ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「ニーア・オートマタ」感想 若干のネタバレ

 ゲームやるしかないレベルでゲームいっぱい発売してる。俺です。

 一瞬、ゼルダやりたさが爆発しましたが、解脱することで予定どおり「ニーア・オートマタ」に続き「ホライゾン・ゼロ・ドーン」をプレイ中。

 今日は「ニーア・オートマタ」の感想。

 後半で若干のネタバレ有り。

 

 

プレイ状況

 プレイ環境はPS4

 A~Eまでのエンドを見てクリア。

 他のエンドについては、6種類くらいまで埋めたものの、残りはwiki見て埋めるプレイになりそうだったのでスルー。

 武器は全て最大強化。ポッドは2種まで最大強化。あいつも撃破。

 トロフィーに関しては、ハッキング、バーサーカーによる撃破数と、エンディング関係のみ、例のアレで解除。

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アンドロイドvs機械

 「ニーア・オートマタ」は、前作「ニーア・レプリカントゲシュタルト)」から1万年くらい経過した世界で展開する。異星人が機械部隊で地球上を制圧。月に撤退した人類は、アンドロイドによる抵抗戦を繰り広げていた…。って話なんだけど、何、異星人って。という導入。

 プレイヤーは、アンドロイドのヨルハ部隊一員、2Bや9Sを操作して、機械兵器達と戦っていく。

 

 

ニーアらしさを徹底した作り

 時がめちゃくちゃ流れ、話的な繋がりはほぼないが、前作「らしい」要素を徹底して盛り込んだ作り。

 前作の独特な諸要素である、イクラ弾、視点変更、周回要素は全て搭載。

 そしてMONACA岡部啓一氏)のBGMと、えぐ殺伐としたシナリオ、美しく寂寥感のある美術。

 ニーアが、ニーアらしい、とされたであろう要素は、全てぶち込まれている。

 正直、視点変更については、何故ここにそれを…と言いたくなるような箇所もある(特に廃工場のトップビューや砂漠地帯の地下)。

 しかし、全体的には、シューティングパートならトップビュー、細い通路=通路から落ちたら即死な場面などは横ビュー、と使い分けがハッキリしている印象。工場地下とか、普通のTPSビューだと、こんな作りに出来なかっただろうなーと思えるステージデザインだし(だがしかしプレス機の即死やめろ!!)それなりの納得度。城については、メトロヴァニア系っぽさを狙ったのかしら。

 ニーアの空気や雰囲気をゲームプレイからも感じられるよう、気を遣いつつ、なるべく面白くなるよう作られていると感じた。

 

 

アクションとシューティングとRPGのごった混ぜ

 初周時点では、精々、戦闘機搭乗時など、一部でしかなかったシューティングパートだが、2周目になると、ハッキングによる360度シューティングが登場し、アクションとシューティングを半分ずつプレイしているような状態になる。

 ジャンルミックスなゲームの宿命として、一方だけやりたい人はもう一方が邪魔ということになりがちだが、分量がここまで半分ずつにされると、いっそ清々しい。個人的には、両方とも楽しく遊べてしまうので、このチャンプルには特に問題なかった…が、それぞれのパートで少しずつ物足りないと感じたのは正直なところ。

 

 

爽快だがちょっと物足りないアクション

 今作の開発担当、プラチナゲームズは、最早国内でもコーエーテクモ以外絶滅寸前なぶった斬り系スラッシュアクションゲームを抜群に仕上げる開発だけに、発表時から期待は高まった。

 実際、プレイすると、モーションはキレッキレ、スタイリッシュかつスピーディーな動作が楽しい。

 弱・強の組み合わせで手軽に派手なコンボ攻撃が出せる。銃撃と近接による同時攻撃も可能。ノーマル難度ならロックオンして銃撃を加えながらザクザクぶった斬りまくり。回避も無敵時間が長く、テキトーに回避ボタンを連打しても避けまくれる。ジャスト回避も受付時間が長いので、雑回避でも強力なカウンター攻撃が撃てるやさしい仕様。

 敵などから取得出来るプラグインでキャラクターのアクションを拡張すれば、更にスタイリッシュかつ無双に戦える。

 

 ……とまぁ、前作と比較した場合、比較してはいけないレベルで、良い出来なんだが、正直プラチナゲームズ製にしては物足りなさもあった。主にバランス面で。

 

 まず、銃撃が強すぎる。手動エイムしないといけないハード難度ならともかく、ノーマルだと、テキトーに銃を強化、ロックオンして撃ってるだけで大体の敵(ボス含む)を危なげなく撃破出来てしまう。逆に一部強敵なボスは、強すぎて近接を使う暇がなく、撃ちっぱなしになる場面も。

 あと、衝撃波。

 序盤から使えて、派手で楽で強い!と、最初は喜んだのだが。

 衝撃波を使うと位置取りが雑でも楽勝。しかし、見た目が派手な反面、自キャラが何をしているのかよく見えなくなり、戦いの手応えに欠ける。武器ごとの差異も、衝撃波が帳消しに。だがしかし、どう考えても使ったが強い!戦いやすい!使っちゃうじゃんこんなの!!

 全体的なヌルさからして、いつものプラチナゲームのようなガチアクションゲームではない。あくまで、このゲームはアクションRPGなのな。アクションRPGとしては、十分豪華かつ楽しいモーションだと思う。いくつも武器がある意味は感じられなかったが。

 

 

こちらもちょっと物足りないシューティング

 アクションも若干物足りないが、シューティングもやはり少し物足りない。

 攻略するべき障害…というよりは、演出の一貫という向きが強い戦闘機搭乗でのシューティングは、ミニゲーム的な位置付けということで特に不満もない。自機の表示はちょっとでかいが、ボス戦に起伏を付けてるし。

 が、何度も繰り返すことになる(ある程度は任意だが)、ハッキングシューティングのステージのギミック数に不満がある。

 確かに、ステージバリエーションは多いのだが、小型・中型・大型とざっくり大別した上で、それぞれに数パターンのステージが用意されている形式なので、同じミニゲームを何度も遊ぶことになる。パターンに飽きてしまった後は、ハッキングせずに殴る事が多くなっていた。レベルが十分にあればほとんどの敵を殴り倒せるので、イベント進行以外は救済措置的な位置づけだったのかも知れないが。もう一段充実したプレイモードであって欲しかったという思いは残った。

 

 

フェチなキャラデザに廃墟で美術大満足

 グラフィックは飛び切り高精細ではないものの、程よくまとまり、光の表現が美しい。

 ただ、PS4Proではないせいか?ちょいちょい処理がガタつく。大量のオブジェクトが表示される激しい場面では、2度ほどフリーズした(プレイ中のアップデート以降は遭遇しなかった。ある程度直ったんだろうか)。

 しかし、美術全般は非常に素晴らしい。

 まず、フェチ全開な2Bたちの容姿。どいつもこいつも性的過ぎるでしょ。

 特に、2Bは直球でエロい。目隠しによって感情を廃している事を表しつつも、おかげで声に宿ってしまう感情が強まって感じられる。ホクロがまたエロい。見えるのはパンツではない。決してパンツではないが、性的である事には相違ない。感情を廃していてもスカートを覗かれるのは嫌なんですね。

 9Sはショタいし、アダムは礼儀正しい眼鏡戦闘狂、イヴは純粋粗野半裸野郎。ベタ記号性全開で全体にモノトーンだが、デザイン・モデリング・モーションなどなど、良すぎて堪らん。

 フィールド・ステージは、廃墟廃墟、また廃墟な景観が続いて、眼福な美術が非常に素晴らしい。ニーアの世界では既に昼夜の概念が崩壊しているため(全土砂漠化しそうだが)、場所毎に固定の色味・景観が現れるが、その分、キメキメの絵が見れる。粗密の付け方も絶妙。

 一万年以上経過している割には、結構現代的な建造物の痕跡が残りまくりなのだが(現在塗りつぶされまくりのホライゾンをプレイしているので余計にそう感じる)、そんな細かい事はどうでもいいくらい良い廃墟の中を走ってアクションしまくれた。商店街とか下町っぽい廃墟も欲しかったなーと一瞬思ったがそれは「LET IT DIE」があったわ。そして、ニーアには団地がある。

 廃墟以外のシステムや塔なども素晴らしい絵の連続で、最後まで飽きずにプレイ出来た。

 

 

BGMを含め、手の込んだ演出の数々

 とかく感心したのは、細かい演出の数々。

 特にBGM周りの作りはほんとに最高。

 物語の進行でBGMが変化するだけでもすごく凝っているのに、同じエリア内で同じBGMが、ボーカルが乗ったり、メロディー部分だけになったり変化するって細かすぎる。BGMはただでさえめちゃめちゃ良かったんだが、ゲーム内での演出も非常に効果的で、サントラを買ったとして、果たして満足出来るのか?という気持ちになった。いや、絶対買うけども、サントラ。

 BGM以外では、終末が近づく?と、世界が色を喪うのも、効果的で悲壮感あって良かった。

 イベント時のモーションも良い。基本、端正な顔立ちのキャラクターばかり登場するが、物語が展開するほどにみんなどんどん表情が歪んでいく。日本製かつ、このぐらいの写実度(なんだこの言葉)なデザインのゲームで、あんまり法令線をバリバリ出すような表情つけてる印象なかったので、特に目を引いた。

 

 

物語について

 さて、やっとこさ物語について。

 ここから先は、多少ネタバレして書きます。

 

 

 今作は、前作同様、周回プレイ前提な内容になっているが、3周目以降は1~2周の続きとなるため、実際に繰り返しとなるのは2周目のみ。ニーアらしく、同じ内容なのにちょっとの差で見え方が変わる、という楽しみは提供しつつ、くどいまでの繰り返しは避けているのは好感が持てる(そもそもの前作はボリュームアップの為の苦肉の策としか思えなかったし、何度も同じことさせんといて欲しくはある)。

 

 前作とは違い、人間のいない世界(正確には前作も似たようなもんだったが…)になったニーア・オートマタ。しかし、登場キャラたちは、如何にも人間らしい葛藤を繰り返させられる。

 感情を廃することを徹底しようとして最後に溢れてしまう2B。感情のまま憎悪にとらわれていく9S。他のキャラも大なり小なり、感情というよく分からないものを解決出来ず、殺されたり壊そうとしたり殺されたりする。

 状況を改善しようと戦っているのに、話が転がる程に終末まっしぐらな展開はいつものヨコオタロウ節という感じで、安心感もありつつ、終末へ加速する演出のドライブ感は流石。ボス戦のギミックなども多種多様に凝っていて、最後まで楽しめた。ボスデザインは、ちょっと終盤辺り球体型多かったけど(しかしそこで合体ギミック!!に救われた)。

 人間不在の戦いの果てにあったものが、人間の不完全性こそ素晴らしい的な判で押したかのような着地だった点は少々物足りなかったが、2B達の戦いが無為ではなく、希望に繋がるかも知れない帰結を迎えられたのは本当に良かったと思う。こっちも、終幕を否定して撃ち続けた甲斐があったというもの(ド直球メタなのはむしろ好物だが、めちゃやさしい最終戦にビックリした)。9Sは2BにちゃんとTシャツ買ってあげれたのかな…。

 何より、C/Dエンド直前の演出やゲームプレイが最高過ぎて、あの一連のシークエンスをもってこのゲームは最高だったと言いたい。シューティング、演出、アクションが怒涛の勢いで連続し、終局へと向かって行く展開。アクションシューティングのハイブリッドである旨味が、ここ一点に凝集されている。俺は今、最高にかっこいいゲームで、最高にかっこいいことをしている!!と思わせてくれただけでこのゲームは最高だと思う。

 

 

細かいとこや前作との関わり

 RPGらしい収集やりこみ要素も多いが、2周目以降にアイテムスキャナーつけてウロウロするだけで大体集まったので、然程ストレスもなく。アーカイブスの内容はあっさりながら、楽しいものが多くて集め甲斐があった。アーカイブスに対するキャラのリアクションもあると良かったが…欲張り過ぎかな。

 個体データについては面倒過ぎて諦めてしまった。よってサブクエが一つ未クリア。一応、全域の敵を倒したはずなんだが埋まりよらん…ランダム出現とかあるのでは。

 そういや、このゲームは一応オープンワールド系(広くて見えた場所に大体シームレスで行けるゲーム)だった。が、つきものな遊び(ノンリニアな進行、アクティビティー、世界からのリアクション)はほとんどない。個人的にはこうしたオープンワールドらしげな要素は求めてなかったので全然問題なかった。景観とエリア毎の差が素晴らしいので問題なし。

 前作との繋がりは相当やわらかめ。まぁ、前作の記憶相当朧げだが。

 前作の後どんだけ人類が再発展出来たのか不明だが、全部異星人に台無しにされちゃってるので、あのエンドの先は絶望でしたって感じがなくもない。

 エミール関連は、グッと来てちょっと泣いた。そういや、あの場所にもう一度行ったら何かないかな。今度また行ってみよ。

 

 

ゲームだから出来る演出に溢れたカッコイイゲーム

 めちゃめちゃアホみたいな言い方だけど、ゲームらしい演出に溢れたカッコイイゲームだった。

 ドラマの強い作りは日本製ゲームらしい良さを感じたし、小粒ながら色んな廃墟の楽しめるフィールドデザインは、ほぼストレスなく走り回れた(地下工場だけは辛かったが)。

 アクション・シューティング、個別の部分には若干の不満もあれど、全体的には大満足の一本だった。話はきっちり完結してるし、トロコンも買えるし、セーブデータもアレ出来るし、後腐れなく遊び終われる一本でした。

 

 

 

今日は以上。