触過去最高のアクションを両立

 対応ハードがPS4・XboxOneになったことで、グラフィックの進化が凄まじい。ほぼリメイクされているHD版があるとは言え、シリーズの直近作品でも2012年~2013年のタイトルであり、PS4のハードに向けて初めて作られたことで、映像美を堪能できる仕上がりになっている。

 オープンワールドではないが、オープンを体感するに十分な、広大な景観を楽しむことができる。それでいて、派手なアクション・高速移動を行ってもフレームレートの落ち込みはほぼ感じられず、アクションと描画のバランスはかなり良好。テクスチャLODも素晴らしい仕事をしている(特にアスレチックフローでの高速移動を使った時に感動してしまった)。

 アクションはこれまでのシリーズにあったモタついた感触がほぼなくなり、断然軽快で楽しい。3以前のシリーズを遊んだ時、地味にストレスだったアクションの感触が一気に改善されている。

 ヒットしないと続かない地上コンボ、微妙に使いにくいガードなど、既存シリーズと同じように微妙な点も引き継いでいるが、動きのテンポが全体的に上がり、判定の強いアクションが多数使えるようになったせいか、かなり気にならなくなっている。色んな動きを雑に出して、派手に立ち回れる楽しさの方が強い。

 描画範囲が広がって、カメラが引き気味になったことも、敵との戦いやすさに繋がっていて、技術向上の有難みを感じる。

 

 

過去作のシステムてんこもりのバトル

 キングダムハーツシリーズは「ナンバリングタイトルでは安定感のあるシステムを採用する」というルールらしい。本作は、キングダムハーツ2をベースに、新要素をかなり盛っており、盛られたシステムが列挙されると魔改造という印象はあるものの、かなり遊びやすい仕上がり。流石ナンバリングという感じだ(正直、挑戦的にやる時も遊びやすさは考慮してくれと思うが)。

 戦闘では、連携技、フォームチェンジ、アトラクションフローなど、バトルを左右する複数のアクションが可能だが、それらはすべて1ボタンで任意に発動できるようになっている。コマンドリストが1枚にまとまっているの、ほんとに最高だと思う。

 フォームチェンジは、キーブレードごと変化するものとなり、非常に豪華かつ多彩。使用するキーブレードにもよるが、1戦闘中、最大6つのスタイルで戦闘で可能。敵に合わせて瞬時にブレードを変え、フォームを変え、変幻自在に戦うのはかなり楽しい。

 地形を利用したフリーフローアクション、ロックオンモードでの攻撃・移動が可能なフォーカスモードも入っており、キングダムハーツ2以降のタイトルにあったアクションシステムが、無理なく取り入れられている。無闇に強ムーブになっていたり、必須or無駄な仕様になっていないところが、非常に好印象。

 

 

シンプルさが強い壁走り

 新アクションとして「壁走り」がある。地味だが、縦に広さを増したマップ構造を最大限に活かせる仕様として、かなりポイントが高い。単純にかっこいいしな。

 新しいワールドのデザインに合わせて採用された仕様だと思うが(サンフランとかビル街だし)、これがあるとないとでかなりゲームプレイが違っていたと思う。ソラたちの冒険が"縦横無尽"で"自由"だということを、ゲームプレイで体感させていて、とても良かった。

 縦走りor横走りしかできず、左右のコントロールがしづらいが、これはハード性能が許す限り、今後も残して欲しい要素。何故なら縦構造が素敵なマップデザインが大好物なので。

 

 

新ワールドだらけ

 8作もあるので、前作までは、いい加減に見飽きたワールドもあったが、今回はほぼ新ワールドばかり。シリーズ常連過ぎる「ヘラクレス」のオリンポスもあるが、今まで未登場のロケーションばかりなので許す。しかし「ヘラクレス」って海外での人気が強いのかしら…色々と使いやすいとは思うが。

 美術的にはどのワールドも見応え十分。ワールドによって、質感表現を変えているのが非常に効果的。

 ワールドごとに毛色の違うお楽しみが用意されているのも楽しい。「トイストーリー」ではオモチャのロボットに搭乗できる。「アナ雪」なら雪滑りができる。「パイレーツオブカリビアン」なら船旅+海戦ができる。…ワールドの特色を最大限に押し出す工夫や遊びが豊富で、マップも本当に充実している。ゴージャスすぎる遊園地のよう。

 個人的には「オモチャのパッケージだけでどんだけ素材描いたんだよ」とチビりそうになるトイストーリー世界と、しっかり広大さを演出しながらも粗密の大胆さが楽しい冒険を体験できるカリビアン世界がお気に入り。

 マップの景観、美術の作りこみはどこも半端ない。行動エリア外も相当によく作られており、高空まで飛び上がって見渡しても、行動エリア範囲と遜色ない作りこみが広がっているように見える*1

 

 

トイストーリーのエピソードが強すぎる

 各ワールドでの物語については、一長一短がある。

 基本的に、原作映画をなぞっているワールドについては微妙。ソラたちが蚊帳の外、あるいは、ハイライトだけ繋いでいるせいで話が意味不明になっているワールドも。原作の再現やアレンジ展開を見るのは楽しいが、ゲーム単体でもある程度、筋が通るようにはして欲しかったように思う。映像解像度が上がったことで、物語解像度、辻褄合わせもより精度を求めてしまう。

 一方で、本作独自の展開を描いているワールドは、短編として成立しており、とても楽しめた。どれも本編の続編、あるいは、外伝として楽しめるレベルだった。

 中でも、「トイストーリー」ワールドの物語は、序盤で訪れるにも関わらず、今作のハイライトと言える出色の出来。

 ウッディが若ゼアに放った一言は、キングダムハーツシリーズ全体に言える会心の一撃で「ほんとにマジでほんとにそう!」と画面に向かって叫んでしまった*2

 

 

で、シリーズの一区切りとしては?

 シリーズ全体を貫く、ソラたちの長い長い話について。

 

 先に結論から書くと、なかなか厳しい仕上がりだと感じた。色々事情はあると思うが、どう想像したところで、自ら広げた風呂敷の畳み方がこれなのか?という気持ちは拭えない。

 やはり開発側でもそういう気持ちはあったようで、有料DLCで補完される予定らしい。うーん……補完されないよりはマシだが。

 

 本作は、各ワールドごとの話は、なるべく独立して完結させ、ワールド間の幕間で、本筋の状況を小出しにし、ディズニーワールドを全て攻略し終わった段階で、怒涛の如くラストへ向かってドラマが動く…という構造になっている。

 なんとなくやりたかったことはわかる。「終盤、ボス戦が連続し、次々とドラマが収束する展開」と聞くとすごく良さそうだもの。しかし、幕間はほぼ話が進展せず、逆に終盤のドラマはざっくりし過ぎとなると話が違う。ただでさえ登場人物は多く、それぞれに1~2作に及ぶ背景を背負っている。そこに描写不足が重なり、かなり破天荒なことになっている。これシリーズ初プレイで何が起こっているか解るプレイヤーはいるんだろうか、全部どうでもよくなるのでは?と余計な心配をしてしまった。シリーズほとんどを最近遊んだのに、俺は結構わからないとこがありましたよ。

 そりゃ、1作でガバッと片付けるのは、難しいだろう。でも…それって解った上でのダークシーカー編??完結編??だったんじゃないんですかと。解って挑んだのだから、もう少しなんとかして欲しかった。

 

 

ネタバレで書きますと

 ここからはネタバレありで書きます。

 

 

 

 もともと、このシリーズは「緻密な設定があり、複雑なプロットを採用している」が「やっていることは常に漠然としている」ところがある。流れがうまく決まれば、勢いのあるエモいお話を楽しめ、同時に複雑に入り組んだ裏舞台や各人の思惑を紐解く楽しさに繋がる。が、反面、無駄にごちゃごちゃした設定で、よくわからんやつらがポエミックなこと言って意味不明に戦って、心のパワーで強引に解決する話ともとれる危うさがある。

 終盤の展開は、描写不足のために、悪い面が全面に出てしまっている。

 「目覚めの力」「ロクサスの復活」を目的に冒険を始めるけど、旅で目的は達成できず、ほぼ関係なく、力に目覚め、ロクサスは別の人たちが頑張って解決しちゃう。旅、めちゃくちゃ楽しかったけど。楽しかったのに。一体なんだったのか。

 終わりの世界のあと、表示キャラ数の問題だろうけど、ドナルド・グーフィー離脱のためだけに、闇リクによる天丼展開をするのは、直前の終わりの世界やユニオンクロスとの繋がりを台無しにしてるとしか思えなかった。

 テラはもう全くよくわからんまま戻ってくる。逆にシオンはよくわからんまま敵にいて突然正気になる。ロクサス、シオン、ナミネはいつの間にソラやカイリから抽出されたんだ。魂とはレプリカとは…。

 旧十三機関からの出戻り組は、もうノーバディなのか人間体なのか、人間の時の意識も混ざったノーバディなのか、全くわからない。ゼムナスなんか直前までクソ悪役してたのに、突然いい感じに消えられても困惑するよ。アンセム、お前もだぞ。過去からゼアノートの分身として連れて来られたはずなのに、みんな前からいたやつらと混ざった発言して超ややこしい。急にいいやつ風になってないで、ちゃんと解るようにしてくれ。

 リアとカイリもかなり不遇に感じられた。リアはいくら即席とは言え、いい見せ場ほとんどなしでもう強キャラの顔出来ないよ。負けっぱなしのアクセル、記憶したくねえよ。カイリは、ソラと二人だけのシーンが少なすぎる。こんなことなら、KH3Dのオープニング、延々とソラとカイリがデートするだけのムービーにしといて欲しかった。一応、ソラの窮地を救っているものの、過程が謎過ぎて活躍と素直に受け取れないし、そのあとはすぐ割られちゃうし。リクは割られたカイリに反応してくれ。ソラに対しての執着ありきだったかもしれないけど、お前昔はカイリカイリ言ってたじゃないか。たった1カットでいいんだ頼む。

 そして、さんざん強引としか思えないハッピーエンド展開を連続させておいて、オチはアンハッピーとしか思えない終わり方。アンハッピーが許せない党では全くないんだけど、流石にどっちやねんと思ってしまいました。まぁ、ある意味、キングダムハーツらしいけれども。このオチ一つで「カイリ連れ戻す(一作)」「ソラが戻ってくる(一作)」で、2本も開発決定じゃないか?終われない物語の天才かよ。無限か?

 

  これまでのドラマが乱暴に終わっていく一方で、次回作に繋がる展開も無数に散りばめられており、「いやもう一旦終わらせるのに集中しろよ!」という思いが止まらなかった。 変に次作に続く伏線らしいものが散らばってなければ、苦々しくも描写不足を受け止めれていたかも知れない。しかし、また風呂敷を広げる気満々なんだもの。なんだよ黒い箱って。もうちょっと反省を活かした方がいい。シークレットムービーも、もうそろそろ進撃の巨人の嘘予告みたいなもんってことにしようよ。

 「今回で一区切り」というのは嘘ではないと思う。少なくともゼアノートは退場した。アンセムも十三機関の面々も、もう出てこないだろう(大塚芳忠、リア、アイゼ以外は)。しかし、伏線という名の未消化な要素が多すぎて、一区切りついた気が全くしなかった…。

 

 

素晴らしい作りこみと語り切れなかった物語

 各ディズニーワールドの作りこみは本当に見事だと思う。バトルもシリーズ最高に快適で楽しい出来だった。各キャラのモーションも丁寧で、モブのリアクションまで作りこまれ、感心することしきり。

 グミシップを含むミニゲーム群も、これまでで一番丁寧さを感じられた。リプレイする気になったもの(今までほぼならなかった)。

 一方で、本筋の物語は、今後、もう少しプロットを整理して欲しい。シリーズが始まって17年。1のHD版である1.5ReMIXから考えても6年経過している。小学生が高校生や社会人になるぐらいの時間が経ってしまっている。ちゃんと一度流れを整理し、ある程度の期間でしっかり語り切れるサイズを割り出して欲しい。積み過ぎたら語り切ることができないと、今作で証明してしまったのだから、この反省はなるべく活かして欲しいな…。

 素晴しいところと、辛いところが両極端な出来ではあったが、シリーズを通しプレイした結果、キャラへの感情移入はバッチリ出来てしまっている。多分、よっぽどやばそうなものでない限り、次回作もプレイすると思う。ソラとカイリがまともに落ち着ける時を、いつか見たい。

 

 

 

今日は以上。

*1: 一方で、ソラが高空まで飛び上がれるようになると見えない壁が堂々あることがクローズアップされるのはご愛嬌か

*2: ウッディの『なんか難しいこと語ってるけどどうでもいいからバズを返してお前は消えろ』というセリフを聞いて泣いてしまった。本当にそうなんだよ。KHの時はアンセムしかそんなのいなかっただろ。以降のシリーズずっとそんな奴らだらけ。どんどん増えて減ってまた増えてしかもしつこい。余りにもずっと思ってたことを突然ウッディが言うもんだから泣いてしまった。こんな泣き方ある?どういう種類の涙なんだよこれ。