「ゼノブレイド2」感想(ネタバレなし)
終わり良ければ全て良し。
「ゼノブレイド2」の感想(ネタバレなし)。
プレイ状況
プレイ時間は130時間。
半分くらいはレアブレイドに関するクエストやら探索に使った。攻略サイト見なかったから、めちゃくちゃ色々と時間かかった。
余計な戦闘はほとんどしなかったのでクリア時のキャラ平均レベル79。それでもラスボスは楽勝。全てのレアブレイドを集めて育成する!などをやろうと思うと、更に数十時間かかるのは必定だったろう。
ざっと箇条書きで
要素が多く、詳細に書いていると書き終わらない気がするので、箇条書きでざっくりと。
- 破格のボリューム
- 少年誌な王道物語。
- デモシーンは楽曲がメチャクチャ盛り上げてくれるが、一つ一つがビビるほど長い。長いがフォロースルーが足りない。
- キャラクターの描写には大量の手間がかかっているが、メインストーリだけを見ると、物語の起伏優先での描写が目立つ。重要なことを全く話し合わないパーティーメンバーについて、どこまでスルー出来るかで感じ方が随分変わるはず。
- 最後は「ゼノ」らしい展開。
- 話の終わりは綺麗に着地しており、終わり良ければ全て良しと感じた。
- 戦闘システムは順当に解除されていくが、見直すことが出来ないチュートリアル。
- チュートリアルが足りなくて単純に思えない戦闘システムだが、把握すれば単純。
- 2種のコンボを使って、発展する2つのコンボを使いこなすと一気にダメージがインフレして大変気持ちがよく癖になる。
- 回復ポットが敵サイズを中心にすっ飛ぶ仕様は嫌がらせとしか思えなかった。
- チェーンコンボを出せる段階になると、戦闘中の戦術は単純化され、事前セットアップでほとんど勝敗が決定する。ヘイトコントロールとヒール系アシストコア超重要。
- 最終的にはチェーンコンボで5玉以上を出すゲームになる。
- コンボダメージが上がっていくには段階を踏む必要があるため雑魚でも体力が多く、戦闘が長引く。
- 格下との戦闘は(ユニークを除き)完全にスルー出来るので、レベルが上がるほど面倒な作業戦は減っていく。
- 気合が乗ったブレイドクエスト以外のサブクエストはお使いが露骨な上、お使いがどんどん増えるせいで中盤以降まで放置しがち。
- ブレイドクエストも、全エリアの複数マップポイントを正当な順序で巡らねばならないなど、無闇に手間のかかるものが多い。しかし、キャラを強化出来て、イベントが見れるということでやってしまう。そしてやるとキャラが着実に強くなって嬉しい。
- 舞台は狂気に近いほどの作り込み。広大かつ複雑。大小区切られているものの、見える場所には行ける、という意味では十分オープンワールドを感じられるレベルでそんなエリアが複数あるのはすごい。
- ルクスリア王国については「スタッフ相当イカれてる」と思った。
- 多様な環境を探索するのは、複雑なマップ構造もあってなかなか大変で、その分、冒険している感覚はある。とは言え、未踏の地であろうがなかろうが地図は到着時点で全て判明しているスタイル。
- 地図が複雑で立体的な構造の地形についていけておらず、序盤で訪れるグーラの時点でいきなり地形についていけてない。半端に当てにすると返って道に迷う。地図を見ても見なくても迷う。
- 広大な舞台にも関わらず、ローディングがえげつなく早い。おかげで作業プレイですら、やり続けてしまえる。テクスチャの読み込みなどは犠牲にする割り切り。
- 背景美術については、軽さを重視したのか、ムラを感じる場面も多い(建物や地面のテクスチャとか)。全体的にはきつめの色彩で色んなロケーションをわかりやすく見事に表現していたと思う。
- キャラクターデザインに忠実なモデリングだが、デザイナーがバラバラなので、絵面の統一感はない。ソシャゲ的。しかしタッチの差までは希薄なため、最終的には慣れた。
- ストーリー上、固定の一部ブレイド以外、ランダムで獲得する。何のレアブレイドが出たかどうかは編成やプレイの起伏にも影響を与えるが、どの程度操作しているのかは不明(手持ちレアブレイドが増えるほど排出率が低くなるくらいの操作はしてそう)。
- 引いたレアブレイドによってプレイモチベーションが乱高下しそうな危うさだが、個人的には悪くない挑戦だとは思った。
- 序盤は回復タイプのレアブレイドばかり偏って少し苦労した。
- キズナを自力解除すればするほどブレイドへの愛着はわく。
- 特定敵を倒せというキズナ解除はクソ面倒で、大抵傭兵団に送って解決してしまった。クエストと同じようにキズナ解除条件もガイドマーカーに指定出来れば…。
- ブレイドの割当を変更するオーバードライブは中盤以降もっと手軽に手に入って良かったように思う。
- ブレイド毎、キャラ毎のセリフの数はそこまで多くないが、組み合わせ毎の会話・セリフパターンも考えるとおっそろしく大量のリソースが用意されている。ジークの絡む会話は大体楽しい。でも、スペルビア兵はもうちょい黙れ。
- UIは全体的に少し不便。一画面内の情報量が限られるのは、携帯モードを考えるとしょうがないが、それでもソート機能が微妙で、しかも記憶されないのは不便。
いいところと残念なところがラインダンスしている。
複数の要素でプレイが途切れない
プレイ時間の半分くらいは、メインストーリー以外の部分を遊んで過ごした部分になる。
サブクエスト、キズナ上げ、傭兵団。それらに付随する戦闘、収集、サルベージに発展度上げ。快適で最高に楽しい遊びとは言い難いものもあるのだが、目先の目的に合わせて手持ちのブレイドをどう振り分け、どの行動をこなすのか考えるのは非常に楽しく、ズルズルとやり続けてしまう魅力があった。そして、気付いたらプレイ時間が130時間を超えていたという。
正直、DLCもあるからもう終わりにしようと踏ん切りをつけたのでエンディングを迎えたが、そうでなければまだまだ遊べていたと思う。玉石混淆だけれども、ボリュームのオバケであることは間違いない。
物語とキャラクターについて
自分には感情移入ギリギリの内容だった。本当に熱い展開は多い!のだが、同時にツッコミどころも多い。
プレイ中の感想にも書いたが、とにかくキャラ同士が重要な問題の情報を共有しない。それが原因でピンチになることが多いので、作為が見え透いてしまい、話に乗り切れない自分が常にいた。勢い重視で対話が成り立っていないような会話も多い(レックスとルクスリア王、終盤メツの会話とか)。おかげでレックスとホムラ(ヒカリはかわいい)の関係はかなり重要だと思うが、ここが一番感情移入出来ないという。命共有してるのに情報も共有しなさいよ…。大事なポイントが不明なまんま命賭けるのやめなさいよ…。
「盛り上がってるし熱い!!(けどさ)」という状態で。
ただ、レックスとホムラの関係性や、フォロースルーの足りなさを除けば、それぞれ別の立場に立脚したキャラがそこをブレさせずに冒険を終えたのは良かった。また、ここぞでかかる楽曲のテンションがすこぶる高く、細かいことは全て解決したあと、最終戦を経て迎えたエンディングではきちんと感動出来た。いやその手前の脱出時とかもギリギリだったぞほんと(急にみんな嫌な物分りの良さ発揮するな)。
一方、メインストーリー以外を見れば、多数のクエストとブレイドとの会話が膨大に用意されており、メインキャラのキャラクター像は明確で、愛着がわくに十分なボリュームがある。若干引いてしまうレベルでエロ保守的なデザインも、馴染むのに時間のかかったデザインの不統一も、プレイを続けているうちに押し流され、最終的にはいい終わりじゃん!と思えた。
結局のところ130時間付き合えたゲーム
いいところと、残念なところが、最後の最後までどつき合うような塩梅だったが、常にやれることやりたい事があるゲームのサイクル、やればやるほどキャラクターたちに愛着のわくおかげで、結果、長時間のプレイを楽しめた。RPGでこんなにプレイしたのはペルソナ5以来だろうか。
オープンワールドを作れる数少ない国内メーカー、モノリス。今回は、保守的なキャラ・物語に、ソシャゲ的な新しい要素を冒険的に混ぜたゲームだったが、次はクロス路線のMMO的な方向をアップデートさせるのだろうか…。個人的には、戦闘システムを全面刷新してみて欲しいな。
今日は以上。