ヨコズキゲーム’

ゲームの事しか書いてない らじてんのブログ。

「Frostpunk」新しい家までの感想

 「仁王2」の発売が近づいてきたぞ。

 今日は「Frostpunk」の感想。

 

 

「Frostpunk」感想

 PS4版。プレイ時間40時間くらい。プレイ状況:シナリオ「新しい家」をクリア。

 プレイ状況からして、やっと門戸を開いた程度のプレイだが、今を逃すとなかなか感想を書けなくなりそうなので。

 

 「Frostpunk」は、「This War of Mine」を手掛けたポーランドの11 Bit Studios開発のシミュレーションゲームシムシティなどのように建物を建てて街を作るシミュレーションゲームだが、このゲームでは発展するより、生存することが目的だ。ハードでスチームパンクな世界観が痺れる。

 

 

極寒の厳しい世界

 地球寒冷化により、絶滅の危機にあるっぽい人類。安全な地を求め、旅をしてきたプレイヤーを含む80人の集団が、稼働するジェネレーターを発見したところから、ゲームは始まる。

 

 最初は右も左もわからない。チュートリアルに言われるがまま、石炭を採取し始める。収集所の存在も知らないため、採取場所に直接、労働者を配置。雪の中で労働者たちは黙々と石炭を掘ってくれる。

 寒い!と文句を言う住人たち。そりゃ住居ゼロだからな…。俺はテントを設営してあげることにする。80人という人数はわずかに感じるが、住人全てが収まるようテントを建てるとジェネレーターの暖気が届く範囲はすぐ埋まってしまった。そして足りない木材を採取するため、労働者を木材の採取ポイントに直接配置。雪の中でやっぱり黙々と木材を採取する労働者たち。

 ジェネレーターに辿り着くまで、はぐれた夫を探して欲しい!と頼んできた住人の願いをかなえるため、ビーコンを作ることになった。ビーコン開発のために、ワークショップを建設。早速ビーコンを研究完了し、建てる。わずか数時間で次々と新たな技術を開発するワークショップ勤務者は非常に優秀(既存技術の解析してるだけだとしても優秀)。

 ビーコンの設営によって拠点外部に調査団を送ることが出来るようになった。資源や生存者を探すことが出来る。

 このゲームでは人口を増やすには、生存者を外部から集めるしかない。どんどん生存者を集め、どんどん労働をしてもらう。しかし、生存者が増えたせいで食べ物が足りなくなる。食べ物を集めるためのハンター小屋、調理場は設営済だが、人員が足りない。しかし、採取から人員を回すと石炭が足りない。やばい。

 結論から言えば、収集所を建てていないからこうなった。収集所の効果範囲であれば、石炭・木材・鋼など、別種の資源を並行して採取可能、しかも屋内作業が増えるため、病気になりにくい。収集所を建てていないため、複数の採取ポイントに無駄に人手を割いており、ハンター小屋に手が回っていない。しかし、この時は気が付かないまま、人員を無理やりやりくりしている。

 そうこうしているうちに気温が急速に低下する。このゲームは、周期的に寒波が押し寄せ、気温がマイナス20度下がるようになっている。あっという間にマイナス40度まで下がってしまった。ぼんやりしていると、凍傷者が続出し始める。急いでジェネレーターをオーバーヒートさせてジェネレーター周辺の温度を上げる。しかし、屋外作業従事者までその温度は届かない。

 早速被害を出してしまったが、気温は少し戻ってくれた。しかし、元の気温に戻ったわけではない。寒波が来るたび、基本となる気温が下がっていく。それに負けないよう開発し、設備を整える必要があるのだが……実はこの時点ですでにほぼ詰んでいる。最初の寒波ですら耐えられない時点で更に厳しくなる環境についていけるはずもない。しかし、リーダーである俺も、住人たちも気付いていない。

 凍傷者に荒療治を施す法律制定を住人に迫られ、施行することに。荒療治に失敗した四肢を欠損した者が出てしまう。今度は、四肢欠損者が療養する介護施設を建てる法律を制定する羽目に。義肢を開発すれば、彼らはもう一度働けるらしい。しかし、ただでさえ足りなかった労働力がさらに減って、そんなものが開発できる状態ではない。

 石炭か食料が足りない状況の中、徐々に病人が増えて労働者が減っていく。救護所はいっぱいで病人があふれ始めた。そこに訪れる寒波。増える死者、上がる不満ゲージ。ゼロに近づく希望ゲージ。俺は、もう駄目だと悟り、ジェネレーターオーバーヒートの警告を無視する。ジェネレーターは限界を迎え爆発、全てが終わった。

 

 初回プレイを踏まえ、次は収集所の便利さに気付く。収集所のおかげで劇的に状況が改善した。しかし、人々が絶望的になってしまうイベントの後、希望を回復させることが出来ず、大量の離脱者を出したうえ、運営状況を悪化させて終了。

 その次は、寒波に間に合わず終了。難民を受け入れたことで食料バランスが崩れて終了。世界マジで厳しい。

 

 

遊びやすく、失敗のたびに上達を感じる

 しかし、プレイするたびに確実に生き延びるのがうまくなる。どの設備からどのように建てるのか。どの不満を無視するのか。優先すべき資源がわかるようになる(なった気がする)。

 難易度こそ厳しいが、ゲームのテンポは非常に速く、ハードでとっつき悪そうな美術だが、ゲーム自体はかなりわかりやすい。そして美術もかっこいい。おかげで、周回プレイが大して苦にならない。資源の数は6種と少なく覚えやすい。建物も試せばすぐに性能が把握できる。この手のゲームでは複雑な仕組みが登場して把握自体が難しいことが多いが、本作はかなりシンプルに出来上がっている。

 失敗しながらも、各種施設やイベントを把握し、来るべき試練に備えることが出来るようになっていく。ゲーム内容はシミュレーションゲームだが、短い時間で着実にプレイヤースキルと経験が積み上がる作りによって、ダークソウルのような感触が楽しめた。

 

 

辛いだけではない

 舞台は厳しい世界であり、ゲームプレイも常に選択が迫られる。資源確保のためには、24時間労働を課すことになるかも知れない。労働力確保のため、児童を働かせる人もいるだろう。荒療治の結果、四肢欠損で動けなくなる人も出てくるが、かと言って凍死者を放っておけば墓が埋まっていくことになる。

 ゲームは中盤から、秩序、あるいは、信仰のいずれかに特化した法律を制定出来るようになる。自分の場合は、信仰を選択したが(危機において信仰はコストがかかりにくいというイメージから)、住人の不満度や希望へよりアクセスできる法律が多く、発生するイベントも、選択の功罪について考えてしまうようなものが多かった。

 迫る危機をどういった法律を選択して乗り切るか、人によってさまざまな選択があるように作られている。選択の結果は、建設や技術開発の選択に影響を与え、それぞれの道筋と解決が現れてくるだろう。

 

 険しさを増す状況に耐えられるよう、準備を進める中、訪れるシナリオ終盤イベントの畳みかけたるや。地球からの殺意を感じるほど、無慈悲で苛烈な状況の中で耐え忍ぶ最後の数日は、たしかに祈っていたと思う。その太陽のマークまで辿り着かせてくれと。

 クリアした時は、達成感と充実感に満たされていた。それまでの選択肢の何もかもに報いがあったという気がしたし、同時に、見捨てられて死んだであろう病人の難民や、避難が間に合わず寒波の藻屑と消えた調査隊に一方的に感謝した。今までプレイしたシミュレーションゲームでは感じたことのない複雑な感動があった。終わってみればわずか30日間。短くも濃密な闘いだった。思わず徹夜気味に朝までプレイしてしまったが、クリア後に見た朝陽は印象的だった。ありがとう太陽。そのあと、親子で公園に遊びに行きました。めっちゃ眠かった。

 

 

まだまだ良いリーダーにはなれない

 シナリオはまだ1本目をクリアしたばかり。あと3本もあり、それぞれ条件が異なるみたい。1本目でもかなり目を回していたので、クリアできることやら…。コツは掴めた…と思うが、まだまだ目先の不満に対処してしまってるうちに、必要な設備を用意し損ねるところがある。

 住人の言うことを聞くのが良い為政者ではないというのが、不満や希望のパラメータと、各種イベントによってうまく表現されている。少なくとも、俺は余り良い為政者ではないと思い知らされた。失敗を積み重ねた結果が、プレイヤーの追放、あるいは住人の全滅など、痛烈に跳ね返ってくるのが、このゲームの刺激的なところだ。

 もう少し「新しい家」のシナリオで色々試したら、ほかのシナリオにも挑戦したい。DLCローカライズ移植されてくれ。

 

 ゆるゆると街づくりを楽しむゲームではなく、とにかく数人であろうと、生き延びることが目的というゲームプレイは新鮮。厳しい道のりを歩いた先のあたたかな希望を味わいたい人は、寒い季節のうちに遊んでみて欲しい。

 

 

 

今日は以上。