ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「龍が如く7」感想

 「龍が如く7」をクリアしたので今日はその感想。

 時間がないけど、脳内であったかいうちにさっと書くぞ!!

 物語に関するネタバレは一切なしのはず。

 

 

RPGになった龍が如く

  前作「龍が如く6」で、それまでのシリーズでの主人公だった桐生一馬の物語は幕を閉じた。

 桐生一馬というキャラを使ってやれる作劇に限界が来ていたのだろう。桐生一馬は表舞台からは去っていった。

 代わって主役となったのは春日一番。ゲームも、アクションゲームからRPGへと大きく変貌した。

www.youtube.com

 ところで動画のサムネイル、なんで趙だよ。

 

 

やっぱり「龍が如く」だ

 そもそも「龍が如く」というのはどういうゲームかと言うと、ざっくり言えば「箱庭アクションゲーム」。主に「神室町」という歌舞伎町そっくりな架空の街を舞台に、立ち塞がる問題を、大抵は暴力で何とかしていくアクションゲーム。シリアスでリアルな舞台設定に、ファンタジーな「任侠」vs「ヤクザ」が争うメインシナリオ、悪ふざけ全開のサブシナリオ、常軌を逸した大量のミニゲーム、というパッケージが定番になっている。個人的には、制作上での割り切り、リソースの使いまわしが非常にうまく、シリーズを重ねることで正しくパワーアップしてきたという印象が強い。

 

 結論から書くと、今作は大きくジャンルを変えたが、基本的にはがっちり「龍が如く」だった。

 バトルこそコマンド式RPGとなっているが、それ以外のプレイフィールは意外と変わりない。現代日本の街を自由に探索し、サブイベントを体験したり、ミニゲームに興じる。

 特に、現代日本の景観をこのレベルで表現しているゲームは他にない。今作では、RPGというゲームプレイの変化に合わせ、マップが大幅に増量されている。シリーズ恒例の神室町に加え、その3倍ものサイズを誇る横浜異人町、さらに旧作でも登場した蒼天堀まで登場する。主な舞台となる横浜異人町の出来はかなり良い。主な景観変化が建物の文化的な特徴変化に限られ、平坦で坂道・山がない、神社仏閣がないなど、少しの物足りなさはあるものの、些細な欠点でしかない。

 あと、マップが増量しているのに、ローディングスピードがさらに短くなっている(体感)。ジャッジアイズより更に進化している。これはさりげなくでかい。

 それら3つの街を走り周り、暴れまわることが出来る本ゲームは現代日本を舞台にしたゲーム遊びたい人間」にとって、必携のゲームに仕上がっている。

 

 

和製RPGのハイブリッドは粗削り

 大きく変わったのはバトル周りだ。

 簡単に言うと、「ペルソナチックなUIで」「テイルズのように敵味方が入り乱れたバトル」が出来るコマンド式バトルになっている。

 キャラのモーションは味方・敵ともに、龍が如くらしいアクションで満載。コマンドを入力すると、派手で爽快に動いてくれる。コマンド式バトルであるにも関わらず、龍が如くらしい乱闘の雰囲気がちゃんと息づいている。

 コマンドバトルである利点を活かし、従来作より一層派手な演出も盛りだくさんだ。極技というスキルや魔法に該当するコマンドでは、ほとんどの場合ボタン押しによる追加効果があり、適度に入力機会があるせいで、それなりに楽しめるようになっている。

 特に、召喚獣とでもいうべき「デリバリーヘルプ」の演出はかなり飛ばしている。序盤は、黒人トゲボクサー、赤ちゃんヤクザ、ザリガニ、炊き出し女性などが召喚可能だが、チョイスが全力で狂っている。

 ただ、モーション、演出はよくできているものの、バトルの出来自体は色々と粗削り。

 一番気になったのは、技が増えると選ぶのが大変でテンポが落ちる点。ゲームが進むほど技が増えて気になってくる。敵が立ち上がる前に追撃する、という半端なリアルタイム要素あるのに、対象キャラの選択も直観的ではない。リストから選択できる方式であってほしかった。

 弱点、敵のガード、など細かい仕様があるが、武器についた属性は事前に弱点を突けると告知されないなど情報不足であり、狙って使いこなさせまいとするかのよう。攻撃前に弱点を突けるか、吹っ飛ぶ確率は?ガードされる確率は?などが表示された方が、戦闘が面白くなったように思う。敵との位置関係が常に変化するのに、戦略には生かせず、範囲攻撃は効果範囲が表示されないのも手伝って的確に使用出来ない。

 戦略的な立ち回りは、仕様が未整備なせいで難しく、仕様がわかってなお、一部敵(雑魚)の高いHPにはうんざりさせられる場面も。

 またキャラがある程度自由に動き回るせいで、遮蔽物に詰まったり、やられ続けた敵がどんどん主戦場から離れて行ってしまうのも地味にしんどい。

 コマンド式バトルにも関わらず、モーションと見せ方で乱闘アクションの雰囲気を出せているが、それ以外がいちいち惜しい。

 

 RPGであるため、育成要素も豊富なのだが、こちらも気になる粗さが散見される。

 敵の経験値・獲得金はレベルに応じて変動する仕組みになっている。このため、序盤はとにかく成長が遅い。格上に挑んで一気にレベルアップしようにも、レベル補正が大きいため、格上にはほとんどは歯が立たない。中盤を過ぎる頃、安定した狩場が登場すると一気に育成が可能になるが、それまでは育成における波が一定過ぎて、強くなった!という実感が薄い。

 また、多数のジョブがあるのだが、さまざまなジョブを育成するメリットが薄い。ジョブを跨いで使用可能な技をもっと増やしたり、ジョブごとの個性をもっと強くしてほしかったように思う。ジョブレベルの影響が大きく、一つのジョブを徹底して鍛えた方が攻略しやすいのも、多数のジョブに手を出しづらくしている。

 終盤は突然強いボスが登場し、レベル上げが必要になるが、雑魚と戦ってもほとんど育成が進まず、一気にゲームが停滞する。あのボスたちには物語上、強くあってもらいたいが…。そのタイミングに合わせ、育成に特化したバトルアリーナが登場するのが救いか。

 最終的には、金がほとんど解決するというのは、本作らしい無茶っぷりで一周回って好感が持てる(敵集団と財布の100万は一瞬で壊滅する)。

 

 とまぁ、結構マイナスを書き並べたが、逆に言えば、粗削りな部分はあっても、若干の苦痛を覚える程度で最後まで遊べるぐらいには出来上がっている。一方、伸びしろは非常に大きく、シリーズの今後に対して非常に期待が持てた。

 ちなみに、敵のリソース量が半端じゃない。伊達に単なる敵図鑑に「スジモン図鑑」などとポケモンみたいな名前をつけていない。伊達に??見た目のバリエーション中心だが、RPGに転換していきなりこの物量の敵を出してくるのは、ちょっとビックリした。

 

 

新たな主人公と物語

 新たな主人公を迎えての物語について。

 今作は、導入部が異常に長い。本格的にゲームが始まるまで1~2時間はかかる。とにかく長く、そして重い。半端なく重い。

 前作までの主人公、桐生一馬に対し、新たな主人公となった春日一番のドラマに感情移入させるには、それだけ時間をかける必要があるという判断だろう。大衆演劇のパートなど、見応えがあり、演出も良い(特に全体に貢献してはいないが)。

 なお、導入部のプレイアブルパートでは、走ると中井貴一がついてくるシーンがある。走ると、中井貴一(ヤクザ親分ver)が無言で走ってついてくるゲームなんて他にない。この時点で最高のゲーム体験が保証された。

 さて、導入部はとんでもなくヘビーだが、いざ、本編が始まると、春日一番の陽性のノリにより、ずいぶん雰囲気が変わる。どん底から成りあがるというシンプルなストーリーラインも強い。桐生一馬の場合、しかめ面で壁を粉砕する爽快感があったが、春日一番の場合、いちいち壁にぶち当たりつつも、前向きに笑いながら壁を乗り越えていく姿に好感が持てる。プレイする前、パブイメージからもっとイケイケな人物かと思っていたが、実際は素朴で味のある男に仕上がっており、正直桐生一馬より好きだ。

 そんな一番を支える仲間もバラエティー豊か。世間から「真っ当」とされるレールから外れ気味のところにいるキャラが多く、極道ヤクザ以外ばかりが仲間になるのを含めシリーズとして新鮮味がある。特に、これまでは出ずっぱりという訳にいかなかった女性がパーティーメンバーにいるのは大きな変化。しかも上坂すみれ声のキャバ嬢。これは強い。

 メインストーリーでも、仲間がいるからこそ、というシーンが多く描かれるが、絆イベントや、飲み屋での無駄話、街頭での会話などなど、アクションだけではなく、常に仲間と一緒にいることを意識させてくれる(ここもペルソナ+テイルズを思わせる)。これは、操作キャラは常に一人に限られるアクションゲームでは出来ない表現で、インタビューを読むと「物語に合わせてRPGへとジャンル変更をした」というのもうなずける。

 

 舞台の背景となる「異人三」のネタは、浄化運動による反社のアングラ化と在日問題を混ぜて取り扱っている。リアルタイムの社会問題をなるべく真摯な手付で撫でるところもシリーズ同様。一方で、話が走り出すと個々の問題への切り込みは程々に、浪花節+荒唐無稽なエンタメに振り切っていくのも、いつも通り。 総合するとメインシナリオの強度は「ジャッジアイズ」に軍配が上がる。

 個人的には、「〇〇(13章)」なんて今回の「仲間」というテーマと親和性が高く、すごくいい大ネタだと思ったが…。ちょっとしたフックで終わらせているのがもったいなく感じた(あの無茶苦茶な土台で広げるのは無理筋だとも思うが)。

 終盤に向けてリアリティーが崩壊していく物語ではあるが、主人公一番の性格が陽性であることや、仲間とのコメディーパート、全力でふざけたジョブや技が常時存在することもあり、寄り道で無茶苦茶することや、シリアスなままリアリティだけ放り飛ばす物語へのシビアな視線を緩和してくれている。どんなにシリアスしても、戦闘になると、金属バットでぶん殴り、占いと称して水晶玉をボーリング投げして、街中でもお構いなしに銃を撃ちまくるんだもの。おかげで、従来作より許容出来る余地がグッと広がっていると感じた。

 逆に、少し残念だったのは、サブイベント。いや、サブイベントのシナリオは相変わらず面白い。今回もバカバカしいし、メインシナリオと違って、自由にバカに全振りなのが清々しい。一番のツッコミも冴え渡っている。しかし、ジャンルが変わり、仲間が常時いるようになったにも関わらず、シナリオの作りが既存シリーズと同じなのだ。仲間は話に絡まず、最後にバトルがあると、突然仲間が参戦して敵を袋叩きにする。これはこれで酷くて笑ってしまうが、空気扱いされる仲間の存在が悲しい。次回作では、仲間を含めたものとして対応したイベントも期待したい。

 

 

今後に期待できるシリーズ

 

 ジャッジアイズよりフェイスモーションが進化して、実写取り込みキャラの口の端の動きがかなり自然になったように感じるとか、会社経営がミニゲームとして普通に面白過ぎたとか、ダンジョン面白くなさすぎるとか、他にも色々あるが……。

 龍が如く特有の「どシリアス」と「バカ」が同居する独自のノリをこれまでにないレベルで極端にしつつ、ちゃんと(?)一つにパッケージしている。

 大衆演劇の渋い描写で始まる、走ると中井貴一がついてくる、会社経営すると狂ってるほどお金稼げる、ヤクザとの闘いで衛星レーザーを撃ち込む、ハローワークで悪魔に転職できる、ミュージシャンの技でゲリラライブするとファンが敵をノリながら踏みつけまくる(アウトだろ)、ザリガニが錐揉みしながら敵を抉る、はぐれホームレスを倒すと経験値がめちゃくちゃ入る……こんな無茶苦茶を、AAA級のグラフィックで楽しめてしまうゲームは「龍が如く7」しかない。

 

 一番の成り上がりはまだまだ途上。出来れば、次回もホームレスから初めてほしい。毎度レベル1に戻るランスのように。

 

 

 

今日は以上。