「SEKIRO(隻狼)」感想
「SEKIRO」クリアしました。
ラスボス、最高にいいボスでした。
クリア状況
プレイ時間、さっぱりわからず。40時間とかそのくらい?もっとか??
どノーマルに、不死断ちエンドで終了。バッドっぽいものを含め、あと3つもエンドがあるようなので、2周目不可避。
最高の剣戟ゲーム
大体の感想は、以前の日記と変わらない。
ちょっと追記したいこともあったので、せっかくだから別に書いてみようかなと。
※書き終わった後、ざっと読みなおしたけどあんま変わらんな…。
隻狼にも、ダークソウルと通じるものはある。同じ開発なだけあり、UIやTIPS、鬼仏前での動作、会話可能なNPCの振る舞いにダークソウルと同じ感触がある。
しかし、あくまで別のゲームだ。レベル制による育成要素や、マルチという救済措置はない。スキルによる育成、探索要素などはあるものの、基本的には、プレイスキルが物を言うアクションゲームに仕上がっている。
このゲーム、とにかく、動かして、戦って、自分で痺れることができるかっこよさがある。
かっこいい戦いへ自然に誘導するのが「体幹ゲージ」と「弾き」という2つの要素だ。
ちょっとやそっとの攻撃で敵の体力は減らせない。敵の攻撃は早く激しいが、回避は無敵時間が短い。しかし、体幹ゲージはメリメリと増やすことが出来る。敵の攻撃を弾くことができればノーダメージに抑えることができるし敵の体幹ゲージも増える。弾きはカウンター攻撃と同等の価値を持つ。弾きに失敗しても勝手にガードに変化してくれる。リスクは少なくリターンがでかい。敵の体幹ゲージを溜めきれば、忍殺が出来る。忍殺を決めれば、体力がいくら残っていようが、敵は即死だ。
弾きの気安さと、体幹ゲージの存在は、プレイヤーを自然に、敵の刃圏内に踏みとどまらせる。これら要素の重要性に気付けば、自ら懐に飛び込むようになるだろう。敵の攻撃はすなわち、弾き=体幹ゲージを増やすチャンス。積極的な攻撃はガード上からでも体幹を削れるし、相手の攻撃を誘発出来る。誘発した見切りやすい攻撃からは、弾いて見切って、更に体幹を削る斬り返しへ繋げることが出来る。
こうして、敵との間に、高速での剣戟が展開する。密着状態での攻防。突き攻撃を見切り、下段をジャンプで回避し、弾いて斬りつける。敵との火花散らす高速のアクションは、ダンスのようにリズミカルであり、その戦いを制して、忍殺を決める快感は病みつきになる。
忍殺・不死斬り時の演出は、サラッとしたものだが、抑制の利いた演出とモーションは、それまでの激戦を制した感動を強め、かっこうよさが天元を突破してくる。
ブラッドボーンで目指された「死闘」が、隻狼においては弾き・体幹という仕様を得て、また少し別の形で結実しているわけで、ちょっと感動する。
圧倒的な敵を倒す快感
ダークソウルシリーズも、難敵の演出が上手かったが、今作では、体幹ゲージの仕様が作用して、よりうまく演出されている。
初見では、大抵のボスに手も足も出なかった。防戦一方のまま、あっという間に体幹ゲージを削られ、無防備になったところを屠られる。絶望を抱くに十分な火力でぶん殴られる。
しかし、本ゲームの場合、先にも書いたが、敵の攻撃=体幹ゲージを増やすチャンス。敵の攻撃タイミングを覚えることが、攻防両面で有効なため、雑に言えば他アクションゲームの倍の速度で敵を攻略していくことになる。
何度挑んでも勝てそうに思えなかった敵なのに、いくつかの攻撃のタイミングを覚えた途端、一気に戦いやすくなり、気付けば瞬殺と言っていいような倒し方が出来るようになる。劇的とも言っていい上達の感触を、自分のプレイスキルで引き寄せたと感じられる仕様・調整は見事で、隻狼を唯一無二のゲームへと押し上げている。
忍具も、敵の攻略を加速してくれる。居合先生や火牛などは特に忍具のありがたみを感じる敵だ。居合先生は仕込み傘を使えば勝手に忍殺可能になってくれる雑魚と化し、火牛は爆竹で怯んだ隙にタコ殴りに出来る。傘と爆竹万歳。忍具のうち、錆び丸だけ出番がねえ。
流派技は、出が遅く、火力もない……と思いきや、使いこなすと滅法強い。特に仙峯脚。上段攻撃以外になら、テキトーにカウンターで出して打ち勝てることが多く、タイミングが良ければ体幹の奪いっぷりが半端ない。一文字も強くて便利だったけど、隙がはっきりした敵にしか使わなかったな。猿とか。あとは…そんなに使いませんでした。噂では強いと聞く秘伝技を使ってみたい。
高速移動と探索
高速の移動と、広いマップも本作の美点だ。
スタミナ無制限のダッシュと鉤爪、そしてかなりの高所からでもない限りダメージを受けない仕様は、忍者らしい高速の移動を縦にも横にも実現する。目的地と鉤爪ポイントを把握した状態での移動は、半端なく早い。その移動が十全に活きるための広大なマップは、複雑に繋がっており、ブラッドボーンとはまた違った探索のし甲斐がある。遠景まで描写しており、自分が必死で駆け回った場所を、遥か高みから見下ろせたりするのは、オープンワールド的な楽しさがあった。
一方、広大なマップを用意することにリソースを割いたせいか、環境変化の密度が薄い。ここら辺は、次回作(あるいは同様の理念で作れられたもの)に期待したい。和風世界、まだまだ色んな絵作りが出来ると思うので、フロム流の和風をもっと見せて欲しい。
まだまだ上手くなれる(はず)
救済措置が少ない。ボスの使いまわしが目立つ。といった点は人によっては欠点になりうるだろう。絶望的な戦いに挑み、自分を研ぎ澄ませ、気付くと隻狼世界に馴染む…という過程を誰もが踏めるとは限らない。強いボスはほんと強いので…。
自分も、更に剣戟を楽しみたかったので、もうちょい色んなボスと戦いたかったなーという気持ちがある(逆に、次回作が楽しみなゲームがまた増えたとも言う)。
しかし、新規タイトルとしては、いきなりとんでもない出来だ。
2周目では、あんなに苦労したボスをどれも初見撃破できたことで、自分の上達をより強く実感する。上達できる伸び白が豊富な作りになっているので、気付くとえげつない難易度だったゲームが、とても簡単なゲームとなっていくのは、驚く他ない。懐深すぎるだろ。
他プレイヤーの動画を見ると、まだ更に上達できるだろうと感じる。やればやるほど上手くなる。上手くなれる余地が見つかる。それに応えてくれるゲームになっている。
全エンドを見るかは微妙だが、あと2つくらいは見たいと思っている。流石に、不死断ちエンドで終わるのは無念過ぎる。
多分、それら別エンドを見終わる頃には、更にうまくなっている、はずだ。
今日は以上。